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春の訪れを告げるサン・マルコ教会の花祭り~ミラノ通信#7

今回はミサや結婚式だけでなくて、イタリアの教会で行われる花祭りについてミラノ在住の河見恵子さんにレポートしてもらいました。

春の訪れを告げるサン・マルコ教会の花祭り~ミラノ通信#7

イタリアの教会では、ミサや結婚式の他に、定期的にチャリティーイベントが開催されています。音楽会、植木と花の市が開催されることが多いのですが、今回はドゥオモからほど近いブレラ地区にあるサン・マルコ教会の春のイベントをご紹介しましょう。

カトリックのお膝元であるイタリアですが、日曜ごとにミサに通うのは今では友人たちの母親世代である60〜70代以上のシニアばかり、若い世代の教会離れが進んでいると聞きます。

結婚式は教会で挙げ、イベントには参加するけれど、どうやら昨今は普段の生活から少し遠ざかっているようです。初詣や祈願には行くけれど、普段はあまり神社に足を運ばない日本人と共通するものがあるような気がします。

■サン・マルコ教会で年2回開催される、花と緑があふれるチャリティーイベント「Floralia」

入口の広場には、春爛漫な色とりどりの花やグリーンが並びます。

サン・マルコ教会では年2回、春と秋に慈善のためのイベント「Floralia」が開かれます。

ミラノ市内では比較的大きなサン・マルコ教会ですが、イベント時には隣接される修道院だった建物の中庭も開放され、さらにゆったり広々とした雰囲気になります。

植物や花の他に、陶器や工芸品、手芸品などさまざまなものが並ぶ2日間は、散歩がてら買い物に訪れるミラネーゼで朝から夕刻まで賑わっています。

Salviaセージ、Timoタイム、Mentaミント、Maggioranaマジョラムなどのハーブ類。ひと鉢2〜4ユーロ。

春の開催日である3月の最終土曜日曜は、ちょうどサマータイムになるタイミング、日も長くなり、暖かな週末は絶好のお出かけ日和りです。

春の訪れとともに急に強くなった日差しを受けて、植物はよりいっそう色鮮やかに、生き生きと目に映り、マダムたちは購買欲をそそられるようです。

春から初夏のミラノ、快晴の日の日差しの強さは、3月でもサングラスがないと外出が厳しいくらい。街歩きしているだけでいつのまにか肌が黒くなってきて、長時間日を浴びていると日差しが目に刺さって痛いほどなのです。

この日も、ミラネーゼたちのサングラス着用率はかなりのものでした。

おしゃべりしながら、鉢植えや切り花を物色。犬の散歩がてら訪れる人も。

■個性豊かな器たちからお気に入りを探す楽しみ

植物ばかりでなく、植物モチーフの陶器も勢ぞろい。キャベツを形どったグリーンの大皿やアスパラガス用、オリーブ用など、カラフルでユニークな形の皿が積み上げられ、見る人の目を楽しませます。手描きの素朴な風合いの器は1枚1枚個性的なので、好みに合う1枚を探す楽しみは格別です。

ユニークで素朴な風合いのお皿。野菜モチーフのものが多く、春になると服も小物もお皿まで!? 明るい色を求めるイタリア人に密かな人気。

イタリアの青空市といえば、必ず食べ物も出店しています。イタリア全州で作られている地方色豊かなチーズにサラミ、ワインも用意されるので、買い物の合間に簡単な食事がわりとして利用する人、買い物後の癒しの1杯に利用する人、とさまざまです。

イタリアの青空市場には必ず軽食コーナーも。ワイン片手にチーズやサラミをつまむのがイタリア流。

■おしゃれさん必見。華やかでレガントなフラワーモチーフの帽子

食だけでなくファッション好きも満足する店もいろいろと出店しています。

マダムがデザインする帽子は、花が大きく、あるいはさりげなく飾られて、どれもとっても優雅な雰囲気。日差しの強い季節の街歩きも楽しくなりそう。

夏のリゾートに出かけたくなってしまうものばかりです。数年前に、真っ白いワンピースに合わせるイメージで、白のシフォン生地で花をあしらった麦わら帽子を購入、すっかり気に入って毎年活躍しています。

教会の花祭りでゲットした意外なものは、帽子だけではありません。
下のエプロンも友人とお揃いで購入しました。なかなか評判良いですよ。

フラワーイメージの帽子たち。どれもエレガントでフェミニン。赤い帽子のマダムがデザイナー。

チャリティーでハンドメイドのエプロンも発見。

■バラエティー豊かな店舗ばかり。掘り出し物が見つかるかも

教会の表広場は花や植物がメインですが、中庭の回廊には、手作りアクセサリーや雑貨、ヴィンテージのスカーフやバッグ、ラベンダーグッズ、オーガニック蜂蜜のお店など、バラエティーに富んだ店がずらりと並びます。その数、15〜20店舗くらいでしょうか。
このようなイベントでは、ミラノ近郊ばかりでなく、他の地方からも出店しているので、普段ミラノの街で見かけない素敵なものにも出会えます。

中庭をぐるりと囲む回廊、さまざまなお店をのんびり見て回る人々。

ドライラベンダーで作られたリース、ドライフルーツ、巨大シナモンはそのまま室内装飾に。良い香りがほのかに漂います。

普段は入れない修道院内の部屋では、陶器やカトラリー、キッチンまわりの雑貨、絵画、古着、ぬいぐるみなど、なんでもありのフリーマーケットが開催されていました。宗教画のかかる荘厳な部屋でのフリーマーケット、一見ミスマッチな感じですが、なかなか楽しめます。

教会内の部屋でフリーマーケット

■ミラノに来たら近くの教会を覗いてみて

こちらの「Floralia」、次回は9月の最終土曜日と日曜日です。

滞在中の部屋に小さな花を飾ったり、意外な掘り出し物を見つけたり。ミラノにいらっしゃる方は、一見の価値ありですよ。

他の教会でも、定期的に様々なイベントが開催されていることが多いイタリア。滞在する近所の教会をぜひ、覗いてみてくださいね。

<サン・マルコ教会>
Piazza San Marco,2
次回開催 9月23日、24日
10時から18時30分まで

河見 恵子

日本航空で15年間、国際線客室乗務員として勤務。退職後はミラノに居住し、東京と往復する生活。ミラノ・ブレラ地区を中心に、身近な情報をブログやFBで発信。ミラノでは在イタリア日本人のために料理教室をオーガナイズ、開催。ワイン好...

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