不器用なヒロインに共感! 脳内片思いVS.リアル恋愛を描く『勝手にふるえてろ』- 古川ケイの「映画は、微笑む。」#32

不器用なヒロインに共感! 脳内片思いVS.リアル恋愛を描く『勝手にふるえてろ』- 古川ケイの「映画は、微笑む。」#32

中学の同級生「イチ」に約10年間片思い中の24歳のOLヨシカ。そんなヨシカの前に、暑苦しい会社の同期「ニ」が現れ、告白されて……。芥川賞作家・綿谷りさの同名小説を元に、"脳内片思い”と”リアル恋愛”の間で揺れる恋に臆病なヒロインを実力派若手女優・松岡茉優が熱演! ラブコメ史上最もキラキラしていない主人公の登場です。


◼︎脳内片思いVS.リアル恋愛! ふたりのカレシに揺れるヒロイン

本作、『勝手にふるえてろ』は24歳の冴えないOL・ヨシカのこんなセリフからスタートします。

「本能のままにイチと結婚しても絶対幸せになれない。結婚式当日もイチが心変わりしないようにって、野蛮に監視役続けてなくちゃならない、そんなんで幸せなんて味わえるかよ」

ヨシカは、中学時代から約10年もの間、クラスのマスコット的扱いを受けていた「イチ」にずっと脳内で片思いしているのです。

そんなある日、同じ会社で営業として働く「ニ」からヨシカは生まれて初めて告白されます。

「その点ニなら、まるでひとごとみたいにお式堪能できちゃう。ドレスのままチャペルから何だか知らんが丘駆け下りてわがままにニのこと放ったらかして、波と戯れたりデコルテあらわなドレスで肩上下させてハーハーしたりして花嫁タイムをエンジョイできちゃう」

正直タイプではないニからの告白に揺れるヨシカですが、やはりイチのことを諦めきれなくて……。

本作は”脳内片思い”と”リアル恋愛””理想の王子様”と”現実に自分を好きになってくれる男”、ふたつの恋の間で揺れる主人公が、もがきながらも本当の自分を解き放つ、暴走ラブエンターテイメントです!

◼︎『勝手にふるえてろ』ストーリー

江藤良香(ヨシカ/松岡茉優)、24歳、B型、ひとりっ子。趣味は絶滅した動物をネットで調べること。

昼間は会社の経理として働きながら、夜は購入したアンモナイトの化石を愛でる毎日を送るヨシカには、中学時代から約10年もの間、脳内で片思いをし続けている理想のカレシ・イチ(北村匠海)がいた。

そんなある日、強引に参加させられた同期会という名の飲み会で、ヨシカは営業として働く同期のニ(渡辺大知)と連絡先を交換させられる。

後日、テクノの流れるクラブでデートしたあと、酔っ払ったニから「俺と付き合ってください」と告白されたヨシカは、「人生初、告られた!」とテンションが上がるものの、正直タイプではないニにあまりのめり込めず、流されるようにデートを続けるのだった。

中学時代のヨシカは「見たいけど気づかれちゃダメ」という屈折した感情から、視野の端でイチを盗み見ては、彼をモチーフに漫画を描くほどこじれた恋心を持っていた。

ある日、ボヤ騒ぎを起こしてしまったことをきっかけに、ヨシカは「死ぬ前にせめてもう一度イチに会いたい」と覚悟を決める。

アメリカに転校した同級生の名を騙って地元の雪国での同窓会を計画したヨシカは、なんとかイチと連絡先を交換し、再び東京で会う約束を取り付けるが……。

◼︎原作は、毒舌さえわたる芥川賞作家・綿矢りさの同名小説

原作は2001年に『インストール』でデビュー、2003年の『蹴りたい背中』で金原ひとみの『蛇にピアス』とともに第130回芥川賞を受賞した小説家・綿谷りさの同名小説です。

2010年に発表された原作の『勝手にふるえてろ』(文春文庫刊)は、彼女の持ち味である毒舌さえわたる切れ味のいいモノローグで女性のリアルな感情を描き、今もなお多くの支持を集めています。

妄想力爆発の恋愛小説『勝手にふるえてろ』が、ラブコメ史上もっともキラキラしていないヒロインの恋を描いたエンターテイメントとして生まれ変わりました!

◼︎松岡茉優が魅せる! 魅力的な暴走ヒロイン

主人公・ヨシカを演じるのは、TVドラマ『ウチの夫は仕事ができない』や『コウノドリ』、映画『ちはやふる』での若宮詩暢役も記憶に新しい、若手実力派・松岡茉優。

連続テレビ小説『あまちゃん』や、やTVドラマ『問題のあるレストラン』など、以前から抜群の演技力を見せてきた彼女にとって、意外にも本作が初の映画主演作となります。

特に注目したいのは、劇中でヨシカの思いが明らかになる歌唱シーン。

大九明子監督が歌詞を手がけた楽曲「アンモナイト」で、突然歌い出し「絶滅すべきでしょうか?」と問いかけるヒロイン・ヨシカに思わず共感し、応援したくなってしまうこと間違いなしです!

◼︎イチとニ、ヨシカが選ぶのは……?

ヨシカの理想の王子様「イチ」を演じるのは、ダンスロックバンド「DISH//」でボーカル・ギターをつとめ、『君の膵臓をたべたい』、『恋と嘘』など出演が続く若手俳優の北村匠海。

ただかっこいいだけでなく、どこか暗い過去も感じさせるイチ役を絶妙にクールな表情で演じます。

そんな「イチ」とは対照的に、テンション高く、暑苦しい「ニ」を演じるのは、ロックバンド「黒猫チェルシー」でボーカルをつとめながら、俳優や映画監督としても活動する渡辺大知。本作では主題歌「ベイビーユー」も手がけ、ストレートに恋する気持ちを歌い上げます。

ラストに向けてどんどんかっこよくなっていく「ニ」は必見です!

理想と現実、どっちも欲しいし、どっちも欲しくない……。

恋愛に臆病で、片思い経験しかない主人公ヨシカが大暴走する恋の行方は、ぜひスクリーンでご覧ください!

◼︎『勝手にふるえてろ』公開情報

『勝手にふるえてろ』
12/23(土・祝)、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
監督・脚本:大九明子
原作:綿矢りさ著「勝手にふるえてろ」文春文庫刊
出演:松岡茉優、渡辺大知、石橋杏奈、北村匠海
配給:ファントム・フィルム
上映時間:117分
公式サイト:http://furuetero-movie.com
©2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会

この記事のライター

映画ライター。新作映画情報サイト「木曜日のシネマ」運営。 大学卒業後、インディペンデント系映画配給会社に入社し、映画業界誌の編集・ライター業務に従事したのち、宣伝部にて洋・邦映画作品の宣伝を手がける。その後テーマパーク運営...

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