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【今からできる相続対策#16】「地役権」の登記で隣家とのトラブルを防止しよう!

「隣家の土地を通って公道に出ている」「水道管が他人の土地に埋設されている」という場合は、「地役権」を登記しておきましょう。登記しておかないと、隣家に相続が起きて、土地が譲渡されたとき、トラブルになる可能性があります。

【今からできる相続対策#16】「地役権」の登記で隣家とのトラブルを防止しよう!

■「通行」「水道管」「日照権」さまざまな目的で使われる地役権

「地役権」とは、「通行など一定の目的に従って、ある人の土地の便益のために、他人の土地を利用する権利」のことをいいます。主に通行の目的で設定されることが多いです。この「ある人の土地」のことを「要役地」といい、「他人の土地」のことを「承役地」といいます。

下の図を例にしてみましょう。

Aさんの土地は公道に面しており、隣地であるBさんの土地を通らなければ、Aさんが公道に出られないわけではありません。

しかし、Bさんの土地を通った方が広い公道に出られて便利といった場合に、Aさんの土地を「要役地」、Bさんの土地を「承役地」として、地役権を設定します。

また、通行目的ではなく、水道管、ガス管の埋設のためだったり、「日照地役権」といって日照権確保のため、高さ10メートル以上の工作物を設置させないためだったりという具合に、さまざまな目的で地役権を設定することもあります。

■地役権を登記しないことで想定されるトラブルとは?

地役権は、隣同士の口約束や覚書で済ませてしまうケースもあります。しかし、費用や手間をかけて登記することも可能です。登記をしておかないと「承役地」が第三者の手に渡った場合、トラブルになる可能性があります。

たとえば、Bさんの承役地が売買によって第三者・Cさんに譲渡された場合、登記がされていなければ、Cさんに対して要役地所有者(Aさん)は、通行することができるという地役権を行使することができません。

つまり、Cさんから「うちの敷地を通るな!」と主張される可能性があります。

地役権というのは、通行のため、水道管の埋設維持管理のためといったように、生活に密着した権利であることが多く、承役地の譲渡や相続が生じた場合にトラブルとなります。多少手間かもしれませんが、登記して明示しておくことをおすすめします。

■地役権の登記で受けられるメリットとは?

要役地所有者にとっては、地役権を登記していることによって、不動産の価値が若干上がることがあります。

また、要役地の購入者にとっては、融資が通りやすくなったりと、要役地を登記することで、所有する人.購入する人にとって、メリットも存在します。

清澤晃

清澤司法書士事務所 代表司法書士 清澤晃 平成18年司法書士登録。 司法書士試験合格後、大手弁護士事務所・司法書士事務所にて勤務司法書士として相続業務や登記・不動産関係など様々な業務に携わる。司法書士法人では支店長を...

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