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頭皮のたるみは顔のたるみに……今日からやりたい美容師に聞く「頭皮ケア」

加齢による頭皮の変化のひとつに「たるみ」があります。頭皮も顔と同じようにたるみ対策をすることでエイジングケアに効果が期待できます。毎日手軽にできる頭皮ケアをご紹介します。

頭皮のたるみは顔のたるみに……今日からやりたい美容師に聞く「頭皮ケア」

■年齢を重ねると頭皮もたるむ?

人の肌は頭皮から顔まで1枚でつながっています。そのため、顔と同様に「頭皮のたるみ」も起こり、ほうれい線やシワなどができる間接的な理由のひとつになるわけです。

頭の皮膚の構造は顔と同じで、年をとるにつれて、頭皮内でバネのような役割をしているコラーゲン、エラスチンといった物質が変化し、筋力も低下していきます。筋肉は皮下脂肪の下にあり、働きが落ちると皮膚を支える力が弱まります。

これに伴って、頭皮のたるみが引き起こされるのです。

頭皮のたるみの主な原因

頭皮も顔と同じく内的、外的要因で衰え、ダメージを受けていきます。


1.加齢による頭皮の筋肉の衰え

2.頭皮の皮膚(真皮)の衰え

3.紫外線などによる肌の乾燥

4.血行が悪い、睡眠不足、過度なストレス

5.食生活の乱れやホルモンバランスの乱れ

などが挙げられます。 

 加齢による頭皮の筋肉の衰え

頭の筋肉はどういった構造になっているのでしょうか?

前頭筋、後頭筋、側頭筋という筋肉が頭部の周りについています。頭頂部に筋肉はなく、帽状腱膜という膜が覆っています。

前頭筋: 額から眉毛までを覆っている筋肉。

後頭筋: 側頭部から下顎の付け根までを覆っている筋肉。

側頭筋: 頭蓋骨と首の骨をつないでいる筋肉。

このような構造です。

これらの筋肉が衰えてくると、顔の筋肉を上に引き上げる力が低下し、垂れ下がってきます。
すると頭頂部の帽状腱膜が引っ張られて突っ張り、固くなり、上に引き上げる力がますます弱くなってしまいます。

筋肉が衰えることで、たるみが目立ってしまうのも、顔と同じ仕組みです。

 頭皮の皮膚(真皮)の衰え

前述の通り、肌の弾力、ハリの低下が顔のたるみの原因であることはよく知られていると思います。

頭皮のたるみも同じで、真皮や線維芽細胞が衰えると、コラーゲンやエラスチンが減少することが大きな原因です。

紫外線などによる肌の乾燥

紫外線UV-Aを浴びると真皮にあるエラスチン・コラーゲンが破壊され、お肌の弾力が失われてしまいます。

頭皮は、髪の毛で守られてはいますが、日焼け止めによるUVケアがしにくい部位なので、直接的な影響を受けてしまいます。

日焼けによって、ビタミンCが破壊されたり頭皮が乾燥したりすると、表皮のバリア機能が低下し、ターンオーバーの乱れも引き起こします。

「たかが紫外線」と侮ることなかれです。

血行が悪い、睡眠不足、過度なストレス

肌のターンオーバーは睡眠時に行われていますが、慢性的な睡眠不足はターンオーバーがスムーズに行われないばかりか、ホルモンバランスの乱れや不調も引き起こし、肌荒れの原因となります。

睡眠不足ではストレスも増えてしまいます。

その結果、体内で活性酸素が増え、肌の老化や頭皮のたるみのリスクとなるのです。

さらに、ストレスによってホルモンバランスが乱れると、皮脂が過剰分泌したり、毛穴が詰まりやすくなったりしてしまいます。

その結果、毛穴や頭皮がたるみ、髪が抜けやすくなったり、顔のたるみにつながってしまいます。

食生活の乱れやホルモンバランスの乱れ

日常生活においても注意が必要です。油分の多い食事やアルコールなどによって、頭皮の皮脂が過剰分泌されたまま蓄積していくと、徐々に肌は酸化して固くなっていきます。

突っ張って固くなった頭皮が、顔のたるみにつながるのは先ほどお伝えした通り。

規則正しい健康的な生活こそが、健康な頭皮を作る一番の近道です。

■頭皮のたるみの対策と予防

ここからは、頭皮のたるみの具体的な対策をご紹介します。

すでにたるみを実感している方も、予防したい方にも実践していただきたい対策です。

やっぱり基本は保湿!

皮膚のケアの基本となる保湿がやはり大切です。頭皮を乾燥させたままにしておくと、皮脂分泌が活発になり、酸化を早めてしまいます。

保湿で筋肉の衰えによるたるみは改善できませんが、たるみの予防策としては十分意味があります。

頭皮は顔の肌と同じ構造ですが、厚みや必要な成分が異なるため、頭皮専用の保湿アイテムを使いましょう。

コラーゲンやヒアルロン酸などの水溶性の保湿成分が配合されたローションによる保湿とホホバオイルオリーブオイルなどのオイルを使う方法もあります。

肌質は個人差があるため、まずはご自身の肌質を知ることが大切です。

<肌質チェックの方法>

洗髪後に8割程度乾かした後、生え際とつむじの2カ所にあぶらとり紙を置きます。

30分程であぶらとり紙に脂がついたら「脂性タイプ」、1時間くらいで脂がつく場合は「正常タイプ」、2時間以上経っても脂がつかないときは「乾燥タイプ」だと考えられるでしょう。

もしあなたが脂性タイプの場合は、しっかり頭皮を洗うことが重要ですが、洗いすぎると皮脂をより分泌させてしまう恐れがあるので、注意してください。

乾燥タイプの人は洗浄力がマイルドで、保湿力の高いシャンプーで洗髪し、血行を促すようにマッサージを取り入れ、頭皮に栄養が届くようにすることで、皮脂の分泌を促すのが良いでしょう。

紫外線は頭皮にも大敵!

紫外線対策は、たるみだけではなく、スキンケアやエイジングケアにも欠かせないですよね。

紫外線のピークは5月~9月で、午前10時~午後2時といわれていますが通年行うのが理想です。

紫外線量は晴天時の100%に対して、曇りの日でも60%程度受けているといわれます。どんな天候でも紫外線を甘く見てはいけません。

また、浴びてしまった紫外線に対してのアフターケアも重要です。

ビタミンA、C、Eを含む食べ物を進んで摂ったり、ビタミンA誘導体(レチノール、レチノイン酸トコフェリル)、ビタミンC誘導体、ビタミンE誘導体配合のエイジングケア化粧品を使ったりすると、肌の回復に必要な成分を効率良く取り込んでケアできます。

マッサージでたるみ対策!

「頭皮(血行促進)マッサージ」を行うことで、滞ったリンパや血行の流れを良くし、むくみをとって、頭皮の隅々に栄養分を運べるようになります!

頭皮マッサージ法を3つご紹介しましょう。

【目元のたるみに効果的なマッサージ】

頭と首の境目にある中央のくぼみを指圧します。

指の腹で1~3まで数えながら押します。

一番深いところで一旦押すのを止めて、ゆっくりと手を離していきます。じんわりと圧が離れるのがポイントです。

何回か繰り返すと頭への血流が良くなるのが実感できると思います。顔の上部に効果的な指圧になります。

【顔全体のたるみに効果的なマッサージ】

頭部全体をまんべんなく指圧して揉みほぐしましょう。摩擦ではなくもみほぐす意識で行います。

額と生え際の境目から頭頂部へと進みます。そして、頭頂部から首と頭の境目に進みます。

両手5本ずつの指の腹全体を使って、「痛気持ちいい」くらいの程良い指圧で押していきます。

【顔全体のリフトアップに効果的なマッサージ】

耳の裏側部分を指で指圧してみましょう。

指の腹で痛気持ちいい程度の強さで指圧し、上下にこすります。

最後には耳の上の側頭部へ斜めに引き上げていきましょう。

基本的には、額の生え際・首筋の生え際・頭頂部・耳の後ろをマッサージすることで血流が流れます。

入浴中やお風呂上りの体が温まって血流が促進されている時に行うとより効果的です。

【気になるたるみにリフトアップマッサージ】

約5分でできるマッサージをご紹介します。

朝昼晩と1日3回行うとより効果が期待できますが、朝晩でも1日1回でも構わないので、毎日できたら理想です! 肌を傷つけないように優しく行ってみてください。

鎖骨周りを指の腹で指圧(血流を改善します)
おでこを内側から外側に向かってクルクルと円を描くイメージでマッサージ
目と眉毛の間のくぼみを3箇所ずつ指圧
目の下のくま部分を外側へ向けてマッサージ
こめかみを指圧
鼻筋~小鼻を上下にこする
頬骨に沿って内側から外側へ向けてマッサージ
あごを掴みながら下~上へ向けてマッサージ
耳下のリンパを下へ向けて流す
鎖骨周りから再びリンパを流す
わきの下のリンパを少し指圧して滞った流れを促進する

■毎日の小さなケアが健康で美しい頭皮を生む

普段あまり意識をしていない頭皮のたるみが、実は顔のたるみにまで影響を及ぼしていること、頭皮のケアに注目する必要があること、知っていただけたでしょうか。

頭皮をケアすることで、生えてくる髪の毛もきれいになりますし、抜け毛予防にもつながります。

たるんできたかな……と思ったら、生活習慣を見直して、今からたるみ対策を実践すれば、たるみのない美しい頭皮、肌が手に入るのではないでしょうか。

毎日のエイジングケアの中にぜひ頭皮ケアを取り入れて、たるみに負けない美しさを保っていきましょう!

荒木 隆広

美容師。表参道NORAより20201月、NORA GINZAをOPEN 同代表。各種雑誌のヘアメイクやセミナー講師も行っている。

ゲスト一人一人の個性とライフスタイルに合わせたヘアスタイル提案、豊富な薬剤知識と経験、確かなカット技術で幅広い年齢層から支持を持つ似合わせ術の達人。

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