「結婚しないといけない」の呪縛から解き放たれたとき、人はもっと自由になれる
結婚しないといけない――それは思い込みかもしれません。自分に結婚という制度が合っているか否か、本当に望んでいるのか否か、素直に考えてみてください。結婚する・しない、それぞれのメリットやリスクを知ったうえで、自分らしい選択をすることこそ、後悔しない生き方になると思うのです。
■結婚しないといけない？
ひとつ質問させてください。あなたはどのようなときに「幸せだな」と感じるでしょうか？
休日、ソファに寝そべって好きなだけ読書に耽っているとき。映画館に足を運び、好みの映画を楽しんでいるとき。友人との他愛ないおしゃべりに興じているとき。入念に作った手料理を、家族が美味しいと喜んでくれたとき。愛する人の寝顔を見つめているとき。
仕事で自らに課した目標を達成したとき。それを周囲から認めてもらったとき、という方もいらっしゃるかもしれませんね。ここには到底書き切れないほど、幸せを実感する瞬間は人それぞれです。
自分はどのようなことを幸せと感じる人間なのか。自分の志向や適性を把握したうえで、自分に合った生き方を選ぶ。それでこそ、一度きりの人生を悔いなく生きることができるのではないでしょうか。
それなのにわたしたちには、自分に合っているかどうか考慮することもないまま、考えてしまいがちなことがあります。たとえば、結婚。
「結婚しないといけない」と思い込んでいる方は少なくないのではないでしょうか。
■どんな生き方にもメリットやリスクがある。知ったうえで自分らしい選択を
ひとりでいるほうが安らげるという人に、結婚は必要ないかもしれません。
誰かと一緒に暮らしたいけれど、仕事にこそ生き甲斐を感じるという人は、法的な意味での結婚をして「妻」という立ち位置で生きるより、形式にとらわれず、サポートしてくれる人と支え合って暮らすほうが快適に生きられるかもしれませんよね。
結婚しないといけない、という決まりはないのです。
女性一人ひとりが真剣に自分の志向や適性、つまりは「自分らしさ」を考えた結果、たどり着く生き方が「法律に認められた形での結婚をして、夫婦同姓というルールに従って同じ姓を名乗り、やがて子どもをもうけて親となる」という従来の結婚像、たったひとつしかないだなんて。そんなことはあるはずがないのです。
同性婚を容認する自治体が現れていることからもわかる通り、様々な生き方を選択し得る時代が始まっています。では具体的に、どのような生き方の選択肢があるのか。それぞれの生き方を選んだ場合、どんな長所があるのか。リスクはどうか。
自分らしい生き方を模索し、「幸せな人生」を築いていこうとするあなたに寄り添い、進路を選ぶ手助けをしてくれるバイブルが『はたらく人のための結婚しない生き方』です。
■結婚する人、しない人。「結婚しないといけない」にとらわれないで、選択肢を見つめて
タイトルは「結婚しない生き方」となっていますが、シングルとして生きることだけを推奨している内容ではありません。誰かと生きる場合にも、結婚という形を取るか否か、子どもを持つか、持たないことを選択するか。
さまざまな生き方を提示し、それぞれの生き方を選択した場合の長所やリスクについて、具体例を挙げ、わかりやすく説明してくれています。
前書きに、著者はこう綴っています。
「『本当に結婚しないといけないのかな……』結婚に一歩踏み出せない方、周りから「早く結婚しなさい」「孫の顔が見たい」と急かされて違和感を感じている方、もっと自由に生きる選択肢を探している方、婚活真っ最中の方、そして、今現在、結婚しない生き方を存分に楽しんでいる方。そういった方にぜひ読んでいただきたいと思います」
何人もの女友達の顔が浮かんで、深く共感しました。女性の人生において避けては通れない重大なテーマ「結婚」について意識している、すべての女性に手に取っていただきたい１冊です。
「この本を読めば、人生の選択肢の幅が増えて、もっともっと自由な生活が待っています」ともあるとおり、わたしはこの本を読んで、頭上に垂れ込めていた雲が払われたような気がしました。晴れ晴れと、最高によく晴れた日の青空を見上げているような気持ちになったのです。
わたしの人生には様々な選択肢が与えられていて、そのどれを選ぶかはわたし次第。これからもっともっと幸せになることができる。そのように意識を変えることができたので──。
「一度きりの人生を悔いなく輝いて生きましょう」と励ましてくれる本書。
わたしはこれからも本書をいつも傍らに置き、生き方に迷い立ち止まったとき、本当にこの選択でよいのだろうか？ と確かめたくなったとき、何度も繰り返し、ページを繰ることになりそうです。
2016年11月15日公開
2019年５月30日更新
