彼が求めてこなくなったときに考える“自分の価値”。本当の不満は“レス”じゃない
恋人とセックスをしなくなって2年。最初は寂しかったけれど、彼氏が求めてくれないことが今は当たり前になった。それより怖いのは、彼にとっての自分の“価値”。レスでも女として見てもらえているのか……。スキンシップがなくなることでできた距離は、どうすれば埋まるのでしょうか。心が離れないためにはどうすれば良いか考えてみます。
■「怖いのは“レス”じゃなくて彼女としての価値なんです」
順調に交際まで進み、今も仲は良いのですが、この2年ほどセックスしていません。付き合いだしたばかりの頃は週に3回も4回も抱き合っていたのに、1年を過ぎたあたりからだんだんと回数が減り、月に数回しかしなくなって。最後にしたのがいつだったのか、もう覚えていないほどですが、セックスレスとなってからは2年になります。
もともと私はセックスには淡白なほうだけど、彼は積極的な人でした。山帰りで疲れているときでも必ず抱かれていたのが、シャワーを浴びるとそのままベッドで寝てしまうことが増え、何だか寂しいなと思うようになりました。
がんばって私のほうから誘ってみたこともあったけど、『ごめん、今日はどうしても無理だから、また明日』と断られてしまうとショックで落ち込んでしまい、今はこちらからは言い出せずにいます。キスやハグも以前よりずっと少なくなり、我慢できなくなって私が抱きつくと、そのときは優しくしてくれるのですが……。
ふたりで過ごす時間は楽しいし話も盛り上がるし、『この人しかいない』という私の気持ちは変わりませんが、彼にとっての自分の価値って何なんだろう、と思うと憂鬱になります。
何度か彼に『私に不満がある?』みたいなことを訊いたら、そのたびに『何もないよ』『愛してるよ』と答えてくれるけど、じゃあどうして抱かないの? と余計に悩むようになって。彼から別れようと言われない限りは付き合っていたいけど、私はどうすれば良いのでしょうか」(36歳/販売)
「好きだよ」「愛してるよ」とは言ってくれるのに、手は出してこない彼。好きなら抱いてくれるはず、と女性は思いますよね。セックスでは受け身側になりがちな女性は、どうしても彼氏から「求められる」ことに愛情の証を感じようとします。
ですが、男性にとっては必ずしもそうではなく、「好き=セックス」にはならないときもあります。
逆に、「好きだからセックスする」のであれば、セックスしなくなれば好きではなくなることにもなり、そこまで極端な価値を抱き合うことに置いていない場合も。抱かれなくなったからもう好きじゃないんだ、と思うのは早計です。
セックスをしなくても、好き。そんなことは、なかなか現実では実感しにくいかもしれません。それでも、セックスレスが2年になってもまだ交際が続いていること自体が、お互いの愛情が消えていない証拠なのだと思うことも大切です。
■彼氏が求めないことは、この女性が理由ではない
上の女性の場合、彼氏は41歳。アラフォーといえば、中年にさしかかっています。もちろん、40代になっても盛んな人は大勢いるし、性欲の衰えを年齢のせいにはできません。
ですが、体力の低下は確実に、誰にでも訪れます。ふたりは登山のサークルに今でも参加していて、月に1度は山に登る生活。体にとっての負担は以前より大きくなっているはずであり、疲れからの回復に時間がかかることも忘れてはいけません。
「山から帰った後でもセックスがあった」のは昔の話。性欲だけで体が動くことには限界があります。
まだ41歳なのに、と思っても、体力には個人差がある上に性欲の大きさも人それぞれです。
また、女性が忘れがちなのが、セックスは男性にとって男らしさの象徴と感じるほどプライドが関係している点。
「本当はセックスがしたいけどどうしても疲れが先行する」「昔ほど激しくセックスする自信がない」など、性の衰えを実感するのは男性にとって深い悔しさがあります。好きな女性ならなおさら、そんな自分を知られることは恥ずかしいし、がっかりさせたらどうしようという不安も抱えます。それらは女性にはわかりづらいことです。求められる側である女性には、求める側の男性のプレッシャーは想像が難しいですよね。
だから、手を出してくれなくなったらすぐに愛情がなくなってしまったのか、と疑心暗鬼になるかもしれませんが、その前に男性の状態について考えを巡らせるべき。
・趣味を楽しみたいから、体調を自分なりに調整したい。
・体力も気力もあるときに彼女とのセックスを堪能したい。
いろいろな可能性が、「抱かない理由」につながります。そして、それらは女性には関係ありません。
「私に魅力がなくなったから」「私の体に飽きたから」ではなく、単純に男性のほうに理由があり、セックスレスになることも十分にあるのです。