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「ふたり目を産もう」と心底思えるタイミングなんて来ない【母でも妻でも、私#6】 2/2


3歳も差があると、上の子が下の子の面倒をすこし見られるようになるらしい(あやしてくれたり、ミルクをあげてくれたり)。

ふたり揃ってぐずっているときは、事情を説明すれば上の子にすこし待っていてもらうこともできる、と聞いた。2歳差や年子では待ったなしだから、そうもいかないだろう。片方が「話せば多少わかる人間」だというのは、二児の子育てではかなり大きいと思う。

でも、3歳差の子どもを育てる場合、中学以降の卒業式や入学式、受験などの年がすべてかぶるため、出費がかさむとのこと。
たしかに大きなお金がいっせいに動くけれど、兄弟で勉強に集中するタイミングが同じなのは、家の雰囲気としては良さそう。子どものどちらかは家族旅行に行きたいのに、どっちかは塾に行かなきゃ、みたいなのが一番めんどくさそうな気がする。


あとは年齢差があればあるほど、上の子は手がかからなくなる一方、育児で行動を制限される期間が長くなる。7年や8年も空いたら、育児事情が一変していて、「2回目だからだいたいわかるし、慣れてる」とはいかないんじゃないかな。

■まだまだ息子ひとりで充分に楽しめる、けど

うちの息子は3月生まれのため、0歳児で保育園に入れなくて、本当に苦労した。1歳児入園まではベビーシッターを頼んで仕事をしたけれど、もしふたり目を授かることがあるなら、早生まれは避けたい。

となると、リアルな十月十日を計算したら、春夏には妊娠できない。つまり、現在1月末で妊娠していないことを考えると、そろそろ3歳差での出産もあやしい。

昔からなんとなく、子どもを授かるなら、男女ひとりずつ産みたいなと思っていた。せっかく産める命なんだから、私は子どもを産んで育ててみたい。育てるからには、男女もそれぞれ経験してみたい。くらいの気持ち。

周りを見れば、兄弟姉妹の多くは2歳差、3歳差。
だからなんとなくその間隔をイメージしていたけれど、実際に自分がひとり目を産んでみると、全然ピンとこない。世間の兄弟育児は、驚くほどのスピード感だ。

そもそも、もうすぐ2歳の息子だけで充分。
手がかかってそれどころではないというより、まだまだ見どころがいっぱいあるし、充分に楽しめる。ほんの一口しか食べていないケーキとか、冒頭15分しか観ていない映画のようなもの。

ひとり息子さえまだ味わいきれていないのに、もうふたり目のタイミングなの? という感じなのです。

■やっぱり「見切り発車」以外の選択肢はない

もちろん、そんなの誰にも強制されていないのだから、心ゆくまでひとり息子を楽しんでからふたり目以降のことを考えればいい。

いいはずなんだけど、仕事や体力のことを考えると、やはりそうもいかない。体力がないんだから早いに越したことはないと、頭の中の私が言う。

子育ては、楽しい。

「子どもの寝顔を見ると疲れが吹き飛ぶ」とか「『ママありがとう』と言われたら、しんどいことなんて忘れる」みたいなことは思わないけれど(疲れとしんどさは残る)、それでも楽しい。

だから、今度は娘を育ててみたいな。

せっかく2周目に入るなら、1周目とは違うルートを通りたい。

それに私が小さなころ、母が作ってくれたお洋服を、自分の子どもに着せてみたい。

弟妹ができることで、息子がどんなふうに変わっていくかものすごく興味がある。

とはいえ、最近はいっそう仕事が楽しいから、これまで以上に働きたいとも思う。だったら、産まないほうがいいのかもしれない。

けど、ひとり目を産むときだって、今より大変になるのはわかりきっていた。できるかぎりの対策はしたものの、あとは見切り発車で妊娠・出産。そして、周りに支えてもらいながら、なんとかしてきたわけです。

ふたり目も状況はほとんど変わらないけれど、ひとり目のときより格段に気楽だ。だってわたしたち夫婦には、見切り発車の成功体験がある。

ひとり目はなんとかなった。

ふたり目だってなんとかなる。なんとかする。

結局のところ、妊娠・出産も、たとえば仕事も人間関係も「本当にうまくいくかな……?」って頭で考えているうちは、うまくいかない。経験のないことに対して「絶対にうまくいく!」なんて思える日は、来るはずがない。おまけに赤ちゃんは生きものなので、自分の想定どおりになんていかない。

「案ずるより産むが易し」とは、よく言ったもの。

「産んでも全然大丈夫だったよ」とは言えないけれど「産んでもなんとかできるよ」とは言える。
一歩踏み出して、幸運にも授かったなら、そこから全力出せばいいんじゃない、と思う。

しかし、こうしてみんなそれぞれいろんなことを考えたり、悩んでいるというのに、安易な「ふたり目ハラスメント」は大罪ですね。

※ この記事は2018年1月31日に公開されたものです。

菅原 さくら

1987年の早生まれ。ライター/編集者/雑誌「走るひと」副編集長。 パーソナルなインタビューや対談が得意です。ライフスタイル誌や女性誌、Webメディアいろいろ、 タイアップ記事、企業PR支援、キャッチコピーなど、さまざま...

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