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SNSで「いい女に見せたい」心理がイタさを生む

SNSに「若い女の子と間違えられて怒っている」風の投稿をする女性がいる。その心理について考えてみたい。SNSを通じた自己表現は今やあたりまえの時代。どう見られたいか、見せたいか、は戦略的に考える必要がある。でもその見え方によっては、残念な自分を作ってしまうことになりかねない。

SNSで「いい女に見せたい」心理がイタさを生む

SNS(Twitter)を見ていると、会ったことがない人なのになんとなく、元から知っているような気になってくる。

何気ないつぶやきばかりでも、見ている側に情報が蓄積されていく。塵も積もれば山となるというやつだ。いつの間にかその人のパーソナリティが自分の中にできあがっている。

この人はタレントの○○さんが好きなんだな、好きな食べ物は○○なんだな、など些細なものから、私などは性格があまりよろしくないので、

「この人は人の悪口ばかりつぶやいてるな、ちゃんと『人のふり見てわがふり直せ』ができているのかな」とか「やたらとモテるアピールしているけれど、誰得なんだろうな」などと頭の端っこでぼんやり思うこともある。

■SNSで「若く見られて怒っている」女の心理

たまに「見られていることを意識しろ。他人が不快になるようなことを投稿するな」という発言を目にする。

Twitterなどは見るも見ないも自由、どちらかという人のつぶやきをわざわざ「見にいっている」のだから、そんな非難もナンセンスだなあ、という気がする(もちろん、常識の範囲内のマナーやモラルは守るべきだが)。

それでもやっぱり、人間だから、眺めていてモヤッとする発言というのはある。私の場合、「若い女の子と間違えられて憤っている」というのを見ると非常にモヤる。

スーパーやコンビニなどでお酒を買うと年齢確認をされる場合がある。

私自身もコンビニで働いていたことがあったので、若干この人微妙だな……というときは確認するようにしていた。主観で申し訳ないが、確認する相手は女性が多かった気がする。

それはおそらくメイクのせいで、若い子でもメイクで大人っぽく見えるし、20代~30代ぐらいの女性がすっぴんで来たりすると「んん?」と混乱する。

それぐらいの年齢の女性は外に出るときにメイクをしていて当然、という考え方も偏っているのだろうけど。

なので、顔見知りの女性が「若く見られて怒っている」のをSNSで見かけると、勝手ながら「それってあなたが適当な格好をして出かけたからでは?」と思ってしまう。

そもそも、若く見られたことに憤り、投稿するのは何のためなんだろう? それも何度も。

「でも実際に若く見えるからねー」とか「いつまでも間違えられるのうらやましい」と言われるのを期待しているのだろうか。

■「こう見られたい」下心が透けて見えるとモヤッとする

SNSは人から見られている意識があるから、それなりに投稿内容にも注意を払う。

注意しすぎて、「どう見られたいか」という下心があからさまに透けて見える場合もある。でも、自己演出ってそれぐらい過剰でもいいのかな、と思わなくもない。

それなら何が見る者をモヤッとさせるのかというと、投稿している本人のスタンスなのではないだろうか。

たとえば、あざとい投稿を目にしたとする。その投稿者のスタンスが「私、あざといですけど何か?」「あざといってなぁに? 私そういうのわかんなぁい!」のどちらかだとすると、私は断然前者のほうに好感を持つ。

「若く見られたことに怒っている」投稿は、「私は若く見られたい、なんて思っていないのに、どうしたってそう見えるみたい。困っちゃうな」という心理があからさますぎるからモヤッとするのだろう。

■「いい女に見せたい」心理が、結果「いびつな女」を生む

SNS上で演じる、というのは実はリアルな世界より難しい気がする。

リアルな世界では、聞き流していた言葉でもSNSになれば、文字として捉えることができて、記憶にも残りやすい。自覚しているよりもはるかに、自分の心をネットでさらけ出しているのだ。

そのことに気づかなければ、いつまで経っても「いい女になりたくてもなれない、つまらない女だということを隠して気取っている女」のままだ。

それならいっそ、「私、つまらない女なんですけど、いい女になりたいんです」と開き直ったほうが、本当にいい女になれそうだ。

とはいえ、ちょっとミステリアスなほうが魅力的に見える、なんて言われることもある。本物のいい女は、SNSなんてやっていないのかもしれない。

ふくだ りょうこ

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

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