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白アスパラとグラッパの町・バッサーノ・デル・グラッパ ~ミラノ通信#29

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希少な白アスパラガスを求めて、イタリアの小さな田舎町「バッサーノ・デル・グラッパ」へ。観光客で賑わう橋や、居心地の良いB&Bなど、ミラノ在住の河見恵子さんにレポートしていただきました。

白アスパラとグラッパの町・バッサーノ・デル・グラッパ ~ミラノ通信#29

■小さくてのどかなイタリアの田舎町、バッサーノ・デル・グラッパ

ミラノから列車でヴェネツィアに向かう途中、ひとつ手前の街、パドヴァから北上したところに、「バッサーノ・デル・グラッパ(Bassano del Grappa)」というヴェネト州の小さな町があります。

人口約4万人、ドロミテ渓谷から流れるブレンタ川が町の中心を流れ、背後にはモンテ(山)グラッパがそびえる、のどかな田舎町、バッサーノとは「山の麓」という意味であり、地名の由来となっています。

町の中心を流れるブレンタ川、背後にグラッパ山を臨む

特産品は、蒸留酒グラッパとホワイトアスパラガス。ホワイトアスパラガスのシーズンは4月から5月という短い期間限定で、毎年これを求めてたくさんの人がこの町を訪れます。

バッサーノの白アスパラは国内で唯一DOP(※)に認定されていて、生産量も限られているので市場に出回ることもあまりなく、現地で食するしかない、希少価値の高いもの。

※デノミナツィオーネ・ディ・オリジネ・プロテッタ(Denominazione di Origine Protetta)。「原産地名称保護」と呼ばれる、原産地が明確な商品に与えられる呼称で、政府より認定されたものにはDOPマークが付く。

■政府に認定された、期間限定の希少な白アスパラガス

ヨーロッパでは国ごとにこのような政府のお墨付き制度がありますが、EU結成時に統一されてDOPが発足しました。イタリアで有名なものでは、パルミジャーノ・レッジャーノチーズがあります。

パルメザンチーズとしていろんな産地のものが出回っていますが、認定された地域で作られた本物だけがDOPに認定されてパルミジャーノチーズを名乗れるのです。

さて、EU内で唯一アスパラガスとしてDOPに認定されている、そして期間限定の希少な白アスパラを求めてご当地へ。

DOPマークのついた白アスパラガス、産地以外にも細かな規定があり、クリアしたものにのみ呼称が許される

■観光客が集まるアルピーニ橋のたもとには名物バーが併設

ミラノから1回乗り換え(パドヴァ或いはヴェネツィアメストレ)で3時間半、駅から徒歩10分ほどで城壁に囲まれたバッサーノ旧市街地に到着です。

のどかな風情が漂う、空気の澄んだ美しい田舎町。中心を流れる川には13世紀に建てられた木製の屋根付きアルピーニ橋がかかり、観光客やサイクリングを楽しむ人々が集まります。

地元では愛着を込めて「ポンテヴェッキオ(古い橋)」と呼ばれているアルピーニ橋

小さな町の観光名所であると同時に、たもとには常に人の集まる名物バーが併設されている

橋のたもとには、1779年創業のグラッパメーカーの老舗、「バルトロ・ナルディーニ」の経営するバールがあり、朝8時半から閉店の20時半まで地元客と観光客で大賑わい。

ワインを作る際に出た、葡萄の搾りかすを原料としたイタリア特産の蒸留酒であるグラッパは、蒸留後すぐに瓶詰めされた無色透明なものから、木樽で熟成させたブランデーに似た琥珀色のものまで多種多様です。

従来は食後の消化を助ける役割で、小さなグラスにストレートで楽しむもので、アルコール度数は40度前後のグラッパ。ここでは数種類のブレンドや、ソーダで割ったカクテルもあり、朝から気軽に楽しめます。

ナルディーニバールの入り口

入ってすぐのカウンターコーナー、奥にはテーブル席、地下にはグラッパの貯蔵庫

■気持ちいいテラス席で外ランチ

朝からグラッパの後、せっかくなら気持ちのいい外でランチしたいと思い見つけたのが、川原沿いにテラス席のあるカフェ。残念ながら白アスパラはないとのことで、軽くサラダを。綺麗な空気を吸って、自然の中でいただくだけでご馳走です。

足元にふわふわと柔らかい感触がしたと思ったら、トラ猫が尻尾を擦り付けて通りすがりのご挨拶。ミラノは犬ばかりですが、ここは猫がいっぱい。

川沿いの絶景テラス席

猫のいる風景

食後は川原を散歩、澄んだ空気と冷たく澄んだ水、都会の喧騒を離れてホッとするひとときです。綺麗な水の流れるところには、美味しいお酒と食べ物がお約束。

そうそう、グラッパとアスパラガスの他に、その名も「モンテグラッパ(Montegrappa)」という万年筆メーカーも、ここが本拠地だそうです。

マーブル模様が美しい、手に馴染む逸品を生み出す老舗の作り手です。

山に囲まれた、のどかな田舎町

旧市街地も、緩やかな坂が多い

■アルピーニ橋の見えるB&Bが今日の宿

城壁内を巡って、いったん宿へ。

フランス人の経営するB&B(※)は、14世紀のパラッツォを改造した広々した部屋が自慢の宿。隅々まで手入れの行き届いた、居心地のいい空間です。

アルピーニ橋が見える、シンプルながらセンスのいい部屋で、あまりに心地よくて夕方まで眠り込んでしまいました。

※Bed&Breakfastの略称。「ビーアンドビー」と英語読みする。その名の通り、寝る場所(Bed)と、朝食(Breakfast)を提供する、部屋数の少ない、基本的に個人が経営する宿泊施設。

眺めのいい、素敵な部屋

手入れの行き届いた、落ち着く宿

■昔ながらの個人商店が立ち並ぶ町並み

まだ明るい午後6時過ぎ、まずは広場を中心に散策しながら、のどかな町の日常を楽しみます。ここにはイタリア全国に展開するファッションやコスメなどのチェーン店もほとんどなく、昔ながらの個人商店や、雑貨屋が未だにたくさんあるようです。

城壁外には新興住宅街、城壁の中は昔ながらの広場や教会、店が立ち並び、こぢんまりとした町に静かな日常の空気が流れています。

教会の入り口

旧市街地を囲む城壁

洋品店のディスプレイ、店の外に並ぶシャツ

さて、夕食には目当ての白アスパラを食べなくては。

後半に続きます。

<グラッペリア・ナルディーニGrapperia Nardini>
Vicolo Teatro Vecchio 2, Bassano del Grappa

<B&B Le33>
Via Ferracina 33, Bassano del Grappa

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河見 恵子

日本航空で15年間、国際線客室乗務員として勤務。退職後はミラノに居住し、東京と往復する生活。ミラノ・ブレラ地区を中心に、身近な情報をブログやFBで発信。ミラノでは在イタリア日本人のために料理教室をオーガナイズ、開催。ワイン好...

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