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草なぎ剛、初の熱愛報道に思う「いい人だけど愛せない」病

「いい人そう」。きっと誰の目にもそう映るであろうSMAP草なぎ剛が、彼女とのデートをついにスクープされた。男性タレントって不思議なもので、誰かのものだとわかると少々妬ける。それが、草なぎくんに限っては、その種の感情が一切沸かないのだ。これは一体なぜ? 草薙くんが“いいひと”すぎるせい?

草なぎ剛、初の熱愛報道に思う「いい人だけど愛せない」病

■初の恋愛スクープ!でも、やっぱり「スレンダー美女」かぁ……

「つよちゃん、よかったねぇぇぇ!」って、親戚のおばちゃんなら、つよちゃんの肩をバンバン叩いて喜ぶところである。SMAP草なぎ剛が、スレンダー美女との焼肉デートを撮られた。

記憶にある限り、草なぎくん初の恋愛スクープではないか。「ゆっても一回焼肉食べただけでしょ?」なんて、草なぎくんをナメていただいては困る。お泊りもあれば鳥鍋デートもある、れっきとした大人男子の恋愛風景が、そこに繰り広げられているのだから。それなのに、である。

草なぎくんの親戚のおばちゃんでない私には、どこをどうつねってもひねっても、「そっか……」以上の感慨が沸かない。お相手が「スレンダー美女」というのも、正直食傷気味で興味が持てない。

これがもし「草なぎ剛初デート撮られた! おかずクラブ オカリナちゃんとまさかの熱愛1年!」とかだと盛り上がるのにな。惜しいな。「なんでオカリナちゃん?」「いやでも何かいい話」「草なぎくん、思ったより深かったね」「オカリナちゃんが内助の功発揮して工藤静香と仲よくなってさ、SMAPの不協和音、解消~とかよくない?」なんて、女友達とのグループLINEがひとしきり沸騰したのになぁ。

なぜオカリナちゃんじゃダメなんだ。試してみないか、草なぎくん。

■「いい人だけど愛せない」日本代表=草なぎくん?

SMAPのデビューは1988年。なんと今年でグループ結成28年なんだなぁ。特にファンではなかった私でも、なんかこうしみじみするぞ。アイドルなのに、一時は頭部が心許なくなっていった草なぎくん。見る者を不安にさせた日々もあったね。かと思えば徐々に盛り返して、またツンツンさせたりできるように。アイドルらしい見た目に戻って、私たちを安心させてくれたっけ。

東京ミッドタウンの庭園で、脱いだ服を丁寧に畳んだ夜もあったね。せっかく丁寧に畳んだのにそこは褒められなくて、脱いだことだけ責められて。そんな辛い季節を乗り越えて、晴れての熱愛スクープである。それなのに何だ、この「あ、そう感」は。



いやもうとぼけるのはよそう。草なぎくんは、ファンでないわが国全女子にとって、「“いいひと”だけど愛せない」の日本代表選手なのである。つまり、ひっかかりってものがないんだよ、つよぽん。30年近く王座に君臨しつづけたアイドルでありながら、どこからくるんだその「市役所の人感」は。

「ハムの人」なら濃さがある。好悪どちらかに針も振れよう。だが、「市役所の人感」ばかりは如何ともし難い。父親の上司からきた縁談だから仕方なく会ったけど、結婚にはこういう人が向いてるってわかるけど、でも無理。いい人だってわかるのに、無理。

ああなんかもう彼を愛せない自分の方が悪い気がしてきた。自己嫌悪。それでも無理なものは無理なのよ。助けて。それなのに、断わる理由が見つからない。どうしよう……って、頭を抱えるパターン。その典型が草なぎくんのような、市役所の人感あふれる善良男子なのである。難儀なことよ。

■正直という名の病にかかった人が愛おしい

ここまで書いていて気づくことがある。愛の始まりってほんと、ひっかかりなんだね。初めて出会った瞬間、相手の瞳の奥に宿るものが、ふと気になった。これ、ひっかかり。みんなで食事をしているときに、彼が何気なく口にした一言が、帰り道でよみがえる。これも、ひっかかり。

水のように風のようにさらりと通りすぎてゆくものに、人は心を奪われたりしない。好きとも嫌いとも区別のつかないもの。ほんの小さな、でも見過ごせない何かが心にかかり、留まった瞬間から、愛は始まるのだ。



「どんなにいい人でも愛せないという病」。それは、別名正直という名の病なのかもしれない。自分に、正直。そのためにいつまでも独りだというあなたへ。その不器用さを、愛おしく思うよ。とても。

小耳沢 はさ美

よろず文案作成家。コラムニスト。エンタメ系ニュースから世相まで、くすっと笑わせユーモラスに批評するコラムに定評あり。 hasami.komimisawa@gmail.com

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