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「現世は見逃す。けど来世は童貞のまま人生を終えてほしい」~不倫された妻が胸に抱えた声

不倫の話題に飽き飽きしている人も多いかと思うが、そもそもなぜ配偶者以外の異性と恋愛関係に陥ってしまうのか。「不倫したいと思わないの?」そう尋ねる男性にその真意を尋ねてみた。

「現世は見逃す。けど来世は童貞のまま人生を終えてほしい」~不倫された妻が胸に抱えた声

結婚してから、時々こんな質問を受ける。

「不倫しないの? したいと思わないの?」

こう聞かれたときに「やだ、私誘われてる?」なんて考えるほど頭はお花畑ではない。前後に甘い雰囲気があるわけでもなく、唐突なのだ。そうそう、前から聞いてみたかったんだけどさ、というような。

なぜかと問い返すと、大抵は「まあちょっと聞いてみたかっただけ」と笑ってごまかされるけれど、たまに真面目に答えてくれる男性もいる。

「世の中にはたくさんの男性がいるのに、たったひとりの人とだけ、ってつまらなくないのかな? と思って。もっといい人がいるかもしれないじゃん?」

■結婚しても探している運命の人

今なら小学生でも知っているかと思うが、日本は一夫多妻制ではない。

結婚したのちに、配偶者とは違う人と恋愛をしたり、それこそ一線を越えたらいろいろな人から怒られる。場合によっては、離婚に発展し、財産を奪われ、今の自分の立場を追われることもある。

毎日のように有名人の不倫の話題を聞いて、正直辟易している、という人も多いだろう。そんな話ばかり聞いていると、右も左も既婚男性はみんな不倫してるんじゃなかろうか、と思い始める。自分の夫だって例外ではない。

で、そんな男性たちになぜ不倫するのかと重ねて聞くと、「奥さんとはもうセックスできない、する気が起きない」と口にする人もいれば、「今の奥さんよりも相性がいい女性、もしくはより良い女性と出会えるかもしれない」というように、運命の人を未だに探している人がいるのだ。

そして、女性も同じように思っているのではないかと確認したくなる、らしい。

この「運命の女性を探している」男性群に話を聞いてみると、とにかく厄介だとしか考えられず、次から次へと相手を乗り変え、妻以外の女性の存在が常にいる、という状況になっている。

浮気は病気だ、一生治ることはない、いや本能だ、などと言われているけれど、逆になんだかもうロマンチストで困っちゃうなあ、とため息が漏れてしまう。

■女性は結婚すると恋に冷めてしまうのか

運命の人、というなら女性のほうが待ち焦がれている気がするし、たびたび「少女マンガに出てくるような王子様はいないんだよ」と男性に呆れられることもある。

しかし、既婚女性に「結婚してよかったことは何か」と聞くと「もう恋をしなくていいこと!」とニコニコとする人もいる。

あの面倒くさい恋のやりとりをしなくてすむし、ムダ毛処理に気をもんだり、今日の下着は上下揃っていたかしら、などと気にしなくていいのはとても気楽だと(男性陣からすれば妻のそういう気が抜けたところが嫌だという人もいるかもしれない)。

で、不倫をしたいか、と聞くと大抵はNOだった。ただ、ときめきはほしいという。

夫にもうドキドキすることはない。心の隙間を埋めてくれる何かがあればいい。それが、趣味であれ、仕事であれ、夫以外の男性でもいい、とのことだった。

なるほど、W(ダブル)不倫というのはこういう男女が惹かれ合って成立するものなのだな、とごく当たり前のことに納得してしまった。

■不倫はファンタジー?

不倫をしている、という男性に「奥さんは気づいてないの?」と聞くと「大丈夫、大丈夫。俺にそこまで興味ないし、うまくやってるからさ」。

ほぅ……うまくやっている、と。

女性視点からすれば、そんなわけがなかろうが、と思う。

案の定、大半の女性が夫が外で悪さをしていた場合、気がついているようだ。「離婚しないのか」とか「そのあたりを問い詰めたりしないのか」と聞いてみるが、「うん、向こうが離婚したいって言ったらしてやろうかな、と思うくらい」とのこと。

相手が離婚してまで一緒になりたい女性が現れたのだとしたら、それはもはや仕方がない、と言うのだ。

ただ、何も反撃はしないのかと聞くと、「現世は見逃す。来世は童貞のまま死ぬ人生を歩んでほしい」とのこと。優しいんだか、恨みが深いんだか……。

もちろん、恋のきっかけがさまざまであるように、不倫に踏み切る理由もさまざまだろうから、一概に決めつけるのは危険だ。運命の人と出会ったのがたしかに少し遅かった、なんていうことも本当にあるかもしれない。

結婚は現実で、不倫はファンタジーのようだと思う。だからフワフワして、ドキドキして手放しがたい(妻に気づかれていない、と思っているのもファンタジーの世界にトリップしているからだろうなあ、と)。

ハッと我に返ったときに、失ったものの大きさを気づくのだなんて、平凡なセリフはできれば言いたくない。

でも、気持ちが昂ぶり、ついでに盛ってしまったときには一度、壁に自分の頭を打ち付ける、くらいやってもいいかもしれない。それでも、いや、自分は道ならぬ恋を進むんだ! というなら、止めようもないですね。恋が走り出したら止まらない、とも言いますし。

ふくだ りょうこ

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

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