知っておきたい避妊に関するQ&A10問
人に聞きづらいし、なんとなくわかった気でいる避妊の知識。わからないままにしていると自分の意図しないところで妊娠してしまうことも。そこで、避妊に関する素朴な疑問を産婦人科医の山中智哉氏に解説してもらいました。
今回は事前に20代〜40代女性に避妊についてアンケートを実施。
その中でも疑問の多かった悩みを10つに厳選して山中氏にご回答いただきました。
Q1.避妊アイテムってどこで買うのが正解?
アイテムによって購入できる場所は異なりますが、同じ薬剤名であれば、値段によって成分が異なる、なんてことはないので、買いやすいところで手に入れましょう。ピルは病院でしか手に入らないので注意してください。
Q2.コンドームって100%避妊できる?
不備がない製品を正しく使用すれば90%以上の確率で避妊できますが、絶対ではありません。
Q3.ピルの避妊率ってどのくらい?
80%くらいです。こちらも飲めば必ず避妊できるというわけではないので注意しましょう。
Q4.ピルって副作用があるっていうから不安......
人によっては血栓ができたり、吐き気で気持ち悪くなることがあります。
軽い吐き気は誰しもが起きうることなのですが、あまりにひどい場合は違うものに変えましょう。
Q5.ピルを飲むのに最適な時間帯はある?
上記の副作用は基本的に目が覚めるほどひどいものではないため、飲むタイミングは夜がおすすめ。
Q6.自分にあった避妊法はどうやって見つけたらいい?
コンドームやピルなど一般的に知られている避妊アイテムを使えば、どの人にも一定の効果があるため、特に意識する必要はありません。
Q7.最後に外出しすれば妊娠しないもの?
外出しは中出しよりも妊娠リスクは避けられますが、妊娠は精子の量の問題だけではなく、濃度も大きく関係します。ごく微量であっても精子が1億以上の人もいれば、1千万程度の人もいます。
また、体質や前回の性行為から何日経過しているかによっても変動するため、外出しが妊娠を防げる保証はまったくありません。
Q8.彼が避妊してくれないときはどうすれば?
「コンドームをつけないならしたくない」と強い意志をもって断る勇気が必要です。
曖昧な気持ちだとパートナーの気持ちも緩み、妊娠する重大さに対して軽視しがち。どうしてもつけてくれない場合はピルを飲むという選択肢もありますが、コンドームをつけないと性感染症にかかる恐れもあるため、使用するよう訴えかけましょう。
Q9.避妊のことってお医者さんに相談しても大丈夫?
私が診療するクリニックでも避妊のことで相談にくる患者さんは多いんです。
結婚している人や彼氏との間で悩んでいる人など理由はさまざま。「これってわざわざクリニックで聞いてもらうことなのかな?」と不安になる人も多いみたいですが、気軽にきてもらって大丈夫ですよ。
Q10.安全日って本当に安全?
妊娠する確率が0かというとそういうわけではありません。あくまで妊娠する確率が低いというものだと理解しましょう。
今回ご紹介した内容は基本的なものばかりでしたが、どれも必ず知っておいてほしいこと。
充実したセックスライフは正しい避妊の理解があってこそ。パートナーとのコミュニケーションも大切にして、リスク管理をしながらセックスを楽しみましょう。
医師・山中智哉プロフィール
医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医
現在、東京都内のクリニックにて、体外受精を中心とした不妊治療を専門に診療を行なっています。 不妊治療は「ご夫婦の妊娠をサポートする」ことがその課題となりますが、同時に、女性あるいは男性の健康面にも配慮する必要があります。 食生活、ホルモンバランス、精神面、加齢など妊娠にとって重要な要素はいくつかあります。それらを最適に保ち、妊娠、出産後のことも考えながら、妊活に取り組むことが大切だと考えています。
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