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コンプレックスがあっても考え方次第で幸せになれる【Drまあや】

誰にでもコンプレックスはあるもの。ただ、コンプレックスに感じる事柄や悩みのレベル(度合い)は人それぞれです。コンプレックスとどう向き合うと良いのか、コンプレックスへのネガティブな気持ちを軽くするにはどうすれば良いのか。コンプレックスを打ち明けられる側の対応は。Drまあやさんが「コンプレックス」をテーマに書くコラムです。

コンプレックスがあっても考え方次第で幸せになれる【Drまあや】

私は、超ネガティブ思考で、コンプレックスの塊。

少し長くなるけれど、子ども時代〜今までの流れを書いてみる。子どもの頃は、テレビで輝くアイドルに憧れて、私もアイドルになる! と思っていた普通の女の子だった。

しかし、学校での生活、家族からの指摘により、アイドルにはなれないことに気づき、長い人生においての、自分の容姿に諦めがつき、女子として輝くこと、結婚を諦めたのが13歳。

容姿で勝負しないといけない夢はすべて諦め、頭が決していいわけではないが、努力で達成し得ると思われる受験の世界でがんばり、医者を目指すことになる。

なんとか医学部入学を果たし、環境の変化によって1カ月で10kg減に成功。女子大生ということで、少し化粧でもしてみるかと奮起して、毎朝化粧をしてみるものの、20歳にて、綺麗になれないことを改めて悟り、化粧することもやめる……。

部活2つ、バイト、学校に明け暮れる毎日。夜は飲酒できないのに、朝まで飲み会で楽しい日々をそれなりに送っていたとは思うが、恋人もできず、孤独に生きる大学生活。

ダイエットに励んでなんとか6年間標準体重をキープしていたはずなのに、医者になった途端、ダイエットをする余裕がなくなり、当直生活が続き、この18年間で60kg太る始末……。

キラキラ光る最近の女子たちを横目に、カラフルデブに仕上がった42歳。

コンプレックスの塊は、「医者になる」という目標達成したことで、昇華したようにも思えるが、解決しているわけでなく、見えないように心の奥に隠してしまっただけ、ずっと重くのしかかっている。

■コンプレックスは人それぞれ。悩みの内容も度合いも違う

どんな人でもコンプレックスを持って生きているんだと思うのです。

何をコンプレックスに思うか、どれくらい深刻に感じているかは人それぞれで、自分が抱えているコンプレックスが、他人から見るとたいしたことがない問題だったり、逆に心の大きな傷になっていたりします。

つまり、コンプレックスにもレベル(度合い、とも言い換えられます)がいくつかあるということ。コンプレックスのレベルが近い者同士でないとわからない悩みもあれば、それが原因で喧嘩にもなり得るし、離れすぎていると、悩みの理由がわからなすぎたり、逆に、励ましてあげることができたりするものです。

今回、コンプレックスになり得る事象と、そのレベルを私なりに3段階に分けて、コンプレックスを軽くできそうな方法も併せて考えてみました。

・身体的な問題
身長、体重(やせすぎ、肥満)、顔、スタイル、髪の毛、体毛
・病気や障害
・能力的問題(勉強→学歴、運動、画力、音楽、ファッション、空間認識)
・性格(コミュニケーション能力、人見知りなど)
・生活環境(貧富の差、地域差など)

レベル1

他人から見たら、たいしたことがない、下手したら、「気のせいじゃね?」「そんなの、どうでもよくね?」と思われる、いわゆる「思い込み」。ある意味、心の問題。しかし、どんどんこじらせてしまうと、レベル2、3と落ちていくことも起こり得る。

<例>
・幼少期、身長が高いことをコンプレックスだと思っていても、大人になるとメリットに変わり、コンプレックスで悩んでいたことがプラスに変わる
・ダイエット
標準体重で、他人から見ると太ってないが、モデルなどと比べてしまい、くびれが欲しい、下腹部を痩せたい、太ももが……とダイエットをし続ける。
・周りは「卑下するほどではないのに」と感じていても、自分の顔に不満があり、他人と比べて気にしてしまう。

<解決法>
同じように悩んでいる人の方法を取り入れて、あっさり解決できると簡単。しかし、そうはいかないことも多々あります。

考え方を変えたり、ある時期を超え、時間が経つと解決したりします。あとから考えると、くだらないことで悩んでいた、と気づいて、笑い話になることもあります。早い段階で、コンプレックスだと思っていることを周囲に打ち明けてみると、解決の糸口が見つかるかもしれません。

レベル2

一般的に気になる事象ではあるものの、努力や工夫、考え方で改善が見込めるレベル。場合によっては、お金で解決できる可能性がある。

<例>
・スタイルの問題
標準体重より少しぽっちゃりしている、脚が太いなど
・容姿の問題
一重まぶた、鼻が低い、顎のエラが張っている、顔のシワや肌荒れ
・運動や勉強、習い事で伸び悩んでいること
・人見知りなど性格

<解決法>
容姿が悪くても、ダイエットをがんばって痩せる、脚が太くても、ストレッチやマッサージなどを行い、改善させたりすることができます。

そういった努力がうまくいかない、という方は、勉強の方がなんとかなる兆しがあれば、得意な方でがんばって結果を残せば良いわけです。

運動や勉強、習い事でうまくいかないことも、努力でカバーできることもあります。人見知りなども、完全に解決はしないけど、少しの勇気で開けることもあります。

お金で解決できる、というのは、スバリ「整形手術」! 二重まぶたにする、鼻を高くする、顎のエラを削る、豊胸する、など。

これでコンプレックスから解放されるのであれば、悪いことではないと思います。完ぺきを求めすぎて、やりすぎてしまうと、逆につらくなるかもしれませんが……。

レベル3

自他共に認める事象で、ちょっとの努力、工夫、お金では解決しない、難しい問題のレベル。人生において、深い傷になったり、深刻な問題になったりする。

<例>
・身長の問題、手足が短いなどスタイルの問題
成長期で身長の成長は止まり、平均身長より低い場合や逆に大きすぎて、女性の場合、悩む方も多い
・薄毛の問題
最近は、内服薬や頭皮に直接塗る薬など方法はあるものの、希望通りにいかないことが多く、お金がかかったり、副作用があったりもする
・病気で運動制限がある
・入試や資格試験に失敗、制限があって道を閉ざされる

<解決法>
努力や工夫ではどうにもならないこともあり、代償行為で解決させ、コンプレックスを一旦封じ込める方法があります。

しかし、根本的に解決してないため、再発したり、悪化させたりすることがあります。レベル2から3になってしまうケースです。

問題が深くなればなるほど、個人レベルで解決しないでしょう。八方塞がりになり、絶望感を感じてしまうのです。

誰かに対し、そのコンプレックスを全部さらけ出してしまうと、心が少し軽くなることもあります。コンプレックスを少しでも受け止めてくれる人を探し出すためにも、いろいろな人に会ってみるのが良いかもしれません。

この人ならと思える方に、全部をさらけ出す必要はないので、今話せるレベルを少しだけでも聞いてもらえればいいのだと思います。

チャンスがあれば、外国の方や日常生活で接点がないタイプの方など、自分とは異なる背景・環境の人に打ち明けてみると、予想もしない答えがあるかもしれません。カウンセリングや精神科の先生の手を借りて、治療を受けるのもひとつの手です。

■「話を聞くだけ」で誰かのコンプレックスを軽くできることも

そして、「聞く側」として、コンプレックスを抱えている同士、話をしているときに、どのレベルで話をしているか、無意識に理解していることが多いです。

どこまで踏み込んでいいものか、悩むところではありますが、まず「聞いてあげる」だけで勝手に解決する場合もあります。

レベルが違うことに気づいてないケースだと、違うレベルでの解決法を提案しただけで、却ってコンプレックスへの悩みを悪化させてしまう場合も……。ひいては人間関係を変えてしまうことも起こり得るので、対応は難しいところではあります。それでも、話を聞いてあげるだけで、その人が救われることがあるはずです。

他人と比べない、ポジティブに考える、自分に自信を持つ……。コンプレックスを軽くするためのアイデアは、本やネット、講演会など、あらゆるところで提案はされていますが、自分の考えはそう簡単には変えられず、解決しづらいものです。

世の中、不平等であり、どうやっても平等になることはないわけで、他人と比較して、他人を恨んだり、自分が嫌いになったりすることもあります。

ただ、それぞれの考え方次第で、「幸せ」にはなれる可能性はまだ残っている! と信じて、ネガティブをポジティブに変えられるタイミングを待ちましょう。それまでは、準備期間です(自分にそう言い聞かせながら、このコラムを書きました)!

Drまあや

脳外科医兼デザイナー/1975年東京生まれ・岩手県北上市育ち 岩手医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学脳神経外科医局入局。2010年ロンドンのCentral Saint Martins に留学し、デザインの勉強する。帰国後、...

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