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高島礼子、涙の謝罪会見に思う「夫婦でい続ける意味」

覚せい剤取締法と大麻取締法違反の疑いで逮捕された元俳優・高知東生容疑者の妻、女優の高島礼子が会見を行なった。謝罪会見で高島が語ったこととは。浮かび上がってきた二人の夫婦生活に思うこと。夫婦って一体何なんだろう。

高島礼子、涙の謝罪会見に思う「夫婦でい続ける意味」

■夫の逮捕を受けて会見、妻・高島礼子が語った衝撃の事実

高知東生、覚せい剤・大麻所持容疑で逮捕から早9日。今クールのドラマ撮影をおこなっている京都市内のホテルで6月30日、高知の妻 高島礼子が会見を開いた。厚生省麻薬取締局による事情聴取を終え、報道陣の前に現れた高島は、冒頭まず深々と頭を下げ、詫びた。夫の逮捕を受けての心境はと問われ「冗談かと思うほどに実感がない」と答えた高島は、高知が覚せい剤に手を染めていたことに、「まったく気づかなかった」、「薬関係のことが起こると想像したこともなかった」と繰り返した。

終始気丈にふるまい、言葉に詰まる場面でも懸命に涙をこらえる姿は痛々しい。だが私は「長く東京を離れていたので」「最後に夫と会ったのがいつか思い出せない」という言葉を、重く聞いた。高島は、誰もがその名を知る人気女優である。撮影で家を空ける機会が多いであろうことは、容易に想像がつく。その点をふまえてもなお、1週間前だとか、1ヶ月前だとかではなく、最後に夫と会った日を思い出せないという言葉は衝撃的だ。

■待つ者と待たせる者 ふたりの間に流れる時間は種類が違う

世間からは長く「おしどり夫婦」と目されてきたふたりの、夫婦生活の実相が否応なく浮かび上がる。高島は夫である高知と「同志のような、親友のような気持ちでいた」と言う。簡単には断たれるはずのない絆の存在を、信じていたのかもしれない。だが、家を空けて出かける者と、家で待つ者。両者の間に流れるものは、同じ時間のようでありながら、実はまったく異質のものだ。それは往々にして、待つ者にとって残酷である。
自分を待っていてくれると信じられる存在があるとき、人は心おきなく旅に出ることができる。思う存分仕事に没頭することも、あるいは遊びに興じることもできるだろう。けれど待つ身にとってその時間は、顧みられぬ者、見捨てられた者として孤独にさいなまれる、痛みのときなのだ。

■孤独は人を狂気に至らしめる

人をして狂気に至らしめるもの。その最たる要因は、孤独ではないかと思う。まして大抵の男は、女の何倍も孤独に弱い。酒に、女に逃げては、簡単に身を滅ぼす。喜怒哀楽の振り幅が大きく、明るい男だったという高知。妻・高島が語る夫・高知の人物像は、第三者である私には、虚空を思わせずにいない。明るさも能弁さも、心の中核に巣食った虚無、孤独を覆い隠すための、虚飾の壁であるように思えてならないのだ。二人の結婚は1999年。夫婦となってから、すでに17年のときが経過している。だが高島は、本当の高知を知っていただろうか。彼の心の真実を。問いを投げかけるまでもなく、今、高島は自問を繰り返しているのかもしれない。私は夫を知っていたのだろうか。まるで見知らぬ他人を、夫と呼んでいたのではないかと。



何年夫婦として暮らしていようと、互いの心奥に、まだ知らない部分が秘められている。少なくともその事実について、私たちは自覚的でありたい。その上で、まだ、もっとこの人を知りたいと思える間は、夫婦として寄り添い続ける意味があるように思えるのだ。

と、ここまで書いて、中空を見上げて嘆息する。だがなぁ。高島礼子は女優だから。数日後、あるいは数週間後、「高知に薦められて、つい。ずっと自分を責めて生きてきました」なんて涙する姿を、私たちは目の当たりにすることになるのかもしれない。現時点でその可能性を100%否定することができない点、残念でならないし、そんな日が来ないよう心から祈るが。すべての事実は捜査の進展により、やがて白日の下、晒されることになる。

Text=小耳沢はさ美

DRESS編集部

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