女性のお尻を叩く風習? チェコのイースターは独特
チェコのイースターは日本から見ると独特かもしれません。男性が鞭で女性のお尻を叩く風習があります。1年の健康や美を願い、また子宝に恵まれる、との言い伝えもありますが、正直痛い(笑)。そんなチェコのイースターの過ごし方と独特の風習を詳しくご紹介します。
春のイベントのひとつ、イースター。最近は日本でも身近になってきているでしょうか。
■イースター前、チェコでは窓掃除するのがお決まりに
もともとイースターは処刑されたキリストの復活を祝う、キリスト教における重要なお祭りとされています。過ごし方、風習は地域によってさまざまですが、チェコでは春の訪れを祝う日として、クリスマス同様に家族で集まって過ごす祝日になっています。
ただ、この祝日、毎年日付が変わります。チェコに来るまで馴染みがなかった私は、カレンダーでチェックしながら子供たちのお休みを確認するようになりました。土日をはさんで前後してやや長いお休みになります。
算出方法は、春分の日の後の最初の満月、そこから最初の日曜日です。今年は4月16日(日)で、
去年は3月27日(日)でした。
買い物やイースターエッグ・飾りの準備、家の掃除……に追われます。チェコではイースター前には窓掃除がお決まりで、何やら春めいてきて一気に忙しくなる時期でもあるのです。
■チェコならではのイースターには独特の習慣がある
あくまで私の感想ですが、チェコのイースターは女性にとってまあまあ大変です。
イースター翌日、月曜日はイースターマンデーといって、朝から男性は女性の家を回ります。子供から大人まで男性は柳の枝で編んだ鞭を持って、女性のお尻を叩くという風習があります。1年の健康や美を願い、また子宝に恵まれるといったことも言われています。
女性はお礼に鞭の先端に、準備しておいたリボンを結んであげます。さらにイースターエッグやチョコレートなどを渡し、成人男性にはお酒などをすすめ、おもてなしをします。
この日は色とりどりのリボンを付けた鞭を手に、男性が歩いている姿を目にします。
本来は有難い、また、年頃の子であれば好きな子の元へ行く、とも言われているので、人気のある女の子は朝から大忙しで嬉しい日なのかもしれません。
初めてこのチェコ独特のイースターを体験した当時は、「お尻をぶってくる相手をもてなすって、なんて損なんだろう」と感じていました。実際、痛いですし(笑)、3姉妹の家は先長く大変だなあと、この時期はよく思います。
■チェコで人気なのは「漢字ロゴ入り」イースターエッグ?
イースターの飾りのひとつ、イースターエッグ。美しい装飾をされた卵がこの時期には各所で目に入ります。私も、毎年どんな卵を作ろうかと子供たちと試行錯誤しています。いかにして簡単に仕上げてやろうかと(笑)。
この季節になると、お店では卵を装飾するための食物染料やシールなど、たくさんの便利なグッズも出ています。
子供達も毎年学校で作ってくるので、年々飾りが増えていき、今では私の素敵なコレクションになっています。もちろん中身は入っていないので、脆いのが残念な所ではあります。主人の子供の頃からの大切なコレクションは、3女によって粉々になってしまいましたから……。
卵の中身は事前に抜いて、学校へ持たせなければいけないのですが、これも最近ではお手の物になってきています。卵の上と下を先の鋭いもので小さな穴を開け、上からそっと息を吹きます。すると、スルッと下から中身が抜けていきます。穴が小さすぎると、時間もかかり酸欠状態になりかねません。
数年前、うちに来られたお友達から、卵に漢字で何か書いてほしいと頼まれました。細かい柄を描くのは時間がかかりますが、漢字とあらばお安い御用。サインペンでささっと書いただけですが、とても喜ばれました。学校で皆に見せるんだとか。
私からすると、こちらの伝統的な模様や柄、色使いなどは惚れ惚れするようなものですが、意外にもチェコでは漢字ロゴが人気のようでした。海外の方へイースターエッグをプレゼントする機会があれば、漢字を書いてみるのをおすすめします。
■チェコのおしゃれグルメ「オープンサンド」は花見にもおすすめ
最後に、オープンサンドの話題を少し。チェコではイースターにはもちろん、お祝いの席などでよく出されるのがオープンサンドです。
バゲットタイプのパンをスライスし、ディップの上にチーズやハムや野菜、ゆで卵のスライスなどを盛ったなかなかボリュームのあるオープンタイプのサンドです。
食べやすい一口タイプのものもあれば、配色の演出に凝ったもの、シュレッダーチーズを振りかけた盛り付けがなんともおしゃれなものなど、種類も多くオリジナリティあふれるものばかりです。
そんなチェコのオープンサンドは、手軽に小腹を満たしてくれる、おしゃれで素敵なメニューなので、お花見に持参してみては?