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ムートンブーツのお手入れ方法

ムートンブーツ(ムートン素材の靴)のお手入れ方法をご紹介します。基本的なお手入れは専用のブラシと防水スプレーだけでできるスエード素材と同じで簡単です。元麻布で靴磨きやクリーニング、靴の修理などを手がける「スピカ」で代表を務める手嶋慎太郎さんが、自宅でできる靴のメンテナンス法を全10回でご紹介する連載です。

ムートンブーツのお手入れ方法

ムートンといえば、UGGのムートンブーツが有名ですが、実際にムートンが何の革なのか知らない人も多いのではないでしょうか。僕もこの仕事をするまでは知りませんでした(笑)。

ムートンとは羊の毛皮のことで、ムートンブーツは羊の革の裏面を起毛させたスエードを靴の外側に使い、羊の毛(=ウール)が付いた方を靴の内側に使っています。

基本的なお手入れはスエードと同じになりますが、革が柔らかいため、ブラッシングを強くし過ぎると破れてしまうことがあります。

また、雨や雪で濡れてしまうとシミができやすい素材なので、メンテナンスをした後にしっかりとスプレーで防水処理をするようにしましょう。もし雨や雪で濡れて、雨ジミができてしまった場合は、自分でなんとかしようとせずプロのお店に相談するのがオススメです。

ムートンブーツのお手入れで用意するもの

・シューキーパー or ブーツキーパー
・スエードブラシ
・サンドペーパー(240番~300番の粗さが最適)
・馬毛ブラシ(大)(靴クリームがついていないもの)
・スエード用防水スプレー

準備1 シューレースを取る

シューレースをつけたままだと、ブラッシングやスプレーをする際に邪魔になるため、お手入れの前に外しておきましょう。

準備2 シューキーパーを入れる(ブーツの場合は、ブーツキーパーを入れる)

靴を磨く際は、シューキーパーを入れて行うのがオススメです(シューキーパーがない場合は、新聞紙を詰めて代用しても問題ありません)。靴についた履きジワを伸ばしてあげることで、汚れやホコリを落としやすくするだけでなく、クリームを全体にムラなく塗ることができます。

STEP1 ホコリや汚れを落とす

クリームがついていない馬毛ブラシ(大)を使って起毛部分にたまったホコリや汚れを落とします。このとき、スエードの毛足を確認して、毛足に逆らってブラッシングをすると汚れをうまくかき出すことができます。アッパーと靴底の境目や縫い目に詰まった汚れは、かき出すようにブラッシングします。

STEP2 毛足を復活させる

(1)毛が寝ていたり、摩耗で毛が痩せてしまっていたりするときは、スエードブラシのゴム部分でこすって毛を立たせます。

(2)毛が復活しない場合には、裏面のワイヤーブラシやサンドペーパーを使うと毛が立ちやすいです。ただし、強くかけすぎると毛が薄くなって白っぽくなったり、毛自体が抜けてしまったりするので注意が必要です。

STEP3 毛並みを整える

スエードブラシのゴムの部分で、毛並みを整えていきます。汚れを落とすときとは反対に、毛並みに沿ってブラッシングすることできれいに整えることができます。

STEP4 防水スプレーをかける

(1)スエード用の防水スプレーをかけます。

(2)目立たない部分(土踏まず付近など)に軽くかけてみて、シミにならないかテストします。

(3)問題がないことを確認したら、ムラにならないように30cmほど離して全体にスプレーします。スプレーは、防水効果に加えて、汚れをつけない防汚効果もあるので、履くときには毎回スプレーするのがオススメです。

(4)30分程度おいてスプレーが乾いたら、最後に馬毛ブラシ(大)を使って毛並みを一定方向にそろえるようにブラシングすれば完成です。

本連載のバックナンバーはこちらから。

靴のプロが紹介する、自宅で簡単にできる靴のお手入れ術

https://p-dress.jp/users/4390

靴はお手入れすると美しく、長持ちします。せっかく買ったお気に入りの一足、おしゃれのお供として、長く一緒にいたいですよね。元麻布で靴磨きやクリーニング、靴の修理などを手がける「スピカ」で代表を務める手嶋慎太郎さんが、自宅でできる靴のメンテナンス法を全10回でご紹介します。

手嶋 慎太郎

麻布十番にある「靴とバッグの本格メンテナンス スピカ」代表。靴好きが高じて開業。仕上がりの美しさに定評のある東京の人気修理店。

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