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大人こそ「恋に落ちるとき」の幸せを思い出したい

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「恋に落ちる」という言葉がある。恋に落ちるとき、気づくと相手を好きになっていた、夢中になっていた――そんな自分を発見する。「この人のことを好きになろう」と決めて、力づくで進める恋とは真逆の恋。大人になって、恋に落ちてますか?

大人こそ「恋に落ちるとき」の幸せを思い出したい

■恋は「好きになろう!」と思って始まるものなのか

テレビドラマから、「私、この人のこと好きになれそうな気がする。ううん、好きになる! 決めた!」というセリフが聞こえてハッと顔を上げた。

恋をしよう。相手を見つけよう。

誰がいいかな、探しに出かけて……よし、この人のことを好きになろう! ……って恋の始まり方ってこんな感じだったっけ?

■既婚の友人は皆、恋に落ちて「好きな人」と結婚した

結婚した友人たちに話を聞いてみるとさまざまなストーリーがある。人生いろいろというけれど、本当にそうだよなあ、としみじみする。

どちらも好きで選べなくて、三角関係の果てに1人を選んだ人。一目惚れした相手に猛アプローチをかけて恋を成就させた人。逆に猛アプローチをかけられて恋に落ちてしまった人。

共通点は「好きな人」と結婚したことだ。好きになるポイントはこれもまたそれぞれだろうけれど、「とりあえず、好きになろう!」と思って好きになるものなのだろうか。

恋って落ちるように始まるのが理想じゃないのか?

■年を重ねると、恋に落ちにくくなる?

「恋に落ちる」という言葉が好きだ。問答無用に引きずり込まれる感じ、世界がほんのりと色鮮やかになる感じ。いくつになっても情熱的な何かが始まりそうな気がしてドキドキする。

その人のことを考えただけで胸が詰まる。会えるとなったら、何日も前から肌の手入れを念入りにしたり、何を着ていこうかと悩み倒したりする。

あれ、この気持ちはなんだろう? もしかして、好き、という気持ちだろうか? ……そんなふうに、気づいたら始まっている恋のほうがきっといい。

でも、年を重ねてから落ちる恋は、落ちた先が泥沼ということもあり得る。相手に恋人や配偶者がいるかもしれないし、いずれ結婚をするのだとしたら、経済力などの現実的な要素も気になる。

高望みはしていないはずなのに、独り身であること、働いていること、という最低限の条件すら、満たされない場合もある。

だから、30代も半ばになると、恋をする相手と出会うのではなく、恋をする相手を探すようになるのだ。

■女が久しぶりに恋に落ちるとき

電車に乗っていたとき、女性に席を譲ったことがあった。70代くらいの方だろうか。

素人目に見ても良い着物を着ていらした。とても美しい。

つい、「素敵な着物ですね」と声をかけたら女性は嬉しそうにふふふっ、と笑った。

「これから、好きな人と会うからおめかししてきたの」

好きな人、という言葉に一瞬迷った。夫のことをそう言っているのか、何かのたとえなのか、息子とか孫とか。

どう反応したものかと、モゴモゴしていると、女性はゆったりと続けた。

「私より若い男性なんだけどね、この年になると年齢なんて気にしなくなるものねぇ。とても素敵な人なのよ。夫が亡くなってから、初めて恋をしたの」

女性はとてもはしゃいでいたのかもしれない。見ず知らずの、ただ席を譲っただけの私にそんな話をするなんて。

「楽しいデートになるといいですね」

そんな私に女性は微笑んだ。

「楽しいに決まってるわ。だって、好きな人とお出かけするんだから」

ああそうだった。好きな人とは一緒にいるだけで、楽しいことだった。忘れていた。

■がんばってする恋よりも、ただ恋に落ちるときのほうが幸せだ

10代の頃に恋を知って、20代で恋に泣くこともあったけど、やっと恋の仕方を知った。なのに、いろいろ知りすぎて素直に恋ができなくなった30代以降。

何も考えずに、ただ好きという気持ちだけで突き進むことに、恥ずかしさを感じるのかもしれない。障害もあるかもしれない。

おまけに、「そんな人、やめときなさいよ。ロクな人じゃないって」と物知り顔の友人たちに諭される。

それでも、恋をするのは自分だ。

好きになろうと努力して好きになった人と結婚して、もしうまくいかなかったとき、どう思うだろうか。自分の判断は間違っていたと後悔はしないだろうか。

失敗するのだとしても、仕方なくした恋よりも、何も考えずに落ちた恋のほうがいい。そんなことを言うのはあまりに夢見がち、と笑われてしまうのだろうか。

笑われてもいいじゃないか。恋をしている間、幸せだと思える時間が一瞬でもあるのなら。

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ふくだ りょうこ

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

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