飯伏幸太(いぶし こうた)
1982年5月21日生まれ。鹿児島県姶良市出身。2004年にDDTプロレスリングでデビュー。類まれなる身体能力を活かし、型破りな空中殺法を武器に活躍。2013年には業界初となるDDTと新日本プロレスの2団体同時所属選手となり、話題を集める。プロレスシーンを長年に渡って牽引する人気レスラーの一人。2016年2月に2団体を同時退団し、現在は「飯伏プロレス研究所」を起ち上げ、国内外で活動中。
「渋谷スクランブル交差点とか山手線でプロレスをしてみたい」飯伏幸太の頭の中
人気レスラー行きつけの焼肉屋を訪れ、お肉や筋肉美の素敵な体はもちろん、プロレスの楽しみ方について語ってもらう連載、お一人目として登場するのは飯伏幸太選手。プロレスの楽しみ方を伺います。
前回記事「プロレスラー・飯伏幸太がひとり焼肉するとき」に引き続き、大人気レスラー・飯伏幸太(いぶし こうた)選手の登場です。今回は、プロレスを観たことがないという方へ向けて、飯伏流“プロレスの見方”についてお伺いしました。
――わたしがプロレスを観始めたきっかけは、飯伏選手vsヨシヒコ選手の動画なんです。ヨシヒコ選手は人形なわけですが、「プロレスラーは人形とも戦えるんだ!」という感激がありました。
「ありがとうございます。あれは世界でもかなり広まりましたね」
――プロレスを観たことのない方がプロレスを観始めるきっかけとして、他にどんなものがありますか?
「自分がやってきたのは路上プロレスです。リングの上ではなく、路上でどこでもプロレスをやるっていう。道端に半裸の男がいるだけで、きっかけになると思うんですよ。『何だ、あいつは?』と。理想としては、人が多い渋谷のスクランブル交差点とか、山手線ですね。強制的に目に入っちゃいますから。そうすれば、一生プロレスを見ないはずの人が見て、あれ? となるかもしれないですよね」
――プロレスの面白い観方として、ポイントはありますか?
「たぶん男性と女性で違うんですよ。男性は激しいぶつかり合いだったり、音の迫力だったり。女性はレスラー同士の関係性を見ると面白いような気がします。なぜこの人とこの人は戦っているんだろうとか、なぜこのふたりはピリピリしているのかとか。一回ではわからないこともあるとは思うんですけど、そこを見ていたらまた次も観たくなるのかなと。この人とこの人は仲がいい。でも今リングで戦っている。どういう感情なんだろう、とか。そういう点でプロレスを観ると、女性は絶対ハマると思います」
――新日本プロレスなどのメジャー団体から入って、インディー団体にハマっていくのも女性ならではのような気がします。
「新日本はインディーに比べると、選手との距離がありますから。それはそれでいいんですけど、インディーは選手とファンの距離がもっと近いので、そこを求める人もいるんじゃないかと思います」
――今のレスラーはファンサービスがていねいですよね。飯伏選手もかなりサービスをされる方ですが、そこは新日本プロレスの棚橋弘至選手から学ぶことも多かったとか。棚橋選手のことを「神」と呼んでいますね。
「試合で絡むことはそんなにないんですけど、棚橋さんから学んだのはファンの方への対応や、どうやったらプロレスをもっと盛り上げられるかという部分です。メディアに出ることで少しでもプロレスにつなげるということは、棚橋さんを見て学びました。あそこまでプロレス界で上のほうへ行って、さらにプロレスを盛り上げている姿を近くで見ると、この人は神だなと思いましたね」
――時間の関係で、話が全然変わるのですが、飯伏選手の好きな女性のタイプは?
「いきなり変わりますね(笑)。最近、結婚願望が少しずつ強くなってきているので、家庭的な人がいいです。けっこう変わってきましたね。前は、家庭的な女性だと受けつけなかったんですが……」
――彼女が料理を作っているのを見ると、お母さんとかぶっちゃう、とか?
「はい。だからムリでした(笑)。でも、ここ最近、女性に料理を作ってもらったことがないので、実際に目の前で作ってもらったら、やっぱりダメだってなるかもしれないですけど(笑)。でも大雑把に言って、家庭的な人のほうがいいのは間違いないです」
――年上の女性はどうですか?
「いいですね。自分より経験豊富で、教わることがいっぱいあると思います。一番はフィーリングなので、感覚的に合っていたら年齢は関係ない気がします」
――飯伏選手は感覚を大事にしているというか、敏感な方ですよね。
「小さい頃からですね。相手が何を考えているんだろうっていうのを、常にどこかで考えています。いまこうして写真を撮られていて、どういう感覚で撮っているんだろうとか。店長はあそこで何を考えているんだろうとか。気を使いすぎるので、どこかでダメージが一気にきます。何年かに一度、何も気にしない時期がくるんですけど、でもそういうときは仕事としては上がらないんですよね」
リング上での大胆で型にハマらない大技からは想像できない、とても繊細なハートの持ち主。お肉を頬張りながらも周囲への気遣いや優しさを忘れない姿に、一同萌えまくりの贅沢なひとときでした。プロレスをまだ観たことがないという人も、飯伏幸太のプロレスは絶対に観たほうがいい。そう改めて思ったインタビューでした。
■今回訪れた飯伏選手行きつけの焼き肉店
「圭(KEI)」
千葉県市川市八幡2-12-5
047-369-6946
https://tabelog.com/chiba/A1202/A120202/12030709/
■飯伏選手が食べたメニュー
・四種の葉っぱのチョレギサラダ(ハーフ/450円)
・炙りロースのカルパッチョ(880円)
・塩上カルビ(1,360円~)
・上タン塩厚切り(1,000円~)
・上ハラミ厚切り(1,000円~)
・上ロース(1,480円)
・きまぐれアイス(290円)
Text=尾崎ムギ子
Photo=タカハシアキラ
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