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好かれたいを捨てる。それが女性の自由への近道。

好かれたいを捨てる。それが女性の自由への近道。

「私、結婚したいんです」。

婚活に一生懸命な女性と話す機会が多い。婚活パーティに参加しては「素敵な男性がいない」「なかなか相手が見つからない」とため息を漏らす彼女たち。魅力的なのに、相手探しに苦戦しているのはなぜか。私が気になっているのは、彼女たちが「婚活市場ではこうするとモテる」とされる情報を鵜呑みにして、本来のキャラや魅力、目指すものを無理に曲げてること。 

ボーイッシュなファッションが好きなのに、男性ウケする白ワンピを着てみたり、ゆるふわキャラを演じてみたり……。明らかに軸がブレている。そんな状態で一度でも簡単に「成果」が出ると、自分を曲げることがクセになる。でも、違う自分を演じるのには限界があり、決して長続きはしない。結婚生活は永遠の高め合いなのだ。 

仕事もこれと同じだ。辞めようとする社員をつなぎとめようと、例外をつくったり、個人的な要望に応じたりする社長がいる。しかし、当の人物は利ばかりをとり何食わぬ顔で辞めたし、残った人も権利のようにワガママを言い続けると相談を受けることがある。 

でも、愚かなことをしたのは社長だ。要望に合わせると、組織内の公平性が失われたり、会社の文化やポリシーを貫けなくなるものだ。 会社という組織は、事業を通じてどう社会貢献したいかという理念を持っている。それに共感する、自社のポリシーに合うお客さまや取引先企業さま、社員を大事にすべきだ。一方で、そうではない人には場所を自分でみつけて去っていただき、別の共感してくれる仲間を新たにみつければより発展する。信念を貫く事が、互いの健全な成長につながるのだ。

恋愛、仕事と2つの事例を上げたが、両者に共通するのは「人に好かれるために相手に合わせる」は万能ではないということ。

自分の信念に反してまで人に好かれようとする努力なんて、積み上げたものを失うだけだ。 自分の考えや生き方に自信を持てずにいる女性は少なくない。彼女たちは表面上だけ相手に合わせて、そこから先はどうすればいいのかと悩む。 

そんな女性たちに私は伝えたい。人は自分という独自の「色」を発揮するために、一度きりの人生を生きている。その人自身にとって、矛盾のない生き方をしなければ、人生は成し遂げられない。だからこそ自分の主義やルールを貫き、常に自分らしくいながら周囲に貢献すべきなのだ。 

「付き合っておくと仕事をもらえるのでは」「いいことを教えてもらえるのでは」とメリットを期待して、あまり好きではない人と深く関わろうとすると、上手くいかないケースが多い。表面的な化かし合いになる。一方で、心から「いい人だな」と思える相手と付き合うと、結果的に副産物としていいことが巡ってくる。対人の関わりにおいて、利害関係ばかりに心が奪われるのは心の疲弊も加速させる。 

今やすっかり普及した断捨離だが、成長し続ける人のもとには、数年に一度「人間関係の断捨離期」がやってくる気がする。

私は起業後、コンサバな友だちとは話が合わなくなった。経営者として、新たなコミュニティに入っていかなければならない時期が来ていた。そのときの状況で必要になる人間関係があり、置かれた場所に応じて出会う仲間がいる。無理をしてまで、現状の人間関係に合わせ続ける意味はない。

全員と平等に関わり続けながら、新たなステージになんて進めない。数年後に結果さえ出せば、また元の仲間にも理解してもらえるものだ。 私にも3〜4年に一度、事業が新たなステージに進むとき、人間関係を断捨離する時期が訪れる。付き合う人々がガラッと変わる。もちろん少し寂しいけど、それが悪いことだとは思わない。

退路を断たずして進めない道もある。永遠に続くものなんてないのだから。 人に合わせすぎるのはやめよう、誰かの意見から自由になろう。自分の決断で結果を出そう。それが大人の女性だ。自分自身を磨いて、人間力を高めよう。自分が心から目指す自分になろう。そんな自分で大切な人に向き合おう。一度きりの人生はあなただけのものだ。最高に生きよう。

〝好かれたい〞を捨てる。
それが女性の自由への近道。


経沢香保子

Text / Kahoko Tsunezawa Photo / Kisei Kobayashi
Hair&Make-up / Maki Tokuji Styling / Yuko Hodono
DRESS 2015 6月号 P.154 掲載

経沢香保子(つねざわ かほこ)
桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配可能な 安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。オンラインサロン「女性起業家サロン」も人気。

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経沢 香保子

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びキッズラインを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社...

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