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働き方改革をやる企業に必要なのは、従業員が安心・豊かさを永続的に得られる仕組み作り

政府が「働き方改革」を推進している。多様な働き方を実現し、格差の固定化を回避するなど、さまざまな目的が含まれている。不安定で先の見えない時代、私たちはどう働く、ひいては生きていくとよいのか。企業はそれにどう対応すべきなのか。「従業員が安心して働き続けられる会社」を目指す三浦拓郎さんが考える。

働き方改革をやる企業に必要なのは、従業員が安心・豊かさを永続的に得られる仕組み作り

■「いい大学→大企業」の鉄板安定コースはもうない

1993年のバブル崩壊以降、終身雇用や退職金といった、企業が労働者を守る「かつての常識」は常識ではなくなった。

アメリカなど、欧米諸国にもかつては終身雇用制度があったという。

企業側にとっては、育てた人材を長く雇用したい意図もあり、新卒採用して、終身雇用で働いてもらうことは、企業側のメリットも大きかった。

しかしながら、産業が変わり、インターネットが普及し、競争が激しくなるなかで、企業の生き残りが難しくなってきたこともあり、終身雇用という、双方にとって都合の良い制度はなくなった。

いい大学を出て、大企業に入ることが「安定」と考えられていた時代はとっくに過ぎ去り、働き方は大きく変わっている。

■先行き不透明な未来が待ち受ける

日本の人口は2008年をピークに減少が始まり、2050年には1億人を切るといわれている。2025年には、団塊の世代といわれる層は75歳以上になり、3人に1人が65歳以上、という過去に経験のない超高齢化社会になる。

未来の社会を想像してみよう。医師の不足は免れることができず医療のパンクが目に見えている。年金をほとんどもらえない時代が迫っている。

さらに、貧困格差は広がり、ユニセフの発表によると、日本の子供の貧困率は世界で第34位という。労働人口の40%程度が300万以下の所得となり、格差はさらに広がっていくと懸念されている。

一方、日本に住む富裕層の割合は、アメリカについで2位となっているから、

高齢化、人口減少、所得格差の拡大――今の若い世代にとっては、先行き不透明な未来しか見えないわけだ。

■老後をどう生きるのか? 想像してみたことはあるか

今の若い層の年金受給開始年齢が70歳だとして、以降25年生きる場合、かなり節約に励んだとしても年間200万はかかると考えられる。25年間で5千万円だ。

年金受給額は年間で60万程度だろうか? 25年で1500万程度にしかならない。
これでは、3500万円が足りないことになる。

以前なら退職金制度で、2000万円程度もらえる会社もあり、年金と貯金を合わせれば裕福に老後を送れたかもしれない。

老後をどう生きるのか? は、なんとなくの「将来の不安」という、精神的なものではなく、かなり具体的にヤバいんじゃないか? と思える。

会社は守ってくれなくなった。年金も満足にもらえるかわからない。毎年100万円の貯金をして、35年間過ごせばよいのだろうか。実は、そんな心配なんてしなくても、先のことは後から考えればよいのだろうか。

映画や演説などでは「今を生きろ!」と話され、自分自身もそれは幸福に生きるコツでもあると考えているが、今をもっと自由に生きたいなら、将来の安心があるに越したことはない。

■会社と従業員が対等の立場にある状態が理想

富裕層の多くは経営者というが、経営者である僕自身は、従業員から搾取してまで数パーセントの富裕層になる勇気もないし、コツコツ貯金して、老後に備えるマメさもない。

株主と経営者だけが儲かるような仕組みは、昭和の産物だ。
従業員の「働かされる」という意識をなくし、「搾取される」という思いも感じることなく、会社と対等の立場で、永きに渡って安心と豊かさを得られる仕組みづくりが、企業としての役割のように感じている。

一緒に働くみんなが安心を感じられる組織や、ずっと働ける、ずっと働き続けたいと感じられる風土づくりが、今目指す会社像だと思う。

政府が推進する「働き方改革」も話題だ。それに伴い「働き方改革」と銘打って、独自の取り組みを進める企業も、続々と出てきている。

大きく変わろうとしている社会の中で、企業のあるべき姿、あるべき働き方を試行錯誤しながら、模索し続けたいと考えている。


TM

東京都生まれ。ウェブコンサルタント。少子化や高齢化に伴う、これからの日本が課題に抱える業界において、ウェブコンサルティングでの業界改善に取り組む。 「豊かな人生」をテーマに、仕事や人間関係また、人生がどうあるべきかを追求し...

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