過激なベッドシーンに目を奪われるー大人の純愛映画『ナラタージュ』 - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#23
『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督が、10年近く映画化企画を温め続けた『ナラタージュ』が、いよいよ今週末に公開となります。「この恋愛小説がすごい!」第1位に輝いた、島本理生の同名小説を原作に、松本潤・有村架純・坂口健太郎の切なく、苦しい三角関係が描かれる本作は、大人の女性にこそ楽しんで欲しいラブストーリーです。
◼︎映画『ナラタージュ』のストーリー
高校時代、いじめにあっていた泉(有村架純)は、演劇部の顧問教師・葉山(松本潤)から演劇部にスカウトされます。
どこにも自分の居場所を見つけることができずにいた孤独な自分に、居場所を与え、救ってくれた葉山に、泉は次第に惹かれていきます。
そして、卒業式の日。誰にも言えないふたりだけの思い出をもらった泉は、その想いを胸にしまったまま、大学に進学するのでした。
大学に入り、2回目の春。
泉のもとに、葉山から久しぶりの連絡がきます。後輩のために卒業公演に参加してくれないか、と誘われた泉は、葉山と再会し、彼への想いがさらに募っていくことを実感するのでした。
そんなある日、泉は葉山から、とある事件をきっかけに別居することとなった妻がいることを知らされます。
許されない恋に、葉山を忘れようと決意した泉は、同じく卒業公演に参加した大学生の小野(坂口健太郎)から告白され、彼と付き合うことを決めるのですが……。
◼︎「壊れるくらい、あなたが好きでした。」――描かれるのは、切ない恋模様
誰もが一度は、生涯忘れられないような、ほろ苦い恋を経験したことがあるのではないでしょうか?
『ナラタージュ』では、恋愛の甘い部分だけでなく、欲望や苦しさをも描き出します。
本作のメガホンを取った行定勲(ゆきさだ・いさお)監督は「好きになるほど疑惑は生まれ、欲望は先回りし、相手のためを思ってやったこともズレてしまい、グチャグチャになってしまう。それが本当の恋愛だと思っています」と語ります。
「キラキラしたボーイミーツガール映画はたくさん作られてきたけど、現実の恋愛はそうじゃない。こんなことだったら恋愛なんてしなきゃよかった……というもう一面の恋愛を描いて、いい意味で若い人たちに傷をつけたかった」と語る行貞監督。
『ナラタージュ』では、泉・葉山・小野、だれにとっても「もう恋なんてしたくない」ような現実を突きつけられながらも、「それでも恋せずにはいられない」主人公たちの愛おしさを感じさせてくれます。
◼︎まさに体当たり! 過激なベッドシーンにも注目
連続テレビ小説『ひよっこ』の主人公・谷田部みね子役や、映画『何者』の田名部瑞月役、テレビドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の杉原音役など、どちらかと言えば清純派のイメージの強い有村架純。
映画『3月のライオン』では主人公・零(神木隆之介)の義姉・幸田香子役で妖艶な演技も見せた彼女ですが、本作ではさらに驚くような過激なシーンに挑んでいます。
坂口健太郎演じる小野とのベッドシーン。
そして松本潤演じる葉山とのベッドシーン。
一番に好きではない人に初めて抱かれるシーンも、一番好きな人に最後に抱かれるシーンも、どちらも言い表せない切なさに溢れ、目を離すことができません。
また、とくに必見なのは、泉が葉山の家の浴室で、彼の髪を切る場面。
恋心を制御できなくなった泉が、葉山に口づけをし、シャワーに濡れながらお互いの感情をぶつけ合うシーンは、ヒリヒリとした恋愛の緊張が溢れています。
葉山と小野……泉はどちらを選び、幸せを手にすることができるのか。彼女が最後にした選択とは――?
映画『ナラタージュ』は今週末10月7日(土)より公開です。物語の結末は、ぜひスクリーンで見届けてください。
◼︎『ナラタージュ』公開情報
『ナラタージュ』
10月7日(土)全国ロードショー
監督:行定勲
原作:島本理生(『ナラタージュ』角川文庫刊)
出演: 松本潤、有村架純、坂口健太郎
配給:東宝=アスミック・エース
上映時間:140分
公式サイト: https://www.toho.co.jp/movie/lineup/tamioboy.html
(C)2017「ナラタージュ」製作委員会
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