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デヴィッド・リーン監督 - 大人女子なら押さえたい4つの作品

デヴィッド・リーン監督のおすすめ作品は、時間を忘れさせてくれつつ品格あるラブストーリーに浸ることができます。1908年生まれのイギリス出身映画監督で、練られた構成は英国紳士らしく文学的。意外なことにその生涯において16作品しか撮っていなかったのです。その中でも大人女子が楽しめる、代表的な4作品にスポットをあててみます。

デヴィッド・リーン監督 - 大人女子なら押さえたい4つの作品

■アラビアのロレンス(1962年)

アカデミー賞7部門受賞の最高傑作です。細やかな心理描写と雄大な映像美に圧倒されます。

アラビアのロレンス【完全版】

舞台は第一次大戦中、列強の利害関係が複雑に絡みあうアラビア半島。

主人公は王子と接触すべくアラビアに派遣された英国陸軍の青年将校ロレンスです。砂漠の利権をねらうトルコ軍とアラブ人たちの激突に大英帝国が介入。ロレンスはいつしかアラブの地と民を深く愛し奔走するようになります。

しかし、それもむなしく英国人であることで深い挫折にと追い込まれてしまうのです。主人公が苦悩する繊細な人間像、壮大な砂漠の映像美、流麗な音楽…。一言では表現しがたい味わい深い名作です。

■戦場にかける橋(1957年)

交錯する人間ドラマに感銘を受けます。

戦場にかける橋

アカデミー監督賞受賞作品。

第二次大戦中、タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所がその舞台です。
連合軍捕虜を使って国境に流れる河に橋を架ける準備が進められるものの英軍大佐と日本軍所長は対立。互いの見解を認め、建設工事が始まりますが、収容所から脱走した米海軍少佐により連合軍の架橋爆破作戦が開始され…。

通常の戦争映画とは一線を画し、登場人物たちのストーリーが絶妙に絡み合いつつ展開。戦争の無意味さと人の尊厳を描いた不朽の名作に酔いしれたい。

■逢びき(1945年)

大人の恋愛映画の元祖・代名詞的作品です。

逢びき

初期の代表作で、後期の壮大なスペクタクル巨編とは趣を異にしています。

カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。平凡な主婦と中年医師のラブストーリーに、ラフマニノフピアノ協奏曲がロマンチックに響きます。

ふとしたきっかけで出会い、苦しみの中で別れを決断していく二人。束の間の恋愛に対する分別や思慮深さに、古き良き時代の香りが漂います。一貫して抑えめなトーンで進む描写は甘く儚く、そして切ないばかりです。

■ 旅情(1955年)

アメリカの地方都市で秘書をしていた、キャサリン・ヘップバーン演ずる38歳のジェイン・ハドスンは、恋愛下手で、婚期を逃しいまだ独身(心が痛い…)。その時間を取り返すために、生まれて初めての海外旅行でヴェニスまでやって来ます。

イザ・ミランダ演ずるフィオリナ夫人の経営するホテルに到着した彼女は、あてもなく一人で散歩に出かけ、サン・マルコ広場喫茶店に腰を下します。

しかし、背後からじっと彼女のことをみつめるイケメンの中年男性(ロッサノ・ブラッツィ)に気づくと、慌ててその場から立ち去ります。

次の日、通りすがりの骨董店のウインドウに飾られたヴェネツィアン・グラスに惹かれて入店。そこにいたのは、昨日出会ったハンサムな中年男性(店の主人)。そんな偶然から始まる恋愛物語です。

普段の生活で、こんなことが起こればな…と願っている自分が、いたりいなかったり。自分から進んで前を向いていれば、いくつになっても出会いはあるもの。そういったシンプルなことに気づかされる映画です。

主題歌の、ロッサノ・ブラッツィが歌う『Summertime In Venice(ベニスの夏の日)』は当時大ヒットソングとなりました。

■大人女子必見のデヴィッド・リーン監督作品

歳を重ねると、時が経つのを早く感じてしまうもの。

そんな時におすすめなのが、ふと時間の流れを忘れさせるデヴィッド・リーン監督の作品の数々。

週末はデヴィッド・リーンの代表的な4作品をみて、品のある大人のラブストーリーを体感してみてはいかがでしょうか。

ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター。女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っています。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。 ...

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