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「男女の違い」本ばかりがベストセラーになる理由

「男女の違い」本ばかりがベストセラーになる理由

「男と女のコミュニケーションは違う。間違いなく違う」

そう感じるようになったのは、男女のコミュニケーションの違いを学び、実践してきた中での経験からです。そして、思います。もっと早く知っていたらどんなにあの恋愛、あの仕事の結果は違うものになっただろうか、と。

男女差別だ、根拠がない、偏った考えだ、という人もいるでしょう。それでも、知れば知るほど、「たしかに」「やっぱり」「あ、こういうことか」という経験は数え切れないくらいあります。

今回、連載のお話をいただいたのを機に、自分の悔しい経験を通して、男女のコミュニケーションの違い、押さえておきたいポイント、回避法、そして何より男女がいい関係をつくるためのコミュニケーションについて書いていきたいと思います。

■必読の2冊はこれ!

まずは、基本知識として、ぜひ一読していただきたい本をご紹介します。男女のコミュニケーションの違いに関する書籍は多数出版されていて、私の本棚にある関連書籍は30冊はくだりません。

まずは、世界42ヶ国でNo.1となった大ベストセラー『地図が読めない女、話を聞かない男』(主婦の友社・アランビーズほか)。この本は、男女の基本的な違いがいくつものわかりやすい事例をもとに、丁寧に説明されています。

恋愛にフォーカスするなら『ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた』(三笠書房・ジョングレイ)がおすすめ。

とくに、これから結婚をしたい、と考えている人はぜひ先に読んでいただきたい。毎日の日々の中で、小さな「?」が少しずつ重なっていくのが結婚です。「だよねー」と大きな心で結婚を楽しめる女性になるために、現代版「花嫁道具」に挙げたいぐらいです。

私の場合、何度かの恋愛を終えてからこの本に出会ってしまい、「ああ、私はなんてことをしていたのだろう。まったく逆の行動をとっていた」と胸にグサグサとくることばかり。落ち込むとともに、相手にイライラしていたことや怒っていたことが、「なんだ、彼だけではなのか」とすっと許せるようになりました。

こうしていつしか私は、男女を問わずコミュケーションにおいてストレスを感じにくくなっていました。男性とのコミュニケーションだけでなく、女性特有のコミュニケーションがあることにも気づいていったからです。

■いつの時代もコミュニケーションに迷う男女

日本で最近話題になった書籍は『察しない男、説明しない女』(ディスカヴァー・トゥエンティワン 五百田達成)。今、改めてなぜこの本? とも思ったけれど、ベストセラーになったのを見ると、いつの時代になっても、男女はコミュニケーションで悩み続けているのだなぁ、と感じます。

今は、安倍政権時代となり、女性管理職を増やす動きや、結婚・出産後も働く女性が当たり前になって、仕事と家庭、仕事と子育ての中で、夫婦で、会社で、男性とコミュニケーションをとりながら上手に生活していく必要があるから、より一層高度なコミュニケーションが必要になってきているようにも思います。

女性の活躍と同時に離婚率も上昇し、一生独身という男女が増えているのも、こうしたコミュケーションのストレスと隣合わせになるくらいなら、ストレスフリーな暮らしをしたいと願う人が多いからかもしれません。

テレビでは、TBSがドラマ『家族ノカタチ』(香取慎吾、上野樹里)を放映しています。仕事と趣味に燃え、結婚は面倒だから一生したくない、と考えている男女のストーリーです。香取さんは生活にストイックなこだわりを持つ独身男性。上野さんは、仕事に燃えるバツイチ子どもなしの女性。どちらも同じ高層マンションに暮らし、都会生活を満喫している……はず、という設定でドラマは始まります。

今の東京では珍しくない光景。タイトルから想像するに、次第に家族のありがたさ、他人と暮らすことの大切さに気づいていく話のようですが、とにかく主演の2人が「自分のテリトリーに入らないで」「余計な口出し、生活に入り込まないでほしい」など、コミュニケーションでぶつかり喧嘩になり、イライラするシーンがやたらと多いのです。

■役割が違うからコミュニケーションも違う

男女のコミュニケーションの違いから起きるストレスを回避すべきか、あえて絡んでいくべきかというより、互いの違いを知り、「そうきたか、よしよし。あなたも普通の男子(女子)だね!」程度の気構えになれたら、男女はとても楽しい関係を築ける気がします。
私自身、やっとというか、時間はかかったけれど、今はそんな感じになっています。

宣伝ですが、私も男女の仕事におけるコミュニケーションの違いをテーマにした本『女性のためのもっと上手な話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出しています。よかったらこちらもぜひ購読を!

ということで、第1回は「で、肝心の男女のコミュニケーションの違いは何よ?」とつっこまれそうですが、「とにかくすごーく違うのよ」と投げかけておいて、最後に1枚のまとめシートをご用意したのでご覧ください。次回からはこの流れに沿ってお話をしていきます。

男女の肉体や体の構造、思考は違います。そう考えれば、役割が本質的に違うのも当然。だからコミュニケーションだって違います。

根本は【人間とは何か】の真実に向き合うこと。でなければ、永遠に「男女の違い」に関するテーマの書籍はベストセラーとして版を重ね続けるはず。男女のコミュニケーションの違いの裏側は実に壮大なのです。

文:日野 佳恵子

日野 佳恵子

株式会社ハー・ストーリィ代表取締役。島根県生まれ。広島市でタウン誌の編集長、広告代理店プランナーを経て、1990年にハー・ストーリィを創業。女性特性マーケティングという女性特有の購買行動を研究。理論「クチコミュニティ・マーケ...

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