革製品の手入れ方法は“少数精鋭”で生きたい人こそ知っておきたい
革製品はきちんと手入れをしておけば、10年と言わず15年、20年と使い続けられるアイテム。少数精鋭のアイテムで過ごしたい人こそ、革製品の手入れ方法を知って、日々こまめにメンテナンスすべきなのでしょう。革製品のお手入れの大切さについて考えます。
先日テレビでとある靴職人の方が、いい製品を選び正しいお手入れをすれば、靴は一生ものとして使える、と話していました。
トレンドの移り変わりが激しく、好みも体型も変化する中、ずっと使い続けるのは難しい洋服や消耗の激しいランジェリーなどと比べると、定番デザインの靴は確かに長く使えるアイテムです。
そういえば、と、日頃からマメに靴の手入れをしていた上に、お気に入りの靴磨き職人さんを持っていた徹底的にお洒落な先輩を思い出す。
「あの人じゃないと仕上がりが全然違う」
先輩は靴磨きをした日にいつもそう言っていたけれど、頻繁に靴の手入れをしなかった当時の私にはその技のすごさがよくわかりませんでした。
■靴のプロの言葉に胸が痛む
数年前、長年愛用しているお気に入りのブーツを修理に出したときのこと。お店の方から、「このブーツ、この冬あたりが最後になるかもしれないね」と言われてしまいました。
その時点で既に購入から10年以上が経過していた黒のロングブーツ。使用期間から考えればそろそろ捨て時、となっても仕方ないのかもしれませんが、もしも私があの先輩のように常にきちんとお手入れをしていれば、10年と言わず15年、20年と使い続けられたのではと考えました。
「作りもしっかりしているし、すごくいいブーツなのに、使い方がちょっと惜しかったですね」。雑に酷使されたブーツを憐れむような靴のプロのつぶやきに、胸が痛む。
私は洋服や鞄などのファッションアイテムは新しいものをどんどん買い換えるのではなく、気に入ったものを長く持ち続けたいとタイプです。とにかく新しいものをたくさん買いたい、持ちたいというよりも、少数精鋭のお気に入りで日々やりくりしたい。
よって、長く使えるものを選ぶスタイルが合っていると思います。
なんて言うと物をとても丁寧に扱い、大切にしているようですが、残念なことに若い頃は服や靴の本格的なお手入れにまではあまり気が回りませんでした。
■革製品の手入れ方法、知っておけば良かった……
思い返せばこのブーツだけでなく、もう履きつぶしてしまった靴や鞄などの革製品、洋服ももっときちんとお手入れしていれば今も現役だったかも、と考えられるアイテムは数知れず。
もちろん、靴や鞄などの革製品のお手入れの重要性について、昨日今日知ったわけではありません。けれど、気に入ったモノを長く使うという感覚やその「長さ」が、若い頃の自分には現実のものとして実感できなかったのでしょう。
何しろ、自分が40代になることすら想像できなかったし、根本的な好みが変わらないなんて思いもしなかったのだから。
これはお気に入り!と言いつつ使うだけ使って長持ちさせるケアを怠った過去の自分を、今となってはただただ反省するばかりです。
件のブーツは、まだ捨てていません。
もう革の表面にヒビが入りそうですし、今さら念入りにお手入れをしたところで時既に遅し。けれど、気に入っていたくせに、これまで手をかけられなかったことを詫びつつ、この春もクローゼットにしまいました。
次の冬にも、どうかもう一度履かせてほしいと願いながら。