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体だけ求められる関係にうんざり。不倫から卒業した女性の体験談

既婚者の男性と肉体関係を持つ不倫。幸せにはなれないとわかっていても、「好きになったのなら仕方がない」と腹をくくっていましたが、現実では体にしか価値を感じてもらえない日々に虚しさを覚えます。そんな彼女が「好きでも別れるしかない」と決意し、不毛な関係から抜け出せた理由とは。

体だけ求められる関係にうんざり。不倫から卒業した女性の体験談

■「好きになったのがたまたま既婚者だっただけ」

35歳のある女性は、派遣社員として入った会社である既婚男性と知り合いました。上司にあたるその男性は、期間限定で働く彼女に親身になって仕事を教えてくれて、何かと気にかけてくれることが多かったといいます。

「いま思えば、最初からそれが目的であんなに優しかったのかも」と彼女は振り返りますが、そのときは左手に結婚指輪をはめているこの男性を見て「既婚者ならおかしな関係になることもないし、逆に気軽に話せる」と思っていたそうです。期間の決まった勤めであっても、派遣社員が自分だけの環境で、助けてくれる彼の存在はありがたく、質問にもきちんと答えてくれるのが頼れるところでした。

不倫関係になるなど想像もしていなかった彼女ですが、きっかけはランチに誘われるようになったこと。普段はお弁当を持参する彼女が、作れなかった日にコンビニで買ってくる様子を見て、男性が「コンビニ弁当じゃ体に悪い。お弁当がない日は俺と食べに行かない?」と誘ってくれたそうです。

男性のほうは、「妻が病気がち」だそうでお弁当を持ってくることはありませんでした。「俺もコンビニばかりだから、一緒に食べてくれる人がいると助かる」という言葉を彼女は鵜呑みにし、声をかけられるままに一緒に過ごす時間が増えていきます。

「上司だし、ふたりで食べに行くとか大丈夫かなと思ったけど、彼が『派遣で来てくれた人にそこまでうるさく言わないよ』と言ってくれて、この人がそう言うならって信じちゃったんだよね」と、彼女は悔しそうに言っていました。

それから、ふたりの距離はどんどん近づいていきます。会社を離れれば仕事以外の話題も増え、男性はパートで働く奥さんとふたりで暮らしていること、結婚して10年以上になるけど子どもができずにもう諦めていることなど、家庭のこともたくさん話してくれたそうです。

既婚男性の口から語られる結婚生活は、独身の彼女にとっては新鮮なものでした。

「そのとき『妻はあまり体が丈夫でないから、寝室は別』って繰り返していて、つい『寂しいですね』って言ったのよね、私。そうしたら『そうなんだよ、だから君みたいなキレイな女性とこうしてご飯が食べられて、いい刺激になってる』って笑いながら言われて、それを真に受けたの」

と、彼女はそのときを振り返ります。「かわいい」「頭がいい」「仕事が早い」など、何かと自分を褒めてくれることは、彼女にとって心地よいものでした。そしてそれが、彼女が男性に対し急速に心を開いていく理由にもなりました。

気がつけば、彼女はこの既婚男性のことを好きになっていました。仕事中もふたりでランチに出かけるときも、常に自分に気を配って優しい言葉をかけてくれる男性の姿が、恋しいものとして彼女の胸を占めます。

「彼は既婚者であって、家には体の弱い奥さんがいて、私はただの派遣社員。それはわかっているけど、彼が向けてくれる笑顔はいつもあたたかくて、特別な感じがする。もっと近づきたいし、彼にとって大きな存在になりたい」

こんな願望を自覚してから、彼女は「“好きになったのがたまたま既婚者だっただけ。仕方がない”と腹をくくったの」と、つらい片想いに身を投じる決心をします。そこには、男性とは派遣期間中だけのつながりだから、という気楽さもありました。

好きになった人がたまたま既婚者だった

ひろた かおり

37歳で出産、夫と子どもの三人暮らし。何歳になっても恋愛ネタ大好物。恋愛相談家としてこれまで多くの男女から話を聞いてきた経験を活かし、復縁についてのアドバイスや不倫などさまざまな「愛のカタチ」について書いていきます。 人生...

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