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ベーシックインカム導入は難しくても、すべての人が生活しやすい国は作れるんじゃないか

ベーシックインカム(最低限所得保障)とは、政府が全国民に対し、毎月一定額を支給する制度のこと。スイスで制度導入に関する国民投票がおこなわれて話題になった。個が満たされ、企業が動き、国が豊かになるために、本当は何が必要なのか。

ベーシックインカム導入は難しくても、すべての人が生活しやすい国は作れるんじゃないか

「年金をもらえると思えない」、「国に期待していない」。30代の人たちがテレビの前でアンケートに答えていて、そんなふうに回答していた。

年金を期待できる世代が政治を動かしている中で、先行き不透明な若い世代は、投資で稼ぐか、国を出るのかなど、日本への諦めの強い意見が多い。

解決策についての議論もあった。
金受給資格を70歳まで引き上げる
消費税を20%まで引き上げる
少子化対策で出生率を上げる
などなど。

いずれの解決策も、日本はもうダメかもな……と感じてしまうものばかりだった。

■ベーシックインカム導入の難しさ

2016年6月5日、スイスでベーシックインカムに関する国民投票がおこなわれた。

成人国民に月額約28万円、未成年者に月額約7万円を一律で給付するという前代未聞の制度の導入を問う国民投票であった。結果は約78%の反対多数で否決された。

賛否両論あるが、導入にはかなりのハードルがありそうだ。働かない人はますます働かなくなるだろうし、会社を辞めることも簡単になる。

そもそもそのお金をどのように捻出するか、という点でも課題が多い。たくさんの税金を払っているのはお金持ちだから、彼らの賛同を得るのもたやすいことではない。

お金があると不幸が減ることはおおいにあると思う。突然事故や病気をしても、収入が途絶えないことで助かる人は多いだろう。

犯罪だって減るかもしれない。すべての人の生活レベルがある程度保証されることは、素晴らしいことだと思うが、ベーシックインカムの導入には、まだまだ時間がかかりそうだ。

■企業のお金のかけどころは?

アップルや、グーグルなど世界のトップ企業は、積極的な節税をおこなっている。真意はわからないが、自国に税金を納めるより、自分たちのほうが国を、世界を良くできるという意思の表れでもあるようだ。

企業に勤めていれば、厚生年金への加入が義務づけられる。個人と企業が折半で給与に応じた金額を支払う。税金も含めると、個人にとっても、企業にとっても、大きい負担になる。

企業は、住みよい国を作るという目標に向かって事業を作る必要があるはずだ。
国に期待できない状況が続くなら、企業は納税せずに、サービスをより良いものにし、従業員を守る仕組みにお金をかけるべきだと思う。

自分たちの稼いだお金で個が満たされ、企業が動き、国が豊かになると、実感できる仕組みがあれば、自分たちが国を作っているという意識になれるだろう。

法人と個人、税金と政策のバランスを早急に整え、もっとシンプルに、すべての人が生活しやすい国になれないものだろうかと、年の終わりに考えるのだった。

TM

東京都生まれ。ウェブコンサルタント。少子化や高齢化に伴う、これからの日本が課題に抱える業界において、ウェブコンサルティングでの業界改善に取り組む。 「豊かな人生」をテーマに、仕事や人間関係また、人生がどうあるべきかを追求し...

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