出産後の働き方は、妊娠中に自分でデザインする【アラフォーで産む#3】

出産後の働き方は、妊娠中に自分でデザインする【アラフォーで産む#3】

出産後も仕事をしていきたい女性が妊娠中にすべきは、出産後にどう働くかのシミュレーション。今回は産後2カ月復帰を計画している筆者が、どのように準備しているかについてご紹介します。


筆者がアラフォーになるまで妊娠・出産することに積極的になれなかったのは、キャリアを中断するのが怖かったから。今回40歳で妊娠が発覚した時にもいちばん最初に考えたのはそのことだった。

ただ、どうすれば、キャリアと出産を両立できるか?を考えてみると、それは仕事をしていく中で日常的に行う「優先順位つけ」と「関係者への相談・交渉」の延長線。

自分のやりたいこと、避けたいことを整理し自ら相談・交渉することで、出産後の働き方はいかようにも自分でデザインできることに気が付いた。

今回は筆者がどのように出産後の働き方について考え、準備したかについて紹介したい。

■産休後も同じ仕事に復帰するためには

現在私が勤めている会社は、アメリカの本社こそ1000人規模のそこそこ大手企業ではあるけれど、日本支社は従業員がわずか4人。どの社員もアメリカの本社に上司がいて、それぞれバラバラに指示を受けている状態だ。

妊娠が発覚し「産む」と決めて真っ先に思ったのは、いったい自分が不在の間をどうやって埋めようかということ。

妊娠出産を理由に従業員を解雇することは法律で禁じられているものの、代わりの人員を正社員で雇われてしまったら、復帰したとて私の居場所はない。給与・勤務条件がいいうえに、やりがいもある仕事。妊娠・出産を機に今のポジションを失いたくはなかった

■産前産後をどうやって乗り切るのか?

まず最初に確認したのは、法的にいつまで働けていつまで休む必要があるか。

厚生労働省のホームページを確認したところ、産前休暇は特にとる必要がなく、代わりに産後休暇は8週間(医師が認めた場合は6週間)の取得を義務付けられていた


次に出産前日まで働いていたり、フリーランスのため出産後すぐに仕事に復帰した方の経験談を、実際にお会いしたりインターネットで調べた。

結果、オフィスに出社する必要がなく、自宅からリモートで勤務できる私は、産前休暇はとらないことにした。ただし友人やネットの体験談をもとに、

・飛行機に乗る出張は出産予定日2カ月前まで

・クライアント先の往訪や定期ミーティングなどは、出産予定日1カ月前から避ける


というルールは作った。思わぬところで産気づいてしまうリスクはとりたくないなと思ったのだ。


そして肝となる、出産後の働き方。どれくらいで出産のダメージから回復するかを調べたけれど、正直人それぞれだなぁ、と感じた。

産後半年たっても体調が元に戻らない人もいれば、出産後1週間で、取材に行かれているフリーライターの方の体験談もみかけた。アメリカ在住の同僚は産後2週間で復帰したのだという。

こればかりは産んでみないとわからない。もし順調ではなかったらそのときに相談すればいい。そう思い、いったんは法で定められている「8週間」のみを産後休暇とし、すぐに復帰することに決めた。

■自分が不在の間のバックアッププランと復帰計画をプレゼン

産前産後の調査が終わってからは、「臨月に入ってから」そして「出産してから」誰に、どの業務をお願いし、その後自分がどういう風に復帰していくかのプラン作りにとりかかった。

・飛行機を使った出張は妊娠30週まで

・外出を伴うミーティングは34週まで

・産後8週間で復帰はする

・海外出張は産後6カ月は避けたい

など自分の希望を、すべて具体的なスケジュールに落とし込んだ。
自分の働き方に制約がある期間はいつまでからいつまでで、その間、誰にどの仕事をお願いしたいかを、資料にまとめた。


同時に産後2カ月で預けられる保育園の下調べと見学、産まれた子どもが熱を出したときにとれる手段のリストアップも並行して進めた。

そして産まれた子どもが病気になったときの対策も含めた資料をもって妊娠報告をした。おかげさまで復帰後も今のポジションで働いて欲しいから安心して、そう言ってもらうことができた。

■「どう働いていくか」は自分で決める

出産後もキャリアを続けていきたい女性にとって大事なのは、会社に自分の処遇を委ねるのではなく「自分がどうしたいか」をあらかじめデザインし、それを会社・取引先に交渉することだと思う。


とある大企業に勤める友人も、妊娠してすぐに行ったのは、産後も責任ある仕事を任せてもらえそうな部署に目星をつけ、異動したいという意思を伝えておくこと。産休に加えて育児休暇を数カ月とるものの、その間にその部門で働くにあたって有利な資格の取得をオンライン講座で受講する予定をたてている。


昨年出産したフリーライターの友人は、レギュラーの仕事を失わないよう、産前産後の一定期間は自らのゴーストライターを採用した。もらっている原稿料を考えると一時的には「赤字」になるプランだったが、結果として穴を開けずに済んだ。

■「出産」は生き方を見直すチャンス

もちろん出産を機に働き方を見直す場合もある。

ある友人は子どもが生まれたことを契機に、近いうちにフリーランスに転向予定。現在は時短勤務で負担の少ない仕事をしつつ独立への準備に余念がない。

出産後は土日に活動しているNPOへの参加により軸足を置くようにし、会社員としてのやりがいは特に求めないと決めた知り合いもいる。

妊娠・出産、そして子育ては、特に女性にとってとても負担が大きい。その分、今後どうしていきたいかを真剣に考えるチャンスでもある。

自分が出産後、どのように働きたいかを妊娠中にプランニングしておく。そうすることで、出産後のストレスの緩和にもつながると私は思う。

この記事のライター

1977年生まれ、宮城県仙台市出身、早稲田大学卒。大学在学中から大手女性誌やムック本などで占い、美容、投資、セックスなど多岐にわたるジャンルの記事を執筆。 結婚、離婚を経て、現在は外資系企業でのマネージャー業務のかたわら、...

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