【前編はこちら】マンネリ、セックスレス…パートナーとの身体の付き合いどうしてる?
https://p-dress.jp/articles/6692なかなか人前で語ることのない自分のセックス。実は、セックスの悩みって十人十色なんですよね。今回は以前、読者に実施したアンケートに集まった「これっておかしい?」「みんなどうしてるの?」という悩みをもとに、3人の女性が赤裸々に語ります。
DRESSが実施したアンケートに集まった「これっておかしい?」「みんなどうしてるの?」というセックスに関する悩みや疑問について、3人の女性に話し合っていただきました。
セックスについて悩み事はあるけれど、誰にも言えずに悩んでいる人も多いはず。前回に引き続き、3人の女性にセックスについて赤裸々に語る座談会の後編をお届けします。
【前編はこちら】マンネリ、セックスレス…パートナーとの身体の付き合いどうしてる?
https://p-dress.jp/articles/6692なかなか人前で語ることのない自分のセックス。実は、セックスの悩みって十人十色なんですよね。今回は以前、読者に実施したアンケートに集まった「これっておかしい?」「みんなどうしてるの?」という悩みをもとに、3人の女性が赤裸々に語ります。
アンケートには「セックスレスどうしてる?」や「イくことができない」などの疑問が集まった。
大泉りかさん
40代の既婚女性。官能作家として活動している。
鈴木ひとみさん(仮)
40代の女性。過去に結婚を経験しており、現在は離婚している。女性向け商品の輸入業に関わる仕事をしている。
中村ゆうかさん(仮)
20代の女性。恋愛・女性の生き方をテーマに活動するライター。
編集部:前半ではセックスレスに関する疑問などを中心にお話していただきましたが、同じくらい多かったのが「イくことができないのですが、どのように対応すればいいのでしょうか」という声でした。
鈴木ひとみさん(仮)(以下、鈴木)マスターベーションでイったことがないと、セックスでもイけないなと個人的には思います。
大泉りかさん(以下、大泉):あー、そうかもしれませんね。
編集部:「イくってどんな感じなのでしょうか?」という疑問もアンケートには寄せられています。
大泉:肉体的な反応とみると、膣の周りの筋肉が収縮することですよね。中が動いている感覚というか。官能小説だと「蠕動(ぜんどう)」って表現されることが多いですけど。
官能作家として活躍する大泉りかさん。セックスと女の生き方をテーマとしたコラムも執筆。
大泉:イくことがすごく大切なんだと考えている方は多いのかもしれませんね。「女がイくことによって得られる快感は男の300倍!」とか言われてたりするし(笑)。でも、実際体験してみると「イくってこんなもんか……」ってなる人もいると思います。
鈴木:少し話が変わるかもしれないんですけど……女性が「イったことない」って言うと、「キミは、まだイイ男に出会えてないんだね」とか言ってくる男いませんか(笑)。
大泉:いる!「本当の快感、教えてあげるよオジサン」ね。
中村ゆうかさん(以下、中村):本当の快感、教えてあげるよオジサン……(笑)。
大泉:イくとか、イかないとか不安に思ったりするのはメディアに煽られている部分もあるかもしれませんが、それを抜きにしてどうすればいいのか考えるなら「女性はイく回数を重ねるほど気持ち良さが増していく」ということを意識することですかね。
一度目より二度目のオーガズムのほうが気持ち良いんですよ。だから相手には事前に「私は5回はイかないと満足しないから」って言うとか(笑)。あと、さりげなく気持ちいいと思える方向に体をずらすとか、手を持ってくみたいなボディランゲージで相手とコミュニケーションをとることも大切ですね。
鈴木:私は、自由自在にイくことができるように、研究をしたことあります……(笑)。
中村:え、なんですかその研究。
鈴木:特別な方法とかではないんですけど、とにかくイくことに集中するんです。
そのときは自分の顔も声も相手の反応なんて完全に無視で(笑)。それでけっこうイけるようになりました。
大泉:たしかに気持ちが散漫になっていると、イきにくいですよね。
鈴木:そういう意識は必要だと思うんです。「イかなきゃ」って焦る必要はないんですけど、自分の気持ち良さに向き合うというか。まぁ、それでもイけないときなんて普通にあると思うんですけど。
大泉:そうですよね。セックスをするときの「体調」とか「気持ちの盛り上がり」とかもあると思うんです。「セックスすれば毎回イくことができる」って思いこんでしまっていることが、しんどさとか不安に変わっていくのかもしれません。
中村:そこまで重く考えなくても良いってことですよね。たしかに「向こうがイったら、今日はそれでいいかな」ってときもあります。ちなみに、アンケートには「アダルトグッズを使っている人はどれくらいいるのでしょうか」という疑問もありますね。
鈴木:いわゆる「大人の玩具」と呼ばれるものですよね。ポジティブにセックスを楽しむために使うことは良いと思うんですけど、実際は使ってない人が多いのかな。彼とのセックスで使いたいときも、どこか言い出しにくいイメージあります。
大泉:言い出しにくいというのはありますよね。例えば「結婚式の二次会で当たったんだけど……」とかなら言い出しやすいとは思うんです。きっかけがないとなかなかね……。
鈴木:人によっては「アダルトグッズなんて使いたくない」と毛嫌いする方もいますね。ずっと彼氏がいない私の友人に「ひとりでそういうグッズを使ってみたらいいんじゃない?」と言ったときは「それは惨めになるからイヤ」だと。
大泉:「男性に求められてない自分は惨めだ」と思ってしまっているんでしょうか。
多数媒体で恋愛・女性の生き方についてのコラムを執筆されている中村ゆうかさん(仮)
中村:私の周りの女性たちもそういった傾向があるかもしれません。グッズはおろか、マスターベーションをすることが「寂しい女っぽいから」とやりたがらない。
鈴木:でも、みんなしてるよって言ったら大袈裟かもしれないですけど、みんなが思っているよりも女性はマスターベーションをしていると思うんです。
大泉:ほんとほんと。そういうことを男性に話すとビックリされますけど(笑)。
鈴木:パートナーとマスターベーションについて明るく話すことができれば、もっとセックスも楽しめそうです。
大泉:なんでもかんでも明け透けに話そうってわけじゃないですけど、自分のパートナーと正直に言い合える関係は理想ですよね。
編集部:パートナーとの関係性の話が出てきましたが、アンケートを見てもパートナーシップのことで悩んでいる方がいますね。
例えば「技術があるというより、相手に対して思いやり・リスペクトがあるセックスができる男性の見分け方を知りたいです。潮を吹かせることができる等、どうでもいい自慢してくる謎の男もたまにいるので」という30代の女性から送られてきた不満があります。
鈴木:見分け方……。とりあえず、個人的な統計ではイケメン……というか、自分の容姿の端麗さの上にあぐらをかいてセックスする人には思いやりがないケースが多い気がする。
大泉:あー(笑)。
中村:「童貞を捨てた年齢が早い人は下手、遅い人のほうが上手い」という言う人がいますが、これってつまり「童貞を卒業した年齢」がどうこうではなくて、相手とのセックスを頑張ろうとしているかどうかが大切ってことだと思うんですよね。
女性向け商品の輸入業に携わっている鈴木ひとみさん(仮)
鈴木:相手のことを考えて、気持ち良くなってもらいたいと努力してる人のほうがいいですよね。自分には超絶テクニックがあると勘違いして乱暴にしてくる人は本当に嫌。
大泉:セックスって「技術」じゃなくて「コミュニケーション」じゃないですか。だから、相手の話をまず聞いてくれる人がいい。そういうのってセックスのときじゃなくて日常生活の中である程度わかったりするじゃないですか。
鈴木:自分の価値観ばかりを押し付けてセックスする人を避ける意味でもそういうのは大切かも。
大泉:さっきもチラっと話しましたけど「君はまだ本当の気持ち良さを知らない」とか、「君がまだまだ完成されてない」という言葉で、こっちを否定してくる人は絶対やめたほうがいい。
鈴木:「最初から男性のほうからいろいろとお願い事をされると一気にやる気が失せて冷めてしまいます。やんわり断る方法を知りたい」というお悩みがあるように、断り方がわからないというケースもあるんですね。
中村:自分の欲求ばかりをあれこれ押し付けられるのはたしかに嫌ですよね。押し付けられる側はタスクのように感じてしまって、そこにはロマンチックさもないように思います。
鈴木:相手に「嫌だ」と言えない関係って、それは良好なパートナーシップとは言えないと思います。ただ私は、相手から嫌なことお願いされた経験がないんですよね。どんなことを要求されるんだろう……。
大泉:気になりますよね。これは男性から聞いた話なんですけど、タイのマッサージパーラーって、日本でいうソープランドみたいなお店ですけど、フェラチオを頼んだら「いま口内炎できてるからフェラできない」って断ってきたらしいですよ。そういわれると、男性のほうも無理強いはしにくいから、なるほどなぁって思いました。ただ、最初から「私はそういうのは無理!」とか頭ごなしに言っちゃうと、つまらなくなってしまう。なるべくは、相手を受け入れようとしたほうが世界が広がると思います。性的な冒険を一緒にすることで、パートナーとしての結びつきが、より強くもなりますし。
大泉:コミュニケーションの話で言うと、セックスが終わった後は、距離を近づけるチャンスタイムだと思います。セックスの最中に一番の盛り上がりを感じる方もいるかもしれませんが、多くの女性にとってはセックスの後こそが一番愛を感じられる時間ですよね。
中村:人によっては、セックスの後に触られたくない男性もいますよすね。
男性:「賢者タイム」と呼ばれるものですよね(笑)。
中村そうです。でも一方で、終わったあとのベッドでのひとときを楽しんでいるカップルもいて、羨ましいなと思います。
大泉:ベッドでうだうだおしゃべりするのが楽しいですよね。もう腕枕まではしなくていいけど。
鈴木:腕枕、懐かしい! 20代の時はしてほしかったですね(笑)。
中村:私の友人から、ピロートークで相手の男性が手を使って人形劇をやってくれるって話を聞きました。
大泉:いいですね~! 愛がある!
鈴木:かわいい!
大泉:ここまで話しておいてなんですけど、そもそも「普通のセックス」なんてないなって思いました。
鈴木:そうですね。私たちは「これって普通かな?」ということを気にし過ぎているのかもしれません。
大泉:そもそも、相手との愛情はセックスだけでは測れませんからね。ましてや回数やテクニックでもない。行為自体に重きを置かないほうがいいのかも。ただ、女性もセックスの研究をしたほうが、性生活も人生も、豊かにはなると思います。
Text/鈴木リナ
編集・photo/小林航平(DRESS編集部)
『DRESS』4月特集は「正直に向き合いたい、セックスのこと」。性にまつわることをヘンに特別視せず、自然なことと捉えて、もう少しオープンに考えてみると、性やセックスの在り方はより良く、幸せなものへと変わっていくのではないでしょうか。性やセックスのことをじっくり考えるコンテンツをお届けします。
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