セックスは体じゃなく、心ですると満たされ続ける【AV男優しみけん】 2/2
――現在結婚の有無にかかわらず、パートナーとのセックスレスに悩む人は増えています。本書では「セックスレスは8割男性が原因」と書かれていましたが、具体的にどういう意図があって書かれたんでしょうか?
セックスレスって、古文書や平安時代の落書きに悩みが書かれているくらい、時代を超えた普遍的な問題です。人間の恋愛ホルモンは2〜3年で切れることがわかっているため、刺激を求めたセックスを続けていたら、いつか必ずレスになるといえます。
レスの8割が男性の原因と書いたのは、極端な話をすると、男は風俗店などで興奮を高めて、その場で射精せず自宅に帰れば、パートナーを気持ち良く抱けるはずです。「それくらい興奮と体が直結している男が、レスで悩むんじゃないよ!」って叱咤する意味もあり、8割と書きました。
――セックスは刺激や快感を求めてし続けると、いつかレスになるとのことですが、回避する方法にはどんなものがあるのでしょう?
セックスには、「体でおこなうセックス」と「心でおこなうセックス」があると思っています。体でおこなうセックスが、いわゆる興奮とか体の快楽だけを追求するセックスで、恋愛感情など勢いに任せてするものです。
でも、繰り返しになりますが、恋愛ホルモンは3年以内に切れる。切れたとき、体でおこなうセックスしかしてこないと、「あなたとのセックスはもう気持ち良くないし、ときめかない」となり、レスにつながります。
一方、心でおこなうセックスは、安心感や信頼関係を感じながらするセックスです。回数を重ねれば重ねるほど高まっていくセックスなので、ここに達すると心地良さを感じて、興奮はなくても満たされる状態が続きます。
■言葉を介さなくても心地良いセックスが理想
――カップルがお互いに「心でおこなうセックス」を追求すれば、幸せになれるだろうなと思いますが、体でおこなうセックスから心でおこなうセックスにスムーズに移行させるためには、どんなことを意識したら良いのでしょう?
ひとつは、普段からのコミュニケーション量や接触する頻度を増やすこと。レスのカップルに共通してあることですが、会う時間や会話の量、ちょっとしたスキンシップやお互いの見た目の劣化など、長く付き合った“ゆるみ”が必ずどこかに見られます。
なにも無理してベタベタしようとか、若作りして相手を誘おうと言いたいわけではないですが、心でおこなうセックスはお互いの歩み寄りが何より大切です。セックスで触れ合う前に、日常的な心の距離をきちんと近づけられているかを振り返ってみることが大切です。
もうひとつは、セックス中の主人公を自分ではなく相手にすること。例えば「〇〇してほしい」「××は良くない」など自分本意な希望を叶えるためにセックスをしていたら、心でおこなうセックスはできません。
相手の幸せや快感を喜び、次は何をしたらもっと喜ぶか? という相手が主人公の発想でお互いがセックスをすれば、心でおこなうセックスは成立します。
セックスってコンセントと一緒なんです。国によってアタッチメントが違うから、どうがんばっても解決できないときがある。そのアタッチメントの役割を、僕の本が担えたらいいなと思っています。
理想を言えば、言葉を使わなくてもセックス中の意思疎通ができること。シックスセンスならぬ“セックスセンス”を鍛え、満たされるセックスを手に入れてほしいです。
(後編へつづく)
しみけんさんプロフィール
AV男優。1979年9月1日、千葉県生まれ。2017年現在、男優歴19年、経験人数9000人、年間約500本の作品に出演する、正真正銘のトップ男優。他を圧倒する知識と経験で、女優からの信頼も厚い。クイズ好きとしても知られており、「地下クイズ王決定戦!!」(BSスカパー「BAZOOKA!!!」)では2連覇を達成。著書に『AV男優しみけん 光輝くクズでありたい』(扶桑社)など。BSスカパー! オリジナル連続ドラマ「マグマイザー」(水曜・後9時10分、全5回)に出演中。Twitter(@avshimiken)
『SHIMIKEN's BEST SEX 最高のセックス集中講義』書籍情報
Text/おおしまりえ
※ この記事は2017年6月5日に公開されたものです。
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