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夫婦喧嘩も進化させよう【成功する結婚#9】

ふたりの人間が本音で付き合えば、多かれ少なかれ口論は起こり得ます。人生をわかち合うパートナーと、できれば喧嘩せずに仲良くやりたいと思うのは心情。ですが、本当の気持ちを言わないままでいると、後々のダメージが大きくなってしまうことも。自分を偽ることなく、ハッピーに長続きする関係を築くにはどうすればよいのでしょうか。

夫婦喧嘩も進化させよう【成功する結婚#9】

お互いの「怒り」を表現する方法を知っていますか

結婚16年目になる夫と私が、結婚前に受けたプレマリッジセミナーでは、「喧嘩の解決方法」というテーマも取り上げられました。




プレマリッジ・セミナーとは

他人であるふたりの人間が一緒になり、家庭を築いていくにあたって、事前に知っておいた方がよいことについて理解を深めるために行われる話し合い。多くのカップルが集まり、それぞれにカウンセラーがついて話し合いを進める。

話し合う項目には、価値観、お金、家族関係、友人関係、コミュニケーション、性生活、政治、宗教……などがある。


突然ですが、現在パートナーがいる皆さんは、互いの「怒りの表現」について知っていますか?

最近では、交際0日で婚約とか、出会って1週間で同棲など、結婚すると決めるまでの時間がとても短いカップルについても耳にします。

もちろん、それ自体が悪いというわけではありませんが、喧嘩ができるくらいまで腹を割って感情を表現するようなチャンスはあったのかな? と気になることも。

夫婦という関係に、どこまでの距離感や親密さを求めるか、というのは人それぞれ。ですが、心でぶつかり合うような関係を求めている人であれば、お互いの考え方の違いや、(自分の視点から見ると)配慮が足りないと思われる相手の言葉にイラっとする体験は、少なからずあるのではないでしょうか。

お互いに相手の言動に怒りを感じたとき、それがどのように表されるのかを知っておくことは、長期的に見てふたりがハッピーな関係を維持するには必要な要素です。

一度火が付くたびにカッカとしたり、不機嫌になって口喧嘩になるのか、それとも自分の殻にひきこもって相手を無視するのか、ずっとその気持ちを見せずに溜め込んでしまい、あるきっかけで大爆発するのか……。

喧嘩になるパターンに気づいていますか?

交際期間がある程度長くなると、喧嘩になるきっかけには、いくつかのパターンが見えてくるはず。

本来はお互いに愛し合って、ハッピーでいられることを大切にしているはずのふたり。ですが、あるきっかけで攻撃的な態度になってしまう大きな理由として、「お互いに心の余裕がないから」ということが考えられます。

例えば、私と夫の間では、私の方がより言葉に敏感であるという特性があります。

彼が何気なく口にした一言を聞き逃さず、「それってどういう意味?」と聞く……ここまではいいのですが、その聞き方が、純粋な好奇心だということがわかるニュートラルな声音ではなく、明らかに「気に入らない」とか「説明してよ」というニュアンスを伴うトーンである場合は、相手もそれに反応して一気に防御のシールドを張ってしまう、というパターンに。

私に余裕があれば、あれ? と思っても、落ち着いて、「彼はわざと人を嫌な気持ちにさせることを言う人ではない」ということに立ち返り、ニュートラルな尋ね方ができたかもしれません。

また、彼にも余裕があれば、私の質問の声音から「今のはまずかったかな」と気づき、防御のシールドを張るかわりに、歩み寄る態度で穏やかに接するという対応もあり得ます。

とくに、ワーキングカップルで普段からコミュニケーションの時間がとれていなかったり、どちらかあるいは、両方がオーバーワーク気味で、セルフケアをする余裕もなかったりすると、ふたりの間に殺伐とした空気が漂ってくることもよくあります。

喧嘩が始まるきっかけについて意識することは、対応策を立てる意味でも大いに役立ちます。

喧嘩のきっかけと、その根っこにあるもの

さらに深堀りしていくと、喧嘩のきっかけと、喧嘩の根本的な原因はイコールではないということがわかります。

わたしと夫の会話から喧嘩に発展するパターンでも、直接のきっかけは彼が何気なく発した言葉ですが、その根底にあるものは、わたしの「自分ばかり大変な思いをしている」という被害者意識だったり、相手の「わかってもらえていない」「感謝されていない」という満たされない承認欲求だったりします。

また、自分の中にモヤモヤしたものを抱えていた場合、それをパートナーにぶつける口実を探してしまい、相手のちょっとした言動をそのトリガーにしようとするケースもあります。無意識のうちに「攻撃されたので反撃してOK」という言い訳、自分を納得させるためのきっかけを探しているのです。

結婚して最初の1年は、蜜月期でありつつも、喧嘩が多い年でもあります。これは、ふたりがパートナーシップを築いていくにあたって、お互いを深く知り合うプロセスの副産物でもあるのです。

そのときに、喧嘩の直接的なきっかけだけに着目するのではなく、もっと深い根っこの部分にあるものに興味を持つことで、お互いの理解が深まるでしょう。

喧嘩の終わり方に満足していますか

私たちが受けたプレマリッジ・セミナーで使用した質問リストの中に、「喧嘩の終わり方に満足していますか」というものがありました。

それまで、喧嘩の終わり方について考えたことがなかったので、面白い質問だな、と思ったのを覚えています。

そして、7年ほどカップルのご相談を受けてきたわたしの経験からいうと、「カップルの関係がうまくいっているのか?」は、喧嘩という現象の有無よりも、その喧嘩の中身によって測られるのではという気がしています

日本人同士のカップルでよく見られるのが、表面的には穏やかな関係だけれども、実際にはふたりとも言いたいことを言えずに、腹に溜めたまま過ごしているというケース。

「妻から突然離婚を切り出される」という話もよく耳にしますが、これも、長年のうちに溜め込んだ不満がそんな形で現れるということではないでしょうか。

表面的なぶつかり合いがないまま、本音で付き合わずに時間が過ぎていき、関係が破綻するよりは、お互いに言いたいことを表現して、喧嘩になってもそこからまたひとつ相手について理解を深めていく……その積み重ねこそが、ハッピーに長続きする秘訣でしょう。

そのためにも、喧嘩の終わり方についてお互いに納得しているのかは大事な視点です。

必要なのは、探求マインド

「できるだけ喧嘩をしないでうまく付き合う」のも大事かもしれませんが、とくに最初のうちは、できれば正直にお互いを見せ合って、「どうやってハッピーに共存していけるか一緒に考えよう」という姿勢でいるほうが、長期的に良好な関係を築けるのではと考えています。

そうした切磋琢磨の先にあるものが、「お互いを知り尽くしていて、もう喧嘩をする必要もなくなったパートナーシップ」なのかもしれません。

そこに行き着くためにも、新婚当初から喧嘩をするたびに、あたかもプロのスポーツチームが試合後に自分たちのプレーを分析するように、振り返ってデータをとるといいのではないかなという気がします。

喧嘩が終わり、お互いに十分落ち着いたときに、まず自分ひとりで振り返ってみましょう。自分のどういった心持ちが喧嘩という選択に加担したのか、相手にどう応えてほしかったのか……。

これらのことから見えてくる、そのときは自分でも気づかなかった気持ちなど、思いつくままにノートに書き出してもよいでしょう。

パートナーも別途、自分で振り返りをして、ふたりで一緒に話し合うことができればベストですが、もし相手がやってくれないとしても、自分ひとりで探求していき、データを集めることは、後々非常に役に立つでしょう。

お互いに「もうわかった」と思っていても、人間は日々成長し、変化していきます。

また、ライフステージにあわせて、家族の中の役割や人間関係も変わっていきます。

ですが、相手のこと、そして自分のことを学び続けようという探求マインドがあれば、時間とともに喧嘩のスキルも上がり、パートナーシップを進化させるきっかけにすることができるはずです。


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塚越 悦子

カップル&ファミリーコーチ。好きな人と結婚して、結婚した人を好きでいる方法を日夜研究中。 著書「国際結婚一年生」(主婦の友社)、訳書<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/prod...

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