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世界を飛び回りたいから、男は作らない。自由に生きる私なりの考えと覚悟

『底辺キャバ嬢、アジアでNo.1になる』を上梓したカワノアユミさん。水商売歴15年のベテランだったカワノさんでしたが、日本にいた頃はやる気なし。アジアに出てキャバ嬢をしたところNo.1になった理由は――。アジアの面白さや自分らしく生きる秘訣を聞いてみました。

世界を飛び回りたいから、男は作らない。自由に生きる私なりの考えと覚悟

欧米やヨーロッパと比べるとリーズナブルに行けて楽しく遊べる国、アジア。ベトナム料理やタイ料理が好きな方も多いのでは。4月8日に、『底辺キャバ嬢、アジアでNo.1になる』(イースト・プレス)を上梓したライターのカワノアユミさん。

日本にいるときはやる気のない底辺キャバクラ嬢だったのに、アジアの外国人キャバクラでNo.1になった成長期を綴った1冊です。自由奔放に、けれど強く生きるカワノさんの姿が読み取れます。そんなカワノさんに、アジアの魅力や自分らしく生きる方法について聞きました。

■初めてタイに行ったのは、夜遊びをするため

――カワノさんがアジアで一番楽しいと思うことは何ですか?

夜遊びです! タイの夜遊びは世界一おもしろいと思っています。キャバ嬢をする前、初めてタイに行ったのも実は夜遊びをするためだったんです(笑)。ゴーゴーバーという、イケメンのマッチョと遊べる店があります。私、マッチョがすごく好きなので。それで最初はタイでの夜遊びの体験を綴ったブログを始めました。そしたらタイの日本人向けの夜遊び雑誌『ジーダイアリー』の編集長から「うちで書いてみませんか?」とお声がかかり、そこからアジアの夜遊び系のライターとしてコラムを執筆することになり、今に至ります。


――その後、アジアのキャバクラで働き始めたのは「流れに身を任せて」といったところもありますよね。アジアへ出てみて、改めて日本の生きづらさに気づいた点はありましたか?

そもそも、日本で生きづらいと思ったこと自体、あまりないんですよね。昔なら、「日本は物価が高い」と言われていましたが、今は安いです。アジアでキャバクラ嬢として働く前、「世界一周」とか「アジアで起業する」といった本が流行って感化され、世界の経済成長の勢いやエネルギーに惹かれてアジアに観光に行きました。行ってみてむしろ、日本の暮らしやすさに気づいたんです。

また、ずっと新宿に住んでいて、歌舞伎町に飽きたというのもアジアで働いた理由のひとつです。ここ何年も新宿の様子が変わらないなぁと思っていたら、2007年あたりから都の浄化作戦などで新宿がどんどん変わっていって、このままだとつまらない街になってしまうだろうなと思っていました。

――カワノさんが歌舞伎町や六本木でキャバ嬢をしていた頃は、待機中に寝ていたり、乾き物の豆をずっと食べていたりと、やる気がなかったように見受けられます。それなのに、タイのキャバクラで単価の高いショットドリンクを頼みまくって、一見すると楽に高額を使わせるやり方で稼いでいる女の子のようには働かず、同伴や値下げ、店外やアフターといった地道な方法で勝負したのはなぜですか?

単純に、ぼったくりのようなやり方が好きではないからです。別に、店の女の子みんなで同じ営業の仕方をしてつるむ気もありませんでした。日本から来た子と、現地採用の子では少し雰囲気は違いましたが、特に仲が悪いわけでもありませんでした。でも、自分は少し浮いていたとは思います。あと、香港のキャバクラではきちんとお給料をもらえないことがあったので、そんなことがまた起こったら困ると思い、真正面からぶつかる方法で営業しました。

――ちなみに、アジアのキャバクラで働くにあたり、容姿や年齢などは重視されるのでしょうか?

それはあまり関係ないと思います。私が見た限りでは、アジアのキャバクラで働く女性は日本で水商売の経験がない人がほとんどでした。これは私の考えですが、そもそも日本のキャバクラで売れている人は、賃金面からしてわざわざ海外のキャバクラで働かないと思います。ただ、シンガポールなど物価の高い国では、そこで働く女性の意識も高いせいか、他の国と比べて容姿のレベルも高かったように感じます。

■「パスポートさえあれば、世界のどこでも働けます」

カワノアユミさんの写真

カワノアユミさん

――日本で売れるキャバ嬢とアジアで売れるキャバ嬢には、どんな違いがあると思いますか?

日本ではありがちな、お姫様営業や色恋営業は通用しません。気さくで人見知りしない嬢の方がウケると思います。お客様は駐在員の方が多く、日本人コミュニティのメンバーみんなで、普通に楽しく遊びに行ける女の子を求めています。

ある程度、その国の常識を知っておくのも大事だと思います。例えば、タイでは足の裏を人に見せると相手を侮辱している意味になります。私はよく、あぐらをかいたり、車のダッシュボードの上に足を乗せたりしていたので、タイ在住の人に怒られていました。

――車のダッシュボードに足を乗せるのは、日本でもあまりお行儀が良くないと思います(笑)。アジアでの就職を考えた際、キャバクラの他にどんな職があるのでしょう? 学歴は必要ですか?

学歴はあまり関係ありません。でも、大卒だったら旅行会社や日経広告の営業、ツアーホテルの日本人スタッフなどがあると思います。学歴や職歴があまりない人は、飲食経営やコールセンターといったところでしょうか。語学に関しても、私が働いた外国人キャバクラのお客様は日本人ばかりだったので、英語も最低限の日常会話ができれば大丈夫です。現地の方にとって外国人キャバクラは高すぎるので、気軽に行けるお店ではないんです。

――そんななか、カワノさんはキャバクラを選ばれたと。

日本でもずっとやっていて慣れていましたからね。パスポートさえあれば、世界のどこでだって働けます!

――現在カワノさんはフリーランスの極みといった印象を受けます。フリーランスに興味はあるけれど、勇気がなくて一歩を踏み出せない人もいると思いますが、カワノさんのように自由に生きる秘訣はありますか?

自分が「やりたい!」と思ったことは周りの目を気にせずに、ひとりでやった方がいいです。誰かと一緒にやることを考えたり、周りの都合に合わせたりしなくていいです。私はぼんやりしていたらライターに流れ着いたという点もありますが、やはり心のどこかでライターになりたいという思いはありました。ブレないことが大事ですね。あと、やりたいことは諦めずにコツコツ続けること。そして、世界を飛び回りたいなら男を作らないこと(笑)。これくらいの覚悟で挑戦した方がいいです。

カワノアユミさんプロフィール

東京都出身。遊びながら暮らすため18歳で夜の世界に飛び込み、歌舞伎町や六本木でキャバ嬢として過ごす。水商売歴15年以上のベテラン。また、国内外問わず夜遊びに没頭する傍ら、2011年、タイを中心に東南アジアの風俗や文化、旅を紹介する月刊誌『ジーダイアリー』(アールコスメディア)にて女性の海外夜遊びをテーマにしたコラムを担当し、ライターとしての活動を開始する。現在はweb媒体を注意紳に裏モノや夜ネタを執筆。丸山ゴンザレスが責任編集をつとめる『アジア旅行最強ナビ』『タイ旅行最強ナビ』(ともに辰巳出版)などに寄稿している。

『底辺キャバ嬢、アジアでNo.1になる』書籍情報

Text/姫野桂

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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