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セックスの正解はわからない。互いの好きな世界を理解して、歩み寄ることが大切【一徹×カツセマサヒコ】

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アダルトコンテンツに気軽にアクセスできる今だからこそ、世の中の男性は女性向けAVを見てほしい。

セックスの正解はわからない。互いの好きな世界を理解して、歩み寄ることが大切【一徹×カツセマサヒコ】

女性向けAV(アダルトビデオ)。

そういうカテゴリのAVがあるのは知っていても、じっくり見て、その中身についてアレコレ考えたことがある男性は、まだそれほど多くないかもしれません。

でも、男性向けAVを見るなら、女性向けAVも一度は見てほしい。男性の欲望が描かれる男性向けAVと、女性の欲望が描かれた女性向けAVは、同じAVとはいえまったく異なるコンテンツ

何がどう違うのか、何を知ることができるのか。この機会に「女性向けAVを初めてちゃんと見てみた」というライター/編集者のカツセマサヒコさんと、女性向けAV界を代表する男優の一徹さんに対談していただきました。

■「月9」感漂う女性向けAVを女性たちはどう見ているのか

カツセマサヒコさん(以下、カツセ):女性向けAVを初めて見たんですけど、まず、サンプル映像に驚いたんですよ。


一徹さん(以下、一徹):どういったところにですか?


カツセ:AVのサンプルって尺が1分くらいですよね。男性向けAVだとこの1分のほとんどがセックスシーン。対して、女性向けAVだと全然セックスシーンがなくて、プラトニックな恋愛シーンが描かれていますよね。今日初めて見てみたら、「これ月9じゃん?」って一瞬思っちゃいました(笑)。

一徹:女性向けAVはセックスという行為そのものより、セックスに至るプロセスが大事なんですよね。簡単に言うと、男性向けAVは見た人がムラムラする、女性向けAVは見た人がキュンキュンするのを目指して撮影してます。

Twitterのフォロワー数が11万人をこえるフリーライター・編集者のカツセマサヒコさん

カツセ:目的からして全然違うんですね。

一徹:女性向けAVを見ている女性から話を聞いて、男性との見方の違いに驚いたことがあります。イルカの動画をぼーっと眺める感じで見てる、って言う方がいらっしゃったんです。

カツセ:ヒーリングDVD的な使い方だ(笑)。

一徹:男性は射精する目的で男性向けAVを見てるじゃないですか。その女性の場合は、オーガズムを得ることよりも心の安らぎを求めているのかな、と考えさせられましたね。

もちろん一人ひとり、見方や求めることは違いますが、実際に癒やしを求めて見る女性は少なくないみたいです。だから女性向けAVの場合は、「前戯」も「後戯」もしっかりと長めに描かれてるんでしょうね。

カツセ:レンタルショップだと、女性向けAVってどのあたりに置かれてるんですか?

一徹:たとえば渋谷TSUTAYAだと、「大人の恋愛作品」コーナーにありますね。3階に上がってすぐのところです。誰でも手に取りやすいところに置いてあります。

カツセ:あの「暖簾」をくぐらなくても、借りられるんですか! 意外でした。

編集部注:あの暖簾

■女性向けAVのセックスは「自然なセックス」に限りなく近い

カツセ:一徹さんのキャリアは男性向けのAV男優からスタートして、途中から女性向けのAVメーカー、シルクラボの専属になられましたよね。男性向けと女性向けとのギャップに、最初は戸惑いませんでした?

一徹:僕個人は女性向けAVのほうが合っているなと思いました。無理にアクロバティックな体位もしないし、一般のカップル、愛し合っているふたりのセックスを描くので、変わったことや激しいことをしなくていいんですよ。

カツセ:たしかに、女性向けAVを見て、自然なセックスを描いてるなぁ……と思いました。

AV男優として10年以上のキャリアを持つ一徹さん

一徹:自然なセックス、と言っていただきましたが、一部の男性からは「女性向けAVはファンタジーの世界だ」とか「キラキラしたところしか描かないのはどうなの」みたいな意見を聞くこともあるんですよね。それもわからなくはないんですが。

カツセ:うーん。100%リアルなセックスを描いている、というわけではないんですかね。

一徹:メーカーさんに聞いた話なんですが、キラキラ感をなくして悲しいリアルを描いた作品を作ったら、あまり売れなかったそうです。リアルなのはいいけど、悲しいリアルなんてわざわざお金と時間をかけてまで見たくない方が多いんじゃないかと。

日常生活でストレスを抱えたり、大変な思いをしていたりする方も多いわけで、せめて女性向けAVを見るときは、キラキラした世界を見て、妄想したいという願望を持っているみたいですね。

カツセ:ポジティブな要素は必要ってことなんですね。男性からすると「んー?」って感じかもしれないですけど、一度は見てみるといいんじゃないかなと僕は思います。

一徹:元LINEで、スタートトゥデイに転職された田端信太郎さんも、ご自身の音声番組「エーロナイトニッポン」で、「男性も女性向けAVは見たほうがいい」とおっしゃってくださっていて。田端さんやカツセさんみたいな、影響力を持った男性に勧めていただくのはありがたいことです。僕も男性には一度でもいいので、見てほしいなと思っています。

■お互いの好きな世界を理解した上で尊重し合うセックスを

カツセ:僕、セックスにコンプレックスがあるんですよ。相手が痛がるようなことはしないんですけど、行為にまるっきり自信がないんです。「すごい体位できる!」とか「経験人数めちゃくちゃ多い!」とか、「何回イかせた!」とか、そういうのが一切ないですし。

でも、このコンプレックスってもしかして、男性向けAVによる影響なのかな? って思うことがありました。女性向けAVを見てとくに実感したんですけど、「俺も、すごい体位しなきゃ!」って思うの、実は違うんじゃないのか? って改めて思いました。

編集部:男性同士の飲み会とかだと、何人の人と関係を持ったとか、何回潮を吹かせたとか、男性向けAVに煽られた影響なのかそういう話することが多い印象ですが、正直なところ違和感があります。

一徹:そうですね。僕もぶっちゃけ、女性が気持ち良いのかどうかわからない。演出をほどこしてもらっているだけで、相手の方がどう感じているのか、本当のところを完全に理解しているわけではないので。

そもそも男性向けAVを参考にしてセックスをすることが悲惨な結果になるのかな、と。妄想は妄想で楽しむのはもちろん良いのですが、「合法な範囲で」そして「それをすると女性は引くこともあるよ」という感じで見たほうがいいと思います。それで、バランスをとる……というのはおかしな表現かもしれないですが、女性向けAVを見たほうがいい。

カツセ:女性向けAVだとコンドームをつけるシーンがしっかり写ることもあるんですよね。あれも、愛情表現として描かれているのかなあと思っていました。

カツセ:でも、ガツガツしたセックスが100パーセント間違いかというと本当に難しいですよね。女性によっては激しいことが好きな人、シチュエーションが変わったものが好きな人もいて……正しいセックスとはなんだろうかと。

一徹:相手が求めているものをしたほうが喜んでくれるとは思いますが……それが本当の意味でわからない(笑)。

カツセ:男性向けAVって、男性のニーズを満たしているとは思うんです。だからこそ売れているんだし。男性はそういう「乱暴にしたい欲求」というのをどこかに持っていることをわかった上で、それでも女性とのコミュニケーションを大切にすべきだし、女性は女性で、ああいう世界を好きな人がいるってことを理解した上でのサービス精神も必要なんだと思います。

一徹:素晴らしいですね。

カツセ:お互いにこういう世界があるというのを知った上で、歩み寄ることが大事なのかな。今までは男向けのAVしかなかったから、女性向けAVを見ることで「女性には女性の憧れる世界がある」ということを知っておくと、ちょっとバリエーションができて良いのかなって。

一徹:ここで大事なのは、女性陣から「女性が憧れる世界」をバカにしないことですね。そういうキラキラした世界に興味がないのは良いんですけど、そういう世界が好きな人を見下したりするのはやめてほしいです。

Text/池田園子
編集・Photo/小林航平(DRESS編集部)

一徹さんプロフィール

業界初のメーカー専属AV男優として、女性向けAVメーカー「SILKLABO」で活動した後、2017年よりフリーに。BS12『一徹温泉』を再放送中。著書多数で、最新作となる写真集『めぐる。』(ぶんか社)は好評発売中。
https://twitter.com/ittetsu_silk

カツセマサヒコさんプロフィール

フリーライター/編集者。
編集プロダクション・プレスラボでのライター経験を経て、2017年4月に独立。
広告記事、取材記事、エッセイ、物語等の企画・取材・執筆を行う。ツイートが10~20代の女性を中心に話題を呼び、Twitterフォロワーは11万人を超える。
https://twitter.com/katsuse_m

4月大特集「正直に向き合いたい、セックスのこと」

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『DRESS』4月特集は「正直に向き合いたい、セックスのこと」。性にまつわることをヘンに特別視せず、自然なことと捉えて、もう少しオープンに考えてみると、性やセックスの在り方はより良く、幸せなものへと変わっていくのではないでしょうか。性やセックスのことをじっくり考えるコンテンツをお届けします。

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DRESS編集部

人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。

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