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『3月のライオン』は人間ドラマの傑作だから今すぐ観て - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#8

史上5人目となる中学生プロデビューを果たし、最年少プロ棋士となった藤井聡太四段が、羽生善治王位に勝利したニュースが将棋界で話題に。将棋をテーマにした映画『3月のライオン』は、将棋好きはもちろん「ルールすらよくわからない……」という人にも自信を持っておすすめしたい、人間ドラマの傑作です。

『3月のライオン』は人間ドラマの傑作だから今すぐ観て - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#8

◼︎映画『3月のライオン』は人間ドラマの傑作

本日、DRESS読者の皆さんにおすすめしたいのは、3月18日より前編が、4月22日より後編が公開されている『3月のライオン』です!

原作漫画の作者である羽海野チカさんの代表作といえば『ハチミツとクローバー』。青春時代に切なさに胸を震わせたDRESS世代の読者の方も多いのではないでしょうか?

映画『3月のライオン』は、将棋がテーマでありながらも、登場人物たちの心の機微を時に熱く、時に切なく描き、単なる将棋映画と片づけるにはあまりにももったいない珠玉の人間ドラマです。

◼︎見逃せないポイント1 手に汗握る、将棋の対局シーン

「単なる将棋映画ではない」と申し上げた本作ですが、対局シーンの迫力は、やはり見逃せないポイントです。

実力派俳優たちによる、数時間にも及ぶ対局シーンは、さながら演技合戦のよう。

将棋のルールを知らなくても本作に夢中になれるのは、本作が将棋を描きながらも、男たちの人生そのものを賭けた闘いを描いているから。

決して短くない対局シーンも、手に汗握るうちに、あっという間に時間が過ぎてしまうことでしょう。

◼︎見逃せないポイント2 豪華キャストによる熱演がすごい!

まずはこのふたりに大注目! 神木隆之介&有村架純

本作の主人公、桐山零を演じるのは、みんな大好き神木くん! 小さい頃から将棋一つで身を立ててきた零は、同じく幼い頃から子役を演じてきた本人のイメージにぴったり。

DRESS世代の女性には、幼いイメージのある人も少なくないと思いますが、本作では、若くしてプロ棋士となり、川本家の3姉妹を守ろうとする頼れる男を演じています(正直、神木くんに色気を感じたのは本作が初めてでした!)。

また、零の姉・香子を演じる、有村架純にも大注目。これまでどちらかというと清純派の女性を演じることの多かった彼女ですが、本作では血のつながらない弟・零とのどこか危うい姉弟関係を、ほのかな色気とともに演じています。

加瀬亮に高橋一生……脇を固める豪華俳優陣にも注目!

『3月のライオン』には、脇を固める俳優陣も、豪華キャストだらけ。

香子と微妙な関係を続けながら、病気で入院している妻への複雑な想いを抱える後藤を、大人の色気たっぷりに演じるのは伊藤英明。

また、「将棋の神様の子」と評され、重度のプレッシャーに身を晒しながらも圧倒的な強さを誇る天才棋士・宗谷冬司に加瀬亮。

零の幼い頃からのライバルで、難病を抱えながらも将棋の道を諦めない二海堂晴信に染谷将太。

二階堂の兄貴分で、零にも宗谷と闘うためのアドバイスを行う島田開に佐々木蔵之介。

彼らの対局シーンの熱演を観るだけでも、本作の元が取れると言っても過言ではありません。

さらに零の担任の林田役で、今をときめく高橋一生が少なくない頻度で登場するのも、DRESS世代にはうれしいポイントです。

■見逃せないポイント3 原作のテイストを崩さないストーリー!

【前編】将棋は生きるための手段。熱い物語が始まる!

9歳のときに交通事故で両親と妹を失い、父の友人だった幸田柾近(豊川悦司)に内弟子として引き取られて暮らしていた桐山零(神木隆之介)。

17歳でプロ棋士となり、天才ともてはやされている零だが、家を出てからは、家族も友人もなく、将棋のみに没頭する日々を過ごしていた。

ある日、先輩に飲まされ、道で倒れているところを近隣の町に住む川本あかり(倉科カナ)に介抱された零。その日から、長女のあかり、次女のひなた(清原果耶)、末っ子のモモ(新津ちせ)の3姉妹、との温かな交流が始まる。

一方、妻のいるプロ棋士の後藤正宗(伊藤英明)と微妙な関係を続けている零の義理の姉・香子は、零にのみ期待をかける父親の幸田を避けて家をあけるようになっていたが、零から「もし自分が獅子王戦トーナメントで後藤に勝ったら、家に戻る」という約束を強引に取りつけられる。

獅子王戦─それは、タイトル保持者の宗谷冬司(加瀬亮)と闘う挑戦者をトーナメントで決める闘い。零が後藤に当たるには、島田開(佐々木蔵之介)を倒さなければならない。

さらに幼い頃からのライバル、二海堂晴信(染谷将太)から宣戦布告された、新人戦トーナメントも待ち受けていて──。

【後編】未完の原作を超える!? 爽やかなラストに注目!

零が川本家に足を運ぶようになってから、1年が過ぎようとしていた。

今年も獅子王戦トーナメントの季節が始まるが、零の父・幸田は、頭のケガで緊急入院して不戦敗となる。「自宅で転んだ」と嘘をつく幸田だったが、実は息子の歩と言い合いののちに突き飛ばされたのだった。姉の香子もフラフラと出歩く日々が続き、幸田家は崩壊へと向かっていた。

そんな中、川本家にも次々と事件が襲いかかる。ひなたのクラスでいじめが始まり、いじめに遭ったクラスメートをかばった彼女が次のターゲットになってしまったのだった。

さらに3姉妹を捨てたはずの父親が現れ、突然一緒に暮らそうと言い出す。

大切な人たちを守るため強くなるしかない。そう決意した零は、宗谷との闘いをかけたトーナメントに挑む。人を愛することを知った彼の闘いの行方は──?

未完の原作を、これ以上ないほどの終わり方でまとめた本作のラスト。観客は、静かな感動の余韻に包まれることは間違いないでしょう。

【前編】【後編】ともに絶賛公開中の本作『3月のライオン』。スクリーンで観られる機会をぜひお見逃しなく!

■『3月のライオン』【前編】【後編】公開情報

『『3月のライオン』【前編】【後編】』
【前編】3月18日(土)【後編】4月22日(土) 2部作・全国公開中
監督:大友啓史
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、加瀬 亮、高橋一生、伊藤英明、豊川悦司
配給:東宝、アスミック・エース 
上映時間:【前編】138分【後編】139分
公式サイト: http://www.3lion-movie.com
© 2017 映画「3月のライオン」製作委員会

古川 ケイ

映画・ファッションライター。女性誌や女性向けWeb媒体を中心に、新作映画やオススメのファッションアイテムなどを紹介しています♫

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