こじらせた大人たちへ、「曲がっていくのは個性」だと捉えよう

こじらせた大人たちへ、「曲がっていくのは個性」だと捉えよう

こじらせた人は多い、というより、皆何かしらこじらせて、それでも生きている。それを見ていると、ずっと真っ直ぐ育っていける人なんて、いないと思う。真っ直ぐ伸びているつもりでも、気づけば曲がっている。曲がるのも個性だし、曲がりながら伸びることもまた成長だ。


小さな女の子が庭の端っこにお花の種を植えました。

「大きくなあれ、まっすぐ伸びろぉ」

芽を出した花は女の子の言葉を素直に聞いているかのように、まっすぐ真っ直ぐ伸びていきます。
でも、つぼみをつけたころ、真っ直ぐ伸びていたはずの花はゆっくりと頭をもたげて茎は軽く曲がってしまいました。

女の子は言います。

「どうして真っ直ぐ伸びてくれないの? 美しくないし、こんな曲がったお花はいらないわ」

そうして女の子は毎日の水やりもやめ、二度とお花のところには行きませんでした。

■成長の過程で少しずつ曲がっていく私たち

花の種類によっていろいろあるのだろうけれど、真っ直ぐ伸びていた花でも、つぼみができると少し頭をもたげる。花が大きく、美しいものほどそうだ。ふと、人間と一緒だなあ、と思った。

子どものころは欲望に忠実で、嫌なものは嫌、好きなものは好き、と主張する。自分の主張が通らなければ泣きながら地団駄踏むことだってある。とても素直である意味「真っ直ぐ」だ。

しかし、年を重ねていくと、「ここでワガママを言ってはいけないんだ」「空気を読んで、みんなと同じようにしなくっちゃ」……そんなことを考えて、右倣え。

気がつけば周りと同じような格好、姿勢で歩いている。学校ってきっとそういう場所なんだろう。でも、大人になるためには必要なステップ、シーン。

しかし、学校を卒業すると、また新しい環境で右へ倣え。真っ直ぐ伸びていたはずの「わたし」はあっちへこっちへと方向を変えつつ、でも自分では真っ直ぐなつもりで伸びていく。

曲がっていくのは悪いことではない。ただ、昔一緒に真っ直ぐだった「あの子」は、隣にいる「あの子」の曲がり方が気に入らない、という感情が生まれ始めるだけだ。

■「あの子変わったなあ」と反発してしまう

人は変わる。それが自分の気に食わない変わり方だと、どうしても反発が生まれる。

「昔はあんな子じゃなかった」

そう言って距離を置く。自分だって、「昔はあんな子じゃなかった」と言われているのも気づかずに。

でも、何年も何十年も変わらないままの人間なんているのだろうか。

育ってきた環境が違えば性格も異なる。生活するシーンによって、また性格は変わっていく。それを思っている以上に許容できない。私が好きだったあの子はどこへ、と昔の幻影を求めて関係をこじらせていく。

■少なからず曲がっていて、こじらせた人たち。皆、同じだ

年をとれば、みんな少なからずこじらせる。

「彼女は○○を持っているのにどうして私は持っていないんだろう」

そんなものだらけだ。今の社会で過ごす女性は、それだけ多様化しているんだろうなあ、と思う。いや、もともと多様だったものが今は顕著に現れるようになっているのか。

周りの人が、「思っていたような人ではなかったんだ」といつの間にか変わってしまったとしても、「もう会いに行くのやーめた」とならないでほしい。

少し距離を置くのもありだけれど、「会話」という栄養を与え合うことによって、少しは同じ方向に成長できるようになるかもしれない。

真っ直ぐ、真っ直ぐ伸びろ、伸びなきゃもう構ってやらないんだから。

そんなふうに個性を潰してそっぽを向くのだとしたら、あまりにも愛がなさすぎるのではないだろうか。

この記事のライター

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

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