買い物は”心理的感覚”に騙されないで! お金のムダをなくす考え方
お金を使うとき「お得だな」とか「損だな」とか、無意識に感じていませんか。わしたちはお金についてどう考えているのでしょうか。お金に関する心のクセを紹介します。
合理的に生きられたら、お金もムダ遣いしなくていいし、いつでも最高の買い物ができると思いませんか? わたしたちには、お金に対していくつか心のクセがあることがわかっています。
今回は、心のクセを知って、お金と賢く向き合う方法をご紹介します。
■「損する」は心を傷つける
人は可能な限り、リスクを避けようとする性質があります。損をしたくないという気持ちを皆が抱えているのです。
「得」をするのは当たり前。「損」したら2倍傷つく
「喜びは2倍、悲しみは半分に」なんてこともいいますが、お金の世界では「喜びは普通、悲しみは2倍」という話があります。
例えば、1万円をもらって得した満足感よりも、1万円を支払うことで失う気持ちの方が大きく感じます。お金をもらったときに得る満足感が「1」だとしたら、お金をなくしたときに失う苦痛は、満足感の2倍です。損失は、同じ規模の利益よりも重大に受け止めてしまうのです。
ちなみに、「無料」はお得でしょうか?
みなさん、無料は好きですか?
わたしたちは損をしたくないと考えるため、逆に損をしてしまうことがあります。
例えば、5000円以上購入で送料無料になる通販サイト。4500円のトップスだけがほしかったのに、送料無料をお得に感じ、ついつい違う商品も購入してしまったり……。
まとめ買いも要注意! 1足350円の靴下が、3足1000円になっていて、ついつい3足購入なんてこともありますよね。
得をしたと思っていても、実は損をしている……ということもあります。
■ついついやってしまう「払いすぎ」「買いすぎ」
手に入れたばかりのお金には「用途のラベル」は貼られていませんが、心の中で無意識に仕分けをします。私たちには「心の家計簿(メンタルアカウンティング)」が存在し、心がお金の使い方を認識する仕組みがあるのです。
「損したくない……」その気持ちが損をさせる
料金の支払いには、決まった金額を支払続ける「定額払い」と、都度サービスを利用して料金を支払う「都度払い」があります。わたしたちの心はどちらが好きだと思いますか?
答えは「定額払い」。人間の心は、1回ごとに料金を払うよりも、定額を支払い続ける方法を好むといわれています。
お金を払うと「お金使っちゃった……」とか、「貯金の残高が減ってしまった……」などのマイナスな気持ちが生まれ、心理的コストになります。つまり、都度支払いはお金を支払うだけではなく、その度に心理的コストも同時に発生しているのです。
定額払いを銀行預金の口座からの自動振替にすると、お金を支払う感覚が薄くなり心理的コストを感じにくくなります。月に1度通うかわからないスポーツクラブの月謝や定額動画サービスなど、使った分だけ支払った方がお得だったという経験はありませんか。
また、「一括払い」も心理的コストを支払いたくないために好まれる支払方法です。一括払いは心理的コストも1回だけ。都度支払いと比較すると、損した気持ちがが少ない分、一括払いを好みます。
たとえば、1回1万5000円のエステが10回12万円になるチケットがあるとします。たしかにこのチケットは金額的にサービス価格。
ですが、いざ通い始めると、本当は面倒なのに惰性で行くようになる。必要ないなと感じていたけど……という体験はありませんか?
一括払いを好み、よく考えもせずに支払ってしまったために、こうした損する選択をされる方は、少なくないと思います。
お金を支払うときは、「損をしたくない」という気持ちが根底にあることを自覚して、目先のマイナスな気持ちに惑わされないようにしましょう。
クレジットカードに、ご用心
クレジットカードで買いすぎてしまうのは、お金を支払っている感覚(=お金の損失感)が薄まり、”現金が減る”という不快な思いをする機会が少ないから。
さらに、クレジットカードを使っての買い物は、モノを購入したタイミングに対して、支払い時期が遅れるため、損失感を感じにくいのです。
逆に現金での買い物は、その都度お金が失われていくような感覚が生まれ、購買が慎重になる傾向に。クレジットカードでの買い物はこうした慎重さを減らしてしまうようです。
また、実際に現金が引き落とされるときには、他の商品の金額と混じってしまうので、「買いすぎちゃったな」という気持ちも薄れることに。
クレジットカードの使いすぎには注意し、現金ならその商品を買うかどうか、自分自身に確認をしてくださいね。
■心のクセを把握して、損しない行動を!
心は、損をすることに嫌悪感を抱く性質を持っています。心の損失をなるべく抑えたいがために、実際に支払っている金額が却って大きくなってしまうこともあります。
損をしたくないという特徴を生かした貯蓄方法は「先取り貯蓄」です。はじめから「お金がない」と心に認識させて無理なくお金を貯めましょう。
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