“体の相性”を知りたければここを見よ! 3つのチェックポイント
「パートナーのことは愛してるけどセックスが気持ちよくない」。それは体の相性がいまいちなのかも? 体の相性を考えるとき、まず何をチェックすればいいのか。経験人数250人オーバーのAV監督・鈴木リズさんが持論を語ります。
「パートナーのことは愛してるけどセックスが気持ちよくない、これって私に問題があるんじゃ……」
最近私のもとに寄せられる相談で増えているのが、“体の相性”についてです。
人の見た目や性格が千差万別なのと同様に、体の作りや趣味嗜好がそれぞれ変わってくるのも当然。
では、体の相性を考えるとき、まず何をチェックすればいいのか。今回はこのお悩みにズバリお答えいたします!
■チェックポイント1:性的指向は一致しているか
自身で変えることが難しい「性的指向」。
ここでいうのは「嗜好」ではなく「指向」であり、性的魅力を感じる対象や、性的欲求の有無などを指します。それは人によってさまざまです(※)。
ホモセクシュアル:恋愛、性的欲求の対象が同性である
バイセクシュアル:恋愛、性的欲求の対象は、男性・女性を問わない
アセクシャル:恋愛感情や性的欲求を持たない
ノンセクシャル:恋愛感情はあるが、性的欲求を感じない
どれもその人の個性であり、無理に直す必要のないもの。また、性的指向はずっと変わらない場合もありますし、状況や相手によって変化することもあります。
難しい話のようになってしまいましたが、まずはあなたが今持っている性的指向を理解できるお相手とでないと、セックスをしても傷つく可能性が大いにあります。
体の相性以前に、まずは自分とお相手の現在における性的指向を理解することが大切です。
■チェックポイント2:セックスに対する考え方
「セックスに求めるもの」が、お相手と自分で一致していることも重要です。
「愛を確かめ合うものなのか」「ストレスを発散するものなのか」「妊娠を望むものなのか」「コミュニティを広げるものなのか」セックスにはさまざまな意味が存在します。
そして、この目的によってセックスをしたいタイミングや内容も変わってくるのです。
たとえば、自分が「愛を確かめ合うためにセックスしたい」と思っていても、相手がセックスを“スポーツ”としてしか考えていなかったら、お互いが満足いく形でセックスを楽しむことは難しいでしょう。
相手のセックスの目的は、私の場合、出会い方やセックスに至るまでのやり取り、ホテルに向かうまでのテンポなどを総合して判断しています。目的が同じであれば、後悔に陥るような、はたまた不完全燃焼的なセックスは避けることができるので、ここはきちんとすり合わせるのが大事です。
■チェックポイント3:物理的快感に対する嗜好
人の体は、特定箇所への(聴覚や視覚を含む)刺激を与えることでドーパミンの作用から快楽を得られるように作られています。
その箇所や刺激の方法は人によって、あるいはそのときの気分やコンディションによって違います。なので、相手がよかれと思ってやっていても、自分は物理的な快感が得られないという状況が起きてくるのです。
私自身は「自分が追い詰められる状況に快感を覚える」ということを知っているので、「相手を責めたり嘲ることに快感を覚える人」とのセックスは非常に体の相性が良いと感じるわけです。
なので、私がセックスの際に大切に大切に扱われ、攻めと受けをバトンタッチしながらあま~いセックスをしても、さほど快感は得られないでしょう。
大切なのは、お互いの嗜好が違っていたときにどうするかです。
どちらかの好みに合わせていくのも良し、お互いに話し合って第3の方法を探していくのも良し。刺激の種類は、この世には限りなく存在します。
快感を得られる方法や箇所、強弱などを話し合いながらお互いに合わせていくことができるのであれば、「チェックポイント3」は簡単にクリアすることができるでしょう。
■重要度は1>2>3
「パートナーとのセックスが気持ちよくない」という悩みを抱える多くの人の経緯を紐解いてくと、「1」「2」をスルーして「3」を中心に考えている人が多いように感じます。
そもそもセックスはリラックスした状態でこそ楽しめる行為なので、「1」「2」がクリアできていない状態で心地よいセックスはまず無理であろうというのが私の答えです。
私は過去に250人以上とのセックス経験がありますが、その98%以上が「良いセックスだった!」と答えられます。それはまさに、「1→2→3の順で考える」ことに成功していたからだと思います。
性的指向✕目的✕嗜好が揃う相手を見つけ出せば、はじめから体の相性バッチリのセックスに出会えることもありますし、最初は違っても一緒に目的や嗜好を見出してくことで結果的に体の相性が合ってくることもあります。
いまあなたがパートナーとの体の相性で悩んでいるのであれば、本質を見直すつもりで真摯に自分自身に向き合ってみるのも良いかもしれません。
参考資料/「脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体」(中野信子著, 幻冬舎, 2014年)
※編集部注:性的指向の一例を挙げましたが、性別や性的指向にはさまざまな解釈があり、すべての人がこの中に当てはまるものではありません。