女性の自由は、経済的自立心からはじまる。

女性の自由は、経済的自立心からはじまる。

経済的自立心によって、女性は自由を手にすることができる。小学4年のある日に出した「1億円あったら女も自由になれる!」という仮説。上場も、結婚も出産も、離婚も、子供との死別も経験した経沢香保子さんが考える、自由と経済的自立とは。


■一億円あったら女は自由になれる?

一億円あったら女は自由になれる?

私がその仮説を思いついたのは、小学4年のある夏の日。場所は実家のリビングだった。

電卓を手に、目を輝かせて計算する変わり者の少女は、「女性が輝く社会」をつくるため、女の自由、そして家族の自由のためならどんなリスクもとる41歳の女起業家になった。

ごく普通の家庭に育った。自営業の父、専業主婦の母、そして自分と姉の4人家族。朝から晩まで私たち姉妹に精一杯の愛情を注ぎ、育ててくれた母が私は大好きだった。

不満を口にする事もなく、家事も育児も常にパーフェクトな、専業主婦の鑑のような彼女。憧れていたし、私も将来結婚して、子供を育てたいと素直に思っていた。

一方で、家庭の中で奥さんが旦那さんを立て、お伺いをたてるという大人の社会のシステムには、ちょっぴり疑問を感じていた。

学校のホームルームでは、男子・女子関係なく、意見のある人が手を挙げて多数決で決まる。

でも、どうやら大人の世界は少し違うみたい。

不思議だなー、といつも感じていた。ある日、その時はやってきた。ピアノを習いたいと思った私は、まず母に相談した。すると母は、「いいじゃない、素敵」。しかし、その後いつもどおり「まずは、お父さんに聞いてみましょう」という言葉。事から帰宅した父に、切り出した。
「ピアノ、習ってもいいですか?」。父は少し考えたのち言った。

「だめだ」。

どうして? 問うと「お父さんが、そう決めたから」。

我が家はいつも父の意見が法律だった。

経済的な柱が父だから当然だと思って育ったが、やはりちょっと不満があった。父の言う事は正しいかもしれない。

でも、自分に選択肢がないのはつまらなかった。幼い頭で一生懸命考えた。

私なりに欲しいものがあり、やってみたいことがある。それらをすべて叶えるには、どうすればいいのか?

この先結婚しても出産しても、一生自分の好きな生き方をするには、どうしたらいいんだろう?そして出した仮説が、「1億円あったら女も自由になれる!」だった。

私は決めた。結婚するまでにできるだけの貯金をしよう。当時の金利は約7 %(そもそも、なぜかお金の事に興味と知識を持っているヘンな子供だった)。

電卓を出し、計算をはじめた。
たとえば1億円の貯金があれば、利息が毎年約700万円。

それだけあれば、なにかあった時、出産や育児を手伝ってくれる人を雇うこともできる。経済を旦那さんだけに頼らずとも、余裕を持って、自分のやりがいのために仕事ができそうだ。

■経済的自立が女性を自由にする

経済的に自立すれば、自分の人生を自分で決められる。好きな生き方を決められるに違いない。

そう考えると、すごくワクワクしてきた。なんだか背中に翼が生えたみたいな気分だった。
その瞬間から、猛烈に勉強をはじめた。

結婚するまでに1億円貯金するには、まずはいい学校に入ること。桜蔭中・高、慶應大学へと進んだ。

大人になってからは、色んな事があった。
いつしか低金利時代に突入、1億円の事もすっかり忘れていた。
ただ、自立心だけは育っていった。

起業した。最年少上場企業女社長となり、自らの会社に150億の値がついた事もあった。
結婚も出産も、離婚も、子供との死別も経験した。

傍からみたら得たものも失ったものも人一倍多い、波瀾万丈の人生だろう。

先日、2度目の離婚をして、上場社長の座を譲って、またゼロから起業した。きっとこの先も山あり谷ありだろう。でも、これだけは自信を持って言える。

私は、自由だ。

少女のあの日、一番欲しかった「自由」。
それは、1億円ではなく経済的自立心というマインドだった。

いつでも稼げる力をつけるという覚悟だった。
それがあれば自由だ。自分の人生は自分で創るという生き方だ。

お金じゃない、自立の覚悟、それが、自由への第一歩。

Text / Kahoko Tsunezawa

■経沢香保子(つねざわ かほこ)さんのプロフィール

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配可能な 安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。オンラインサロン「女性起業家サロン」も人気。

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コラム集「経沢香保子の本音の裏側」

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