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美容師さんお墨付き。ドライヤーの正しい使い方【猫川舐子】

ドライヤーの使い方に自信はありますか。美容師さんによれば、髪の状態を左右するのは「しっかり髪を乾かせているかどうか」なのだそう。スペシャルケアを取り入れることも必要ですが、スペシャルケアの効果は、ドライヤーを正しく使えてこそ発揮されるもの。今回はプロからのお墨付きをいただいた、ドライヤーの正しい使い方をご紹介します。

美容師さんお墨付き。ドライヤーの正しい使い方【猫川舐子】

ヘアケア製品にこだわる、シャンプーの泡でパックをする、ブラシにこだわる……など、日常のヘアケアにはバリエーションがありますが、髪質を左右する決め手となるのが「髪の毛をしっかり乾かせているかどうか」だそうです。

■開いたキューティクルは「閉じる」ことが必要

三層構造で成り立っている髪の外側を覆うのが、皆さんもご存知の「キューティクル」。

キューティクル

一番外側のキューティクルは、かたいタンパク質が主成分。半透明のうろこ状のものが平たく4~10枚重なって、髪の内部組織を守る働きをしています。

各層の表面には、キューティクルを保護する脂質成分「MEA(18-メチルエイコサン酸)」が存在しています。MEAは最表面にあるため、摩擦にさらされ損なわれやすいのですが、髪のツヤや感触を左右しています。

キューティクルは髪が水分を含んだときと温度が上がったときに開き、反対に乾いているとき、温度が下がったときは閉じています。

髪の毛が濡れたまま放置したり、熱を与えすぎたりすると、キューティクルが開きっぱなしの状態で乾くことになり(まつぼっくりが開いた状態を想像していただくとわかりやすいかもしれません)、髪のツヤが失われるだけでなく、髪の内部組織が守られず、ダメージが進行してしまう原因となります。

そのため、開いたキューティクルは閉じる必要があります。しかし、キューティクルは熱に弱いので、長時間に渡って熱風を当てるのではなく、短時間で、しっかりと乾かす必要があるのです。

ちなみに、タオルドライ後にアウトバストリートメントを使用するのは、キューティクルが開いている状態で髪に成分を浸透させ、髪を乾かしてキューティクルが閉じることによって、成分を髪の内部に留めるためだそうです。キューティクルが開閉する原理を用いたケアということです。

■美容師さんのお墨付き。ドライヤーの正しい使い方

お風呂上がり直後の濡れた髪を乾かすのは大変なので、私はマイクロファイバーの吸水ヘアキャップを使用して、髪の毛を水分を取っておきます。

流れとしては、お風呂上がりにまずヘアキャップを着用。タオルドライをしながらスキン&ボディケアを済ませ、その後にドライヤーで髪を乾かします。その際に大切なポイントを列記します。

ドライヤーは必ず上から当てる

キューティクルにも向きがあり、根元から毛先の方向に閉じます。そのため、温風を毛先から上に向かって当ててしまうと、キューティクルが開いた状態のまま乾いてしまうことに……。ドライヤーは必ず上から当てることを心がけましょう。

乾かすときは、必ず髪の根元から

水分は、根元から髪を伝って毛先へと流れるので、まずは根元から先に乾かす必要があります。乾いている吸水タオルを巻き直し、タオルの上から水分を取りつつ乾かすと、髪に直接熱風を当てずに済み、また時間も短縮できます。

ちなみに、本当に時間がないときはお辞儀をし、髪を逆立てた状態で根元付近を一気に乾かします。「ドライヤーをキューティクルの向きに沿って上から当てる」ことを遵守した末の手法、あまりに粗野で強くおすすめはしませんが、速乾かつ根元にボリュームが出ることをお伝えしておきます(笑)。

毛先を乾かすときに取り入れたい、ブラッシング

美容師さんいわく「これができると、良い髪質が維持できる」のが、毛先にかけてのブラッシング。ドライヤーを上から当てるだけでなく、濡れて開いているキューティクルを、乾かしながら正しい方向に閉じていく工程を取り入れて初めて、髪の状態をより良く仕上げることが可能になるのです。

普段手ぐしで乾かしている方にとっては、手間に感じられる作業になると思いますが、ブラッシング習慣は身につけておくべき。ツヤのある髪を手に入れるには、必要不可欠な「手間」なのです。

■「ひと手間」こそが、基礎を底上げする

■ドライヤーを正しく用いる「ひと手間」が、髪質を底上げする

日常のヘアケアのうち、ドライヤーは最も手間がかかり、真面目に取り組もうという気も起きないほど地味な作業。私も正直うんざりしますし(笑)、シャンプーやリンス、ヘアオイルのラインナップを検討することの方が簡単で、そちらに気を使いがち。

しかし、この「ひと手間」こそが髪質の基礎を押し上げてくれるひとつの要因になります(ひと手間が必要なのは、美容だけでなく、仕事でも料理でも、何でもそうですね)。この機会にぜひ、正しいドライヤーの使い方を身につけてみてください。

猫川 舐子

広告代理店勤務

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