厚生年金保険料額表(平成28年10月分~)を掲載しました。|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/0921.html一般企業に勤めている人は、一番上の「一般及び坑内員・船員の被保険者の方(PDF 266KB)」に該当します。
社会保険料と残業には深い関わりがあります。所得税や住民税はコントロールできないけれど、残業するかしないかで年間数万円も変動する税金(社会保険料)のこと、改めて学んでおきましょう。
こんにちは! キャリアアドバイザーの筒井トモコです。
今回は、意外と知られていない「社会保険料」の落とし穴についてのお話です。気をつけないと、年間で数万円も差がつくことがあるので、注意が必要ですよ!
一般的に、給与からは毎月以下の税金が引かれます。
自分の給与明細でチェックしてみましょう。
・所得税
・住民税
・健康保険
・厚生年金(国民年金)
・雇用保険
・人によっては介護保険料
社会保険料とは、この中の「健康保険」「厚生年金(国民年金)」「雇用保険」「介護保険料」を指します。
社会保険料は給与額に比例して決まりますが、これを個別に計算するのは膨大な作業になります。そのため「標準報酬月額」という仕組みを使って、簡単に計算できるようにしています。
「標準報酬月額」とは、月額の給与を等級に分けて保険料を決めるための基準となるものです。職種によって、または毎月の残業手当やインセンティブなどによって、給与が一定でない人もいますよね。
だから、ある一定期間の平均給与額を出して、基準となる「標準報酬月額」を決めるというわけ。
年間給与を集計して平均を取るには時間がかかります。そのため、一般的な年度初めである4〜6月の3カ月の平均給与額をその年の「標準報酬月額」として定めることになっています(7月に決定し、同年9月〜翌年8月までの1年間は固定)。
ここで計算される金額には、給料だけでなく通勤手当や残業手当も含まれます。つまり、給与が翌月払いの会社であれば、3〜5月にたくさん残業してしまうと、その年の「標準報酬月額」が高くなってしまう可能性があるんです。
実際に例を挙げて説明しますね。
28歳で、通勤手当や残業手当を含む「標準報酬月額」が24万円の場合、
・厚生年金保険料は16等級=2万1818円
・健康保険料は19等級(協会けんぽ/東京都の場合)=1万1892円
となります。
40歳未満のため介護保険料はかからないので、月額の社会保険料は、
2万1818円+1万1892円=3万3710円/月
です。年間だと約40万円(40万4520円)ですね。
仮にこの人が3〜5月に4万円分の残業をしたとしましょう。
そうすると、標準報酬月額は28万円になり、
・厚生年金保険料は18等級=2万5454円
・健康保険料は19等級(協会けんぽ/東京都の場合)=1万3874円
となります。
月額の社会保険料は、
2万5454円+1万3874円=3万9328円/月
年間約47万円(47万1936円)になってしまいます。
残業しなかった場合と比べ、約6.7万円(6万7416円)も多く払うことになってしまうんです……!
この残業が6月以降であれば元の等級のまま。そう考えると、3〜5月の残業は控えたほうが良いですよね。
厚生年金保険料額表(平成28年10月分~)を掲載しました。|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/0921.html一般企業に勤めている人は、一番上の「一般及び坑内員・船員の被保険者の方(PDF 266KB)」に該当します。
社会保険料の仕組みはざっくり理解いただけましたか?
とはいえ、3月は期末で忙しいし、4月は異動直後でバタバタ、5月はGWがあるから営業日数が少なくて、つい残業が増えてしまいますよね……。
けど、こういうときこそ逆に「業務効率を見直すチャンス!」と、ポジティブに捉えてみませんか? 「この書類、本当に必要なのかな?」「Excelでもっと簡単に計算できないかな?」などなど、工夫できることはあるはず。
たかが数万円、されど数万円。ちょっとした工夫で保険料を抑えることができるなら、やるに越したことはないですよね!
次回は、年収と手取り額の違いについて解説します。ではまた!