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イライラしがちな人がラクに生きるためにすべきこと【カツセマサヒコ #7】

最近、多くのことにイライラしている人を見かける。怒らなければいけないシーンもあるけれど、もしも、それで疲れてしまうなら――もう少しラクになれるように責任の線引きをするべきなのかもしれない。ライターのカツセマサヒコさんが、生きていくうえで訪れるたくさんの喜びや悲しみにそっと寄り添うエッセイ、第7回。

イライラしがちな人がラクに生きるためにすべきこと【カツセマサヒコ #7】

多くのことにイライラしている人を見かける。

そのイライラは、彼氏にあてられたものだったり、
クライアントや上司にあてられたものだったり、
何とも言えない将来にあてられたものだったりする。

「もう少し、肩の力抜けば?」

フォローのつもりで声をかけようとすると、今にも噛みつかれそうな勢いで反発される。

怒ることは、必要なことだ。
正義の感情として、怒らなければならないときがある。
社会的立場上、怒らなければいけないシーンも、多々存在する。

怒りという感情をすぐに表に出せる人を、羨ましく思うときもある。
感情エネルギーが豊かな人に、どことなく惹かれる自分もいる。

でも、それで疲れてしまうなら、
怒る自分にすら嫌気がさすようなら、
ほんの少しだけラクになれるように、気持ちをやわらかくしたい。

多くの苛立ちは、“責任の線引き”から生まれているものだと思う。

「こうしてくれたらいいのに」
「こうだったらよかったのに」

相手や環境の責任で起きたミスやアクシデントに不快な思いをしては、苛立ちを募らせる。

現代社会は、別にこちらが望んでいなくたって、皆それぞれに役割を与えてくれる。

そして役割をこなしている限り、自然とうまく回っていくようにできている。

だけど、いま書いたように、人は時にミスをし、トラブルを犯す。

利己的な行動をとってしまう人もいれば、
無自覚に貴方を追いこむ人もいる。

悪質な環境が苦しめ、非情な人間関係が心を衰弱させることもある。


提案したいのは、いま起きているトラブルの責任を、相手のミスを、
できるかぎり自分で背負ってみることだ。

仕事仲間や恋人、家族が犯したミスと、
自分が飛び込んだ環境で起きたネガティブな出来事を、
一度自分の問題だと考えてみる。


「環境や、誰かのせいにしない。すべての責任は、自分にある」


見方によっては、残酷な言い方だし、捉え方次第では、怒る以上に疲れる。
でも、人のせいにしないからこそ見える脱出口があるし、それが自分の気持ちを穏やかにさせてくれる。

選んだ道も、付き合った人も、入社した職場も、すべて自分で選択したこと。
だとしたら、その中で起きるすべてのことも、自分の責任の範囲。
そこで自分のベストを尽くすことだけを考える。

それだけで、他人のミスや環境の悪化に対して、
少しだけ、寛容になれる。

自分ができうる範囲の行動をとることに、注力できる。

すべての責任を自分に置いて、
それまで当たり前だったことが、
ありがたいことに思えてきたら、
世の中が少しマシに見えてくる。

あなたの必要以上の怒りや悲しみが、必要最低限のものとなりますように。

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カツセ マサヒコ

下北沢のライター・編集者。書く・話す・企画することを中心に活動中。
趣味はツイッターとスマホの充電。

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