ロングからショートボブになったら、女度の高い服が似合うようになった
ロングヘアかミディアムか。はたまたボブヘアかショートヘアか。髪の長さをどうするかは女の永遠の迷い。似合う・似合わないといった切り口の他に、ファッションとのバランスも見逃せない。20年間続けたロングヘアをショートボブにし、似合うファッションが変わった私。髪型はもはやファッションのアイテムのひとつだ。
■ロングヘアかショートヘアか。女は永遠にその間で揺れる
女は、親に髪を管理される期間を過ぎた10代はじめから、自分の意志で髪の長さと形を選び取る。たかが髪型、髪の長さ。でも実はそこには「どんな女でいようか」「どんな生き方をしようか」という大きな選択と意志が垣間見える。
毎朝くるくるドライヤーと格闘して、聖子ちゃんカットにしていた高校生時代。
誰もが何の疑いもなく、お揃いのワンレングスのストレートヘアにしていたバブル時代。
女らしい空気をプンプン発散させて、とにかく異性にモテたいという野心(?)に燃えて、長いゆる巻きロングにしていた時代。
バッサリ短くしよう! と思い立つも、恋人の「長い髪の女の子っていいよなぁ」というつぶやきをキャッチし、切るに切れなくなった経験を持っている女は多いはず。
しかし、怒涛の子育て期に入ると、髪が長いか短いかの問題なんてもはやどうでもよくなる。
自分の髪をいじる時間どころか、顔さえも満足に洗えない日々。美容院に行く暇などどこにあるのか? という多忙さ。そうなると、とにかく長くしてひとつにゴムで結わえまとめる、というスタイルになった。
長い髪は便利だ。
シャンプーと乾かすのは多少時間がかかるが、ボサボサでもシュシュでひとつに縛ったり、ハーフアップにしてクリップでまとめたり、夜会巻コームできりっとアップにすれば、「髪をきちんと手入れしている」感じが十分に出せる。
美容院に1年くらい行かなくても問題なく生きていける。その楽ちんさに味をしめ、私はしばらくの間、ずっと長い髪で通していた。
ところが、40代後半になり、長い髪をただ垂らしただけの「シンプル」な髪型が、清潔感や清楚からは程遠い、むしろ不潔感やだらしなさを人に与えているのかも、と気づいた頃から、もう本当に髪をうんと短くした方がいいのでは……と思い始めたのだ。
■長い髪をバッサリ切ろうと決断した日
長い髪をそのまままっすぐに垂らしているスタイルが、「ナチュラル」「飾り気のないシンプルな感じ」「さわやか」というイメージにつながるのは、せいぜい30代くらいまでだと思う。
かといって、今まで長い髪だったのが急に短くなると、女らしさを手放して急に老け込んだ感じになるのでは……としばらく髪を切ることは躊躇していた。
ところが、髪をまとめるにも、髪のハリやボリュームがどんどん減ってきたと気づいた日。
さらに頭頂部の頭皮が、何となく髪越しに透けて見えていることに気づいた日の恐怖。
「長い髪は頭皮に負担をかけていて、それが顔のたるみにもつながっている」という美容師さんの衝撃発言を聞き、ついにバッサリ切ることを決断したのだ。
■どんな服でも似合う髪型にしてほしいとオーダー
髪を切るとき、美容師さんにお願いしたのは、「極端に前衛的でなく、あくまでコンサバなファッションも似合うショートボブにしてほしい」ということ。
さらに、「どんなファッションでも違和感なく似合う髪型を」とオーダー。
20年以上私の髪を切り、その期間、私のファッションを100回以上見てきた彼は、私の服のスタイルをよく理解している。デニムも履き、ワンピースも着る。カジュアル服もあり、かっちり服もあり。ハイヒールもエンジニアブーツも履く私のファッションを考えながら切ってくれたのである。
その結果、少し前下がり気味で表面のみレイヤーを入れた短めのボブになった。
ストレートにブローするとシンプルなカジュアルが似合う。
アイロンやホットカラーでキツめに巻けば、ツイード素材の膝丈スカートのスーツが似合うような保護者会ママの髪型になる。まとめ髪もぎりぎりできる。
いろいろアレンジできるようにと、適度な長さを残しつつ、見た目はショートボブ、という汎用性の高い髪型にしてくれたのだ。