17年上半期の最高傑作!?『ラ・ラ・ランド』を観るべき理由 - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#5
映画『ラ・ラ・ランド』がスゴいことになっています。第89回アカデミー賞に、今年〈史上最多タイ〉となる14部門でノミネートされ、大本命と言われているのが『ラ・ラ・ランド』。『セッション』デイミアン・チャゼル監督による最新作となる、極上のミュージカル・エンターテイメントです。
◼︎映画『ラ・ラ・ランド』が20年ぶりの快挙
本日、DRESS読者のみなさんにご紹介するのは、アカデミー賞〈史上最多タイ〉となる14部門にノミネートされているミュージカル作品『ラ・ラ・ランド』!
14部門ノミネートは、なんと1950年の『イヴの総て』、1997年の『タイタニック』以来3本目。実に20年ぶりの快挙となるだけに、2月26日の授賞式が大変楽しみな作品です。
作品賞の大本命と言われる本作。タイトルの「LA LA LAND」とは大きく3つの意味があります。1.ロサンゼルス、主にハリウッド地域の愛称、2.陶酔しハイになる状態を表す、3.夢の国とのこと。
観る人、観る人が、大絶賛している作品だけに、今年の上半期に何をおいてもまず一番にチェックしておくべき1本といえるでしょう。
◼︎弱冠32歳!デイミアン・チャゼル監督とはどんな人物?
本作『ラ・ラ・ランド』を撮ったデイミアン・チャゼル監督は、1985年、アメリカ、ロードアイランド州出身の弱冠32歳!
2014年にJ・K・シモンズが鬼教師を演じ、サンダンス映画祭やアカデミー賞を席巻した『セッション』で一躍時の人となったチャゼル監督ですが、その監督デビュー作は、名門ハーバード大学在学中に制作した1本のミュージカル映画でした。
監督3作目となる本作『ラ・ラ・ランド』で、デビュー作以来、ずっと実現させたかったミュージカル映画に再び挑戦したチャゼル監督。アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデン・グローブ賞では作品賞・監督賞・脚本賞など史上最多7部門を受賞しています。
今、ノリにノっている若手監督、それがデイミアン・チャゼル監督です。
■アカデミー賞席巻!『ラ・ラ・ランド』の見どころは?
本作の魅力は『雨に唄えば』、『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』、『バンドワゴン』、『ムーラン・ルージュ』など、クラシックなミュージカル映画へのオマージュを存分に捧げつつも、そこにポップで現代的なストーリーとキャラクターによる肉付けをしているところ。
オープニングナンバーの「Another Day of Sun」(名曲!)に合わせて、LAの渋滞中の高速道路で、車に乗っている人々が突然歌って踊り始めるというシーンから、これから始まる素敵な映画の予感にワクワクが止まりません!
そのほかにも、主人公の2人が高い丘の上で踊るシーン、プラネタリウムでワルツを踊るシーンなど、本作には極上の音楽とダンスに彩られた多数の見どころが盛りだくさんです。
■映画『ラ・ラ・ランド』の気になるストーリーは?
ミアとセバスチャン、最悪の出会いから恋に落ちて……
小さい頃から夢見ていた女優になるため、田舎町からLAに出てきたミア(エマ・ストーン)は、映画スタジオ内にあるカフェでバリスタとして働きながら、オーディションに参加し続けるも、結果は散々な日々。
ある日、ピアノの音色に惹かれて入ったバーでピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会ったミアは、彼に声をかけようとします。が、自分好みの演奏をしたために、店長(J・K・シモンズ)からクビを言い渡されたばかりで、虫の居所が悪かったセバスチャンからは無視されてしまいます。
しかし、その後もまるで運命とでもいうばかりに、あちこちで偶然に出くわす2人は、いつしかお互いに惹かれ始めていきます。
ジャズを愛するセバスチャンの夢は、いつか自分の店を持つこと。女優を目指しながらもオーディションに惨敗中のミアに、セバスチャンは自分で脚本を書いて演じるようにアドバイスしますが……。
同居、安定、そして衝突……!2人の恋と夢の行方は?
やがて一緒に暮らし始めるミアとセバスチャンですが、定職についていないセバスチャンは自分の店を出す資金がありません。ミアのためにも、と安定した仕事を求め、愛するフリージャズとはかけ離れた音楽を演奏する、知り合いのバンドに加入します。
ライブを観て、戸惑いを隠せないミアですが、その思いとは裏腹に、バンドは大成功。セバスチャンはレコーディングにツアーにと留守がちになってしまいます。
ある夜、些細な一言から大げんかに発展した2人。自ら脚本を書いた独り舞台も、客席はガラ空きで失意のどん底に落ちるミアと、夢を手放してしまったかに見えるセバスチャン。
2人の恋と夢の行方は――。
■誰もが映画『ラ・ラ・ランド』に恋してしまう理由って?
クラシカルかつポップな映像で、古き良きミュージカル映画がもつ「夢見る」パワーを現代版へとアップデートさせた『ラ・ラ・ランド』。
思わず微笑んでしまうようなロマンチックな映像や、心踊る音楽に彩られた魔法のようなひとときの後に訪れる、最後のナンバーの切なさには、DRESS読者の皆さんも思わず落涙してしまうことでしょう。
恋に仕事に、趣味に家事に。忙しい毎日を過ごすDRESS世代の皆さんがわざわざ映画館で観るなら、また明日からがんばろうと思える元気や、キラキラと輝くときめきをくれる映画が一番!
観るもの誰もが恋に落ちてしまう『ラ・ラ・ランド』は、明日2月24日(金)より全国公開です。
■デイミアン・チャゼル監督『ラ・ラ・ランド』公開情報
『ラ・ラ・ランド』
2月24日(金)より全国ロードショー
監督・脚本:デイミアン・チャゼル『セッション』
出演:ライアン・ゴズリング『ドライヴ』、エマ・ストーン『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ、J・K・シモンズ『セッション』
配給:ギャガ株式会社
上映時間:128分
公式サイト: http://gaga.ne.jp/lalaland/
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