【今からできる相続対策#2】相続対策って何をするの?
前回、相続税の対象が広がっていることを説明しました。今回は、具体的にどんな対策をが必要か、3つのポイントを説明してもらいます。
■正しい順番と考え方を覚えましょう
夏は帰省などで家族が集まる機会が多くなります。そんなときに考えたいのは「相続対策」です。しかし、一口に相続対策といっても何をすべきなのかわからないケースが大半です。今回は、相続対策についての正しい順番と考え方について説明します。
相続対策というと、主に以下の3つの柱に大別できます。
1.「争族」対策
2.納税対策
3.節税対策
相続対策というと、つい相続税対策と考えがちですが、そうではあリません。節税第ーで考えると、うまくいかないこともあります。
まず考えるべきことは「争族」対策です。
「家族全員仲がいいから、うちに限って相続でもめることはない」と考えたくなりますが、そのような思い込みが危険です。
実際、両親のうちどちらかが健在のときは、家族はもめないものです。しかし、その後の二次相続で親族間の争いが起きるケースが多いのです。「争族」対策は、そのとき限リの対策だけではなく、二次相続まで見越して考えましょう。
家族間の争いを避けたいのであれば、遺言書を作成することをおすすめします。これがもっとも効果的な「争族」対策といえるでしょう。
■親子同士ではなかなか現金の話はしない
続いて納税対策です。相続税を支払うとなると、現金が必要です。しかし、家族間ではなかなか「現金をいくら持っているか」という話はしないものです。相続対策の一環として、両親だけでなく息子、娘も含めた一族の財産額を把握する必要があるでしょう。
ここで財産や負債について隠し事をすると、しっかりとした対策になりません。確かな財産額を専門家に伝え、納税対策を考えましょう。
両親の現金が潤沢なようであれば、生前贈与を検討しましょう。一方、相続税の納税資金が不安なようであれば、生命保険の活用を考えるとよいでしょう。
■最後に節税対策を考える
「争族」対策と納税対策を考えたら、ここで節税対策です。主に以下の策が考えられます。
・課税財産(プラスの財産)を減らす
・マイナスの財産を増やす
・法定相続人を増やして、基礎控除額を増やす
・税額控除、特例を活用する
相続が発生してからでは、打てる対策は限られています。一方、相続の事前対策を済ませておくと、親族同士の骨肉の争いを防ぐことができ相続税を大幅に削減できる場合があります。相続対策は、どれがベストなのかは人それぞれです。