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【今からできる相続対策#11】どんなに兄弟姉妹の仲が良くても不動産を共有してはいけない!

兄弟姉妹がどんなに仲が良くても、相続した不動産を共有してはいけません。なぜでしょう?

【今からできる相続対策#11】どんなに兄弟姉妹の仲が良くても不動産を共有してはいけない!

■不動産を共有すると「争族」のもとになる

相続財産がすべて現金ならば、相続人に均等に分割できます。

しかし、実際は相続財産のほとんどが不動産ということもあります。

不動産は換金性が低く、共有するとなると多くの問題が浮上します。「共有」は何の解決にもならないという認識を持つことが大切です。

相続が発生すると行わなければいけないのが「遺産分割協議」。

しかし、不動産以外に取り立てて財産がない場合、分割協議が難航します。

そこで「兄弟姉妹仲が良いから」などと、安易に不動産を法定相続持分で共有するケースが見受けられます。どんなに仲が良い親子・兄弟姉妹でも不動産の共有にはリスクがあります。誰かひとりが亡くなるだけで、権利が複雑になり、争いに発展する可能性があるからです。

不動産が共有の状態だと、売却しにくくなります。売却する際には、共有者全員の同意が必要になり、簡単には処分できなくなるのです。

■いつまでも「仲良し三姉妹」のまま共有できない

たとえば、子供のころから仲が良いA子さん、B子さん、C子さんの三姉妹が、親の賃貸不動産を共有して相続したとします。

三姉妹が健在のうちは特に間題がなかったのですが、やがてB子さんが不慮の事故で亡くなりました。

B子さんには夫Dさんとふたりの子ども(Eさん、Fさん)がいました。B子さんの財産は夫と子どもが相続することに。この場合、A子さんとC子さんには相続権はありません。そこで、三姉妹共有の賃貸不動産が問題視されました。

結局、不動産はA子さんとC子さんに加え、新たにB子さんの夫・Dさんの3人で共有することに。これまでは気の置けない三姉妹で共有していたところに、他人であるDさんが入ると、これまでと状況が変わります。A子さんとC子さんには違和感が募ってきました。

このように、三姉妹で不動産を共有しても、ずっと三姉妹のまま共有できるわけではありません。誰かひとりが亡くなると、その配偶者や子ども等が共有者に加わってきます。共有者が増えると、意見のとりまとめや調整は煩雑になります。

やがて、不動産が共有のまま、三姉妹がひとり、ふたり亡くなると、共有者はその子どもたちに代替わりします。共有者がいとこ同士だと、交流がほとんどなく、コミュニケーションを取りづらくなるケースもあるでしょう。もし、その中に海外移住者や音信不通者がいると、調整はさらに困難になります。

不動産を相続する際は、司法書士や税理士などの専門家に相談し、財産を「分配」するか「承継」するか、検討しましょう。

清澤晃

清澤司法書士事務所 代表司法書士 清澤晃 平成18年司法書士登録。 司法書士試験合格後、大手弁護士事務所・司法書士事務所にて勤務司法書士として相続業務や登記・不動産関係など様々な業務に携わる。司法書士法人では支店長を...

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