化粧品の場合も、私は2年に1回のタイミングで「アップデート」を行っています。ファンデーション・アイシャドウ・口紅といったメイクアップアイテムを見直して、今の気分に合っていないものは、思いきって整理。
パッと見は同じような色でも、新しいものをつけてみると違うのは「質感」。ファンデーションのツヤ感、アイシャドウのパール感、口紅の発色……こうした、新しい質感が「今っぽい顔」を作ってくれるわけです。
(25ページより引用)
『大人美容 始めること、やめること』に学ぶ大人のきれい習慣【積読を崩す夜#6】
連載【積読を崩す夜】6回目は、『大人美容 始めること、やめること』(著:地曳いく子、山本浩未)をご紹介します。40代から変わる、今の自分に合うきれいとは、一体どういうものなのか。大人のきれいはやったもの勝ち、でも何をどう始めて、何をやめればよいのでしょうか。大人のための美容習慣を学べる一冊です。
積んであるあの本が、私を待っている……。少し早く帰れそうな夜、DRESS世代に、じっくりと読み進めてほしい本をご紹介する連載【積読を崩す夜】。
6回目は、『大人美容 始めること、やめること』(著:地曳いく子、山本浩未)を取り上げます。
同じ化粧品、同じメイク法がなんだか急にしっくりこない……。おしゃれと美容のプロが、年齢と共に美しくなるハウツーを教えてくれます。
■『大人美容 始めること、やめること』で教わった、化粧品のルール
本の中には幾度となく、「アップデートがなにより大切」と説かれています。ベーシックなメイク道具ほど、素人には変化がぱっと見たところ、わかりにくいものです。
たとえば、使い慣れたシックなチーク、パールのアイシャドウ。店頭に並んでいるものと自分の手元にあるものは、ほとんど同じように見えますが、実際につけてみると何か違って見えるから不思議です。
たしかに、筆者自身も美容部員の方に、「同じカラーでも、毎年買い替えたほうがよいですよ」と、薦められたことがあります。その年の流行は微妙に違うもの。
お気に入りだからといって、同じアイテムを使い続けていたら、どうなってしまうのでしょうか……。「質感」が古いと、どことなく古い顔になってしまうということは、たしかに納得できるところです。
また、化粧品には流行のほかにも、使用期限というタイムリミットもあるといいます。マスカラも開封してしばらくすると、何やら質感に変化が出てきます。肌にのせるものは、いろいろな意味で新鮮であることは大切でしょう。
自分が気に入っていて、ポリシーのある色使いをしていたとしても、プロの意見を聞きながら、定期的にアップデートすること。これこそが、大人が始めることであり、やめることの第一歩かもしれません。
■「ひと手間」を習慣にする洗面台置き
「よし、今日からお手入れひと手間を頑張ろう!」と決心しても、それを忘れてしまっては意味がありませんよね。
私はいつも、まつ毛美容液を塗るのを忘れていたので、洗面台の歯ブラシ置き場に置いて、朝晩歯を磨くついでに塗るようにしました。2ヶ月もするとちゃんと生えてきて、「やっぱり続ければ効果があるんだ!」と感動。以来、ハンドクリームなど習慣づけたい基本アイテムは、全部洗面台に置いています。
習慣にしたほうがいいものは、置き場所を工夫すると忘れにくく、面倒にもなりません。
(30ページより引用)
毎日忙しいと、必要最低限のお手入れをしたら、早く寝てしまいたいと思うところです。しかし、行動の動線上にお手入れグッズを置いておけば、自分にも負担なく継続できそうです。
たしかに、手がきれいな人に聞いてみると、だいたい「特別なことはしていないけれど、ハンドクリームを水回りに1本置くようにしている」と答えてくれます。
それ以来、筆者もキッチンと洗面台には置くようにしています。また、基礎化粧品でケアしたついでに、手の甲にも残った化粧品を擦り込んでいる、とか。
洗顔後に化粧水をつけ忘れることはなくても、プラスアルファのお手入れについては、つい手を抜いてしまいがち。今までは年齢が持つ力で何とかやってこられたのかもしれませんが、40~50代に向かっていくときには、ちょっとしたひと手間を習慣化していくことが大切なようです。
お金をかけたスペシャルケアを数カ月に1回どかんと施すよりも、毎日の積み重ねこそが効果を呼ぶこともあります。
どんなに忙しくても、これからの時間をより大切に、できるだけ美しく過ごすためにも、ひと手間を習慣化する「洗面台置き」は始めてみたいことのひとつです。
■「落とす・補う・守る」の基本を守るだけ
「落とす」は、クレンジング。メイクや角質など、役目の終わったもの・必要のなくなったものを落とすことが目的です。「キュッキュッとしないと落とした気がしない」という人も多いのですが、それは落としすぎ。なんといっても大人はドライフルーツですから、洗いすぎて乾かないように要注意。
「補う」は、落としたあとのお肌に潤いを与えること。水気が残っている肌にオイルを1滴なじませてから化粧水を入れるとよりしっとりします。
「守る」は、夜なら化粧水のあとにクリームで蓋をする、昼ならUVカットクリームで紫外線をガードすることです。
(132ページより引用)
落として補って守る。一通りの基本をきちんとして、少しでもきれいをアップデートできるのであれば、今日から早速実践したいものです。
そういう筆者も、30代会社員時代には、残業してやっとの思いで自宅に帰り、食事の準備や家のことをすべて終えると、疲れ果ててメイクを落とさないまま、ソファで寝落ちしてしまうことも、しばしばでした。
当時はあまりに忙しくて、買い物に行く時間もとれず、通販で買う気力すらないときも。そんなタイミングで乳液のストックを切らしてしまい、やむなくハンドクリームを顔に塗って代用したことも。ずいぶんと肌を酷使してきました。
そのツケを感じる今日この頃。だからこそ、洗いすぎて落としすぎないこと、その後に特別なアイテムではなかったとしても、きちんと補うこと。
やはり大人世代は、始めることとやめることをしっかりと見極めて、美容のスタイルを作っていくことが重要なのでしょう。
『大人美容 始めること、やめること』書籍情報
著者 地曳いく子さん、山本浩未さんプロフィール
地曳いく子さん
1959年生まれ、東京は築地出身の江戸っ子。ファッション誌のスタイリストとしてキャリア30年超を誇る。ファッション迷子になりがちな50歳からの着こなしについていち早く提言した書籍『50歳、おしゃれ元年。』(集英社)を皮切りに、「週2回は同じ服を着てもいい」「いろいろなテイストを着こなさなくてもいい」など、ファッション界のタブーに切り込んだ書籍『服を買うなら、捨てなさい』『着かた、生きかた』(ともに宝島社)が累計44万部を突破するなど、時代に新風をもたらす新しいおしゃれの切り口がつねに注目を集める。
山本浩未さん
1964年生まれ、広島県福山市出身。資生堂ビューティークリエーション研究所を経て独立。「今すぐ実践できるテクニック」を発信するヘアメイクアップの第一人者。明るいキャラクターと明快なメイク理論が人気となり、メイクアップや美容コラムの執筆など多数の連載を持つほか、テレビや講演会、トークショーでも活躍。化粧品や美容グッズの開発にも携わる。近年は、美容だけでなく健康的に美しく暮らすライフスタイルも提案し、世代を超えた女性たちの支持を集めている。