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レトロ可愛い映画『ブリグズビー・ベア』の一風変わった魅力とは?

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米サンダンス映画祭でグランプリにノミネートされ、仏カンヌ国際映画祭でも新人監督賞にノミネートされた『ブリグズビー・ベア』。幼い頃に誘拐された主人公ジェームスの元に届いていた、教育番組のクマのキャラクター「ブリグズビー」。ジェームスにとって、彼は大切なことをすべて教えてくれた、かけがえのない存在で……。

レトロ可愛い映画『ブリグズビー・ベア』の一風変わった魅力とは?

◼︎チャーミングなダーク・コメディ

DRESS読者のみなさん、こんにちは。

今回みなさんにご紹介したいのは、一風変わったダーク・コメディ『ブリグズビー・ベア』
米サンダンス映画祭でグランプリにノミネートされ、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(米国映画批評会議)のインディペンデント映画TOP10にも選出された作品です。

主人公は、幼い頃に誘拐されたた25歳の青年ジェームス。彼は子どもの頃から毎週ポストに届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見て育ちます。ある日、彼は警察に救出され、生まれて初めて外の世界に触れることとなり……。

サスペンスフルな入り口のストーリー展開からは予測できない、ハートウォーミングなラストをぜひお楽しみください!

◼︎『ブリグズビー・ベア』のストーリー

外気から遮断された小さなシェルターで、両親と3人で暮らす25歳の青年ジェームス。

子どものころから、毎週ポストに届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見て育った彼は、ブリグズビーの番組研究にいそしむ日々を過ごしていた。

だが、そんなある日、警察がジェームスを保護し、両親は逮捕されてしまう。実は、両親だと思っていたふたりは25年前に赤ん坊だったジェームスを誘拐し、隔離して育てていたのだった。

ブリグズビー以外の番組は見たことがなく、両親だと思ってたふたり以外の人間に会ったこともないジェームスは、突然訪れた外の世界に困惑してしまう。

本当の両親、高校生の妹と一緒に暮らすことになったジェームス。しかし子どもの頃から見ていた「ブリグズビー」は、逮捕された偽の両親がジェームスの教育のためだけに作っていた番組だったことを知り、今後新作ビデオが届かないことに落胆する。

だが、本当の父親と映画館を訪れたジェームスは、映画作りに興味を持ち、自身で映画版「ブリグズビー・ベア」を撮ることを決意し……。

◼︎VHS愛に溢れた「ブリグズビー・ベア」の世界観

本作のスタッフは、毎週ジェームスの元に届く劇中番組「ブリグズビー・ベア」を、1980年代の子ども番組として、リサイクルショップで見つけた古いVHSテープの中で見たようなものに仕上げたかったと言います。

1985年に発売された、元祖”おしゃべりおもちゃ”であるクマの「テディ・ラクスピン」からアイデアを得たというブリグズビー・ベア。背中に入れられたカセットに合わせて話したり、歌ったりする仕掛けを参考にしたそう。

5人のイラストレーターの協力を得て、何週間もかけて完成させたというブリグズビー・ベアのデザインは、その可愛い風貌の中に、どことなく怖さも感じさせます。

そんなブリグズビー・ベアが動く同番組は、傑作SF映画へのオマージュと、古き良きVHS愛を感じる世界観に溢れ、観る者に強烈なノスタルジーを呼び起こします。

◼︎製作陣が描きたかったもの

地下シェルターで外の世界と断絶された暮らし――そんな特殊な状況に25年間も置かれていた主人公のジェームス。

誘拐犯である、偽の両親から与えられていた「ブリグズビー・ベア」ですが、救出され、本当の家族と出会ったあとも、彼のなかにはブリグズビー愛が残ります。

そして、彼は映画版「ブリグズビー・ベア」を自らの手で生み出そうとすることで、友だちを作っていくのです。


「この映画を見て、自分も誰かのために何かを作れるのだ、ということに気づいて欲しい。観客には、アートを創造し分かち合うことは異文化や異なる生まれの人々をつなぐことができるという考えを映画館から持ち帰ってもらいたい。アートは社会を結束する一助となり、人と違っていてもいいということを教えてくれるんだ」

と、本作の制作メンバーは語っています。

一風変わったストーリーながら、心にしっとりと残る温かいラストに心癒される本作。

『スター・ウォーズ』シリーズの”ルーク・スカイウォーカー”ことマーク・ハミルが出演しているのもファンにはうれしいポイントです。

気になった人はぜひチェックしてみてくださいね!

◼︎『ブリグズビー・ベア』公開情報

『ブリグズビー・ベア』
6月23日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか公開
監督:デイヴ・マッカリー/脚本:ケヴィン・コステロ、カイル・ムーニー
出演:カイル・ムーニー、マーク・ハミル、グレッグ・キニア、マット・ウォルシュ、クレア・デインズ
配給:カルチャヴィル
上映時間:97分
公式サイト:www.brigsbybear.jp
© 2017 Sony Pictures Classics. All Rights Reserved.

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古川 ケイ

映画ライター。新作映画情報サイト「木曜日のシネマ」運営。 大学卒業後、インディペンデント系映画配給会社に入社し、映画業界誌の編集・ライター業務に従事したのち、宣伝部にて洋・邦映画作品の宣伝を手がける。その後テーマパーク運営...

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