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東京のホテルで一泊旅行! 日常のすぐそばの非日常を堪能するラグジュアリーステイ

遠くへ旅行しづらい今、首都圏在住の方こそ訪れてほしいのが都内のホテル。1泊のステイでも、一気に非日常の世界へトリップできます。ワーケーションも兼ねたラグジュアリーなステイのレポートを、トラベルライターの長谷川あやさんがお届けします。

東京のホテルで一泊旅行! 日常のすぐそばの非日常を堪能するラグジュアリーステイ

老母と犬と都内に住む私は、コロナ前までは、東京のホテルに泊まることなんて考えたこともありませんでした。でも、コロナ禍で海外はもとより国内の移動も憚られるようになり、リフレッシュのために都内のホテルステイを楽しむことが増えました。

「そうだ、この手があったか!」という感じです。

電車で数十分足をのばすだけで、気軽に気分転換をはかることができるなんて知りませんでした……。交通費が節約できるぶん、少し背伸びしてホテル選びができるのもうれしいですよね。そして、仕事も意外とはかどる(笑)。なんでだろう……非日常の環境に身を置くことでリフレッシュできるのか、「ここで過ごすひととき、1秒たりとも無駄にするものか!」という貧乏根性が働くのか、そもそも環境がいいのか──、その全部でしょうか。

■38階のフロントで、ホテル自慢の眺めを堪能

そんな都内の「ワーケーション」のディスティネーションとしておすすめしたいのが、2005年東京・日本橋に開業した「マンダリン オリエンタル 東京」。日本橋三井タワーの30階から38階に位置しており、157室のゲストルームと22室のスイートルームを備えています。

1階にエントランスがありますが、フロントおよびロビーは最上階の38階に位置。レセプションの後ろにはダイナミックな東京の風景が広がっていて、右手には「東京スカイツリー」の姿も! 同ホテル自慢の眺望が、いきなり堪能できるというわけです。これは……興奮します。

「マンダリン オリエンタル 東京」には魅力的な料飲施設が12もあり(後述します)、そちらには何度も足を運んでいるのですが、宿泊は初めて。浮かれモードになっているのを、フロントのスタッフに悟られないようにしなければと必死です(笑)。

宿泊してみて気づいたのは「マンダリン オリエンタル 東京」ならではの個性。2022年1月現在、現在24カ国・地域において、35のホテルと7のレジデンスを展開している「マンダリン オリエンタル ホテル グループ」の基本理念は、「センス・オブ・プレイス(Sense of Place)=その土地の歴史や伝統、文化を採り入れる」。

立地する土地と文化に敬意を表するホテルづくりをコンセプトとしていて、東京では、「日本橋」をキーワードに日本の自然を表現することを試み、ホテル全体を1本の大木に見立てているのだとか。たとえば、メインエントランスはオリジナルのファブリックを用いて「木の根元」を表現しており、また、ロビーフロアの照明は日本の灯籠をイメージしているのだそうです。

■ホスピタリティ溢れる客室に、料飲施設も充実

さて、私が宿泊したのは、「マンダリン グランド ルーム」。客室に入ってみて、まず目に入ったのは部屋の奥にある大きなデスクでした。これは仕事しやすそう! というか、仕事をしないともったいないレベル(笑)。窓側の大きなテーブルの側にはコンセントがたくさんあり、また、自由に使えるステーショナリーも用意されていました。

ダイナミックな景色をより楽しむために、窓際のデイベッドには双眼鏡が置かれています。気が利いているなあ~。西側の客室の大きな窓からは、グリーンの日本銀行の屋根を見下ろすことができます。左をのぞき込んでみると、東京タワーやレインボーブリッジも見えました。思わず双眼鏡をのぞいちゃいます(笑)。

まずは、部屋を探索しましょう。スピーカーはBOSE。ソファーやカーテンなどのテキスタイルは日本の「森と水」をテーマにしたオリジナルです。床材は竹を使っているんですって。個人的にいちばん粋を感じたのは、ヘッドボードにあしらわれたしだれ桜の刺しゅうでした。

隠れキャラというわけではないでしょうが、さりげなく1匹だけ蜂が描かれていると聞き、必死で見つけてみました(“いる”と知ってもなかなか発見できない、私の注意力よ……)。そして、ゴージャスな大理石のバスルームもいいですねえ、まずはお風呂で身を清めますかね。あー、ふわふわのスリッパも良かったなあ~。

それじゃあしばらく仕事に集中するとしましょう。暮れゆく東京を眼下に眺めながらの作業は、ちょっとした気持ちの浮遊感もあり、いい感じ。けっこうはかどるものですね。でも頭を使ったら、お腹がすいてきましたよ。日本橋エリアにはたくさんの飲食店がありますが、せっかくなので、今回はホテル内のレストランを利用すると決めていました。

広東料理「センス」やイタリアンダイニング「ケシキ」、その「ケシキ」の中にある「ピッツァバー on 38th」など、同ホテルは魅力的な料飲施設の宝庫。「美食の殿堂」と表現する人もいるほどです。

そういえば、しばらくフレンチファインダイニングの「シグネチャー」にも行ってないな……。『ミシュランガイド東京』14年連続1つ星に輝いた「シグネチャー」は、2021年10月末、コンセプトを一新して再オープンを果たしています。

こちらも気になるところですが、今回は、この日は「タパス モラキュラーバー」へ。8年連続でミシュランの1つ星に輝いている同店は、日本における「分子ガストロノミー(分子調理)」の先駆けともいえる存在。コロナ前は、8席のプラチナシートはインバウンドの方ですぐにいっぱいになってしまっていました。今も人気は衰えていませんが、ねらい目ではあります(笑)。

エンターテイメント性も高いイノベーティブな料理で、心もお腹も満たされたあとは客室に戻り、もう一度、お風呂にどぼん。自宅ではそうお風呂好きというわけでもないのですが、ゴージャスなお風呂には何度でも入りたくなってしまうのが旅の情緒というもの。

その後、もう一度大きなデスクに向かいますが、つい首都高を走る車のオレンジのライトの美しさに見入ってしまいます。挙句の果てにはSNSで「いまこんなところにいるんだよ」と自慢モードに入ってしまったりと、もはや仕事ははかどりません。ここは潔く寝て早起きすることにしましょう。

誓いを守り、5時に起床。いつもよりだいぶ早くベッドに入ったこともありますが、こんなに早く、しゃっきり起きられるなんて。ピカピカにリフレッシュした(気持ちになっている)自分をひしひしと感じながら、明けていく東京の風景を眺めながらがつがつ仕事をします。

朝食はオールデイダイニングの「ケシキ」へ。体の隅から隅までパワーをチャージしたあとは、もうひと仕事。あっという間に時間は過ぎていき、あっという間にチェックアウトの時間に。ああ、名残惜しい……。

今回は、温浴施設「ヒート&ウォーター」や、『フォーブス・トラベルガイド』で5つ星を獲得しつづけるなど数多くのアワード受賞歴を誇る「ザ・スパ・アット・マンダリン オリエンタル 東京」は利用するタイミングはなかったのですが、次回はぜひ利用したいところ。また、2021年10月からは、愛犬と滞在できるプランも登場。今度は犬と一緒にワーケーションなんてのもいいなあと夢は広がります。

日常のすぐ隣にある非日常でのワーケーション、これはクセになりそうです。

■マンダリン オリエンタル 東京の概要はこちら

マンダリン オリエンタル 東京
東京都中央区日本橋室町2-1-1
03-3270-8800
https://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo

長谷川 あや

フリーランスライター。出版社勤務後、フリーに。食、旅、エンタメなど、ライフスタイル系を中心に、雑誌、ウェブ媒体などに執筆。共著に、『魅惑のミュージカル鑑賞入門』(世界文化社)、『日経エンタテインメント! 大人のディズニーSp...

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