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「自分の魅力」を想像してもらうための広報-株式会社ワコール 鳥屋尾優子さん【大人のキャリア】

創業70周年を迎えた株式会社ワコールが昨年オープンした「美的好奇心をあそぶ、みらいの学び場」。ワコールスタディホール京都の館長・プロデューサーを務める広報・宣伝部の鳥屋尾優子さんは、2児の母、大学生、空手道2段という多様な顔を持つ。仕事もプライベートも進化し続けている鳥屋尾さんのキャリアについて伺いました。

「自分の魅力」を想像してもらうための広報-株式会社ワコール 鳥屋尾優子さん【大人のキャリア】

――これまでの経歴を教えてください。

新卒でワコールに入社し、経理財務部で財務を担当していました。その後広報を担当する部署に異動し、ワコールニュースというお得意様向け月刊誌の編集を6年ほど経験。

出産を機に育休を1年間取得し、復職後は社内報の編集・制作に携わりました。
7年後、第二子出産のため再度育休を取得、その後はIR広報室で主にマスコミ対応を担当し、現在は広報・宣伝部でワコールスタディホール(以下、スタディホール)のプロデューサーとして企画・編集・運営などホール運営のすべてに関わっています。

■仕事を続けていく中で「情報」が繋がっていく面白さ

――2回の育休を経て復職、当時はどんな想いでしたか?

仕事をしないという選択肢は子供が産まれる前からないので、どうやったら続けられるかと考えていました。出産前から保育園探しを始めていましたね。

ただ、私が1回目の育休を取得した時には社内でも育休を取って復帰する人は今ほど多くなく、正直不安もありましたが助けも多かったです。

職場の先輩や仲間など周りの方の支えがあって無事に仕事に戻ることができました。今は会社の環境もさらに整い、女性のライフイベントにあわせた働き方ができる会社だと思っています。

――広報部署でのご経験が長いとのことですが、具体的にどんなことをされてきたのですか?
 
マスコミ広報や宣伝、PR誌社内報の編集など様々なことに関わる機会に恵まれていました。社内報を担当した時には、海外子会社の取材を通して世界で働く仲間との交流も生まれました。

海外でも生きているワコールの経営理念を肌で感じることができたり、物づくりの現場の取材、ワコールの物づくりにたずさわるメンバーが、商品をどのような想いで誕生させどのように市場に打って出たのか、という経営理念の一端が垣間見れるようなエピソードをドキュメンタリー仕立てにして編集したりしました。

単なる情報発信ではなく、読み手が何か気付きを得たり、次の行動への動機づけになるようなものを作るため試行錯誤する中で、文脈を作ることや編集の面白さを覚えましたね。
 
――鳥屋尾さんにとって広報の仕事の魅力とはなんでしたか?
 
同じことを説明するにも何に価値を感じるかは人それぞれですよね。

物事を多角的にみてこちらが伝えたいことを相手にあわせて表現することを一つひとつ実践していくと、伝えられる表現の手法の幅がどんどん広がったことが楽しかったです。

ものの捉え方自体も変わったように思います。広報でずっと編集の仕事をしているうちに、点として捉えていた情報が繋がって線のようになって、次第に線が面のように広がって、今は立体的に捉えられるようになってきました。これは概念的な話ですが、必要なアウトプットによって自分の中で情報を整理し体系化するというイメージです。

■学びとアウトプットを続けることで進化していく

――仕事の中から多くの学びを得ている鳥屋尾さんですが、人として進化するために続けていることはありますか?

学び続けることとそれをアウトプットすることです。

仕事を通じて学んだことはもちろんたくさんありますが、今、改めて大学でも勉強しています。
2年ほど前はワークショップについて学び、今は京都造形芸術大学に入学し、京都の歴史や和の伝統文化について学んでいます。

勉強したことは、家で家族に話したり、メンバーとの新カリキュラムの企画・会議の場で積極的にアウトプットしています。

――大学に行こうと思ったきっかけは?

ワークショップデザインを学ぼうとしたのは、現在プロデューサーを務めるスタディホールでワークショップを開催するにあたって、運営側にもワークショップとは?を理解している人が必要だろうと思ったからです。当初はまさか私が責任者になるとは思っていなかったのですが……。

京都の歴史や和の伝統文化についても、スタディホールのカリキュラムやその他企画の中に京都を題材にしたものが多くあるので、自分でももっと体系的に学ぼうと思ったのがきっかけです。

ここでは、情報インプットだけでなく、情報を点から立体に進化させる方法、体系立ててアウトプットする方法も学びたいと思っています。

――ただでさえスタディホールという新規事業でお忙しい中、さらに大学に通うとなると、とても忙しいですね。どうしてそこまで?

仕事って学校のように進級や卒業が無く、自分の成長をしっかり確かめられる一定のサイクルって作りにくいと感じた時期があったからです。

そこで、目に見えて成長が確かめられる環境に自分を置きたくて。それに何より仕事・プライベート関係なく自己成長を感じられるってとても楽しいことだし、とても豊かなことだと感じています。
空手にも通っているのは、空手も私にとっては日々成長を実感できるものとして大切にしていることのひとつです。

■美しい関係をみらいに向けて紡いでいく

――ワコールスタディホール京都はどんな場所なのですか?

ワコールスタディホール京都は、ワコールが創業70周年を迎えた去年2016年に生まれた「美的好奇心をあそぶ、みらいの学び場」です。

ワコールは、女性が美しくいられること、女性が美しくありたいと想う願いを謳歌できる時代こそ平和な社会であると考えています。「美」=良いもの、という捉え方ではなく、女性が美しくありたいと思う気持ちそのものを応援したいということです。
スタディホールは、スクール、ライブラリー、コワーキングスペース、ギャラリーなど様々な角度から「美」を収集し「学び」を通じて女性の好奇心を満たし、美しいかたち、美しい生き方、美しい関係をみらいに向けて紡いでいく場なんです。

――今後の目標はありますか?

「美」への学びを深めることができるこのスタディホールでコミュニティを作ってワコールと関わる人を増やしていきたいと考えています。最近はワークショップの参加者の方と一緒に行うコラボ企画なども考えていて、これからがますます楽しみです。

最良の仕事をするために努力を惜しまない鳥屋尾さん、これまで関わってきた仕事は、広報、宣伝、広告制作、経理財務、編集など多岐にわたるが、そのすべてが今の仕事に役立っており、何一つ無駄なことは無かったという。

多様な人や情報が集まるスタディホールの運営はまさに全てが編集作業。鳥屋尾さん自身の豊富な経験に新たな学びが加わり、かけがえのない場所として編集されていくのだと感じた。

協力/ワコールスタディホール京都(株式会社ワコール)

  http://www.wacoal.jp

Text/Mediajo(取材:ZENKUMI/ライター:NAHOMI)

  http://mesher.jp

MESHER.inc

ミーハーと私(ME)彼女(SHE・HER)を掛け合わせた造語で
ミーハーな女子ゴコロ=“女性の情報源”という意味を込めています

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