「相手に合わせる恋愛が正解」と信じる男性が誰とも付き合えない理由 2/2
■自分の提案を拒否された過去
この男性には、好きだった女性を積極的に誘い、自分の好きな場所や連れていきたいお店に案内したけれど、「楽しいのはあなただけだよね」とはっきり言われて振られた過去があります。
夜にふたりで食事するお店は、彼の行きつけの定食屋さんやセルフのうどん屋さんばかり、昼間に連れていくのは彼の好きなサバイバルゲームのアイテムが揃っているお店や安さが売りのファッションセンターなど。
「どうしてその店を選んだの?」
と尋ねると、彼は
「その人が俺の話に興味を持ってくれたから。楽しんでもらいたいと思って連れていったんだけど、間違ったらしい」
とため息をついて答えました。
それから、彼は「自分の好みはどうも女性には受け入れられないものらしい。だったら何でも女性に合わせていれば失敗しないだろう」と思うようになったそうです。
彼が間違えているのは、自分の好みが女性に受け入れられないのではなく、せっかくふたりでいるのに自分の行きたい場所ばかり選んで「相手も楽しいだろう」と決めつけていることです。
女性からすれば、行くお店はふたりで話し合って決めたいし、自分の好きなお店だって男性に知ってほしいと思っていたかもしれません。そんなこちらの気持ちを確認されることなく、一方的に「同じはず」と決めつけられることが寂しさを呼びますが、「楽しいのはあなただけだよね」と言われた男性は「俺の好みが合わなかったのだな」としか受け取りません。
相手の気持ちを考えず、確認しないことで失敗してきたのですが、それがわからない男性は「何でも相手に合わせるのが正解」と思い込むようになりました。
■自信のなさが「相手に合わせる」結果に繋がる
誰とも付き合ったことのない自分を振り返って、男性は「俺はモテないし、女性を喜ばせることもできない」と思っています。自信のなさは女性の前で虚勢を張ることにつながります。
先日もこの男性は、
「ランチに誘ったらOKをもらったんだ。その人がパスタが食べたいって言うから、『俺は手持ちがないからそっちが決めて』と答えていたら、前の日になって『やっぱり都合が悪くなった』って連絡がきて。これも、俺が悪いってことなの?」
という出来事があったそうです。
「手持ちがない」という言い方は、女性にとっては「俺はいいお店を知らないし、調べるつもりも一緒に探すつもりもない」のと一緒。男性はお店を知らない自分を「手持ちがない」でごまかしながら、結局見つける手間を女性に取らせていることに気が付きません。
その負担を考えられないのが女性に断られる理由なのですが、男性はあくまで「女性の行きたいお店を優先する自分」が正しいと信じており、女性の寂しさや物足りなさには目が向きません。
自信のなさが態度に出ることで、女性は男性を信頼するきっかけを持てないまま、仲を深める時間から遠ざかります。
■合わせるのではなく、「一緒に考える」
こういう男性から好かれて、「何でもこっちに任されるのがプレッシャーで、好意を持ってくれるのはうれしいけど付き合う気にはなれない」という女性の声をたまに耳にします。女性にとって受け入れがたいのは、「合わせているつもりでこちらの気持ちを無視している」男性の姿。
男性のほうに「相手と一緒に考える」姿勢があれば、お店を知らなくてもふたりで探す楽しみがあるし、そんな時間だって心が通い合う大切な機会です。それを思いつかずこちらに丸投げされても、「合わせてもらってうれしい」ではなく「一方的に任される負担」のほうが大きくなれば、一緒にいたいとは思いませんよね。
こんな男性からアプローチされたとき、応える気があるのなら「行くお店はふたりで決めたいから、一緒に探さない?」と一度は尋ねてみることで男性の本心がわかります。「そうだね、そうしよう」と乗ってきてくれるか、「いや、俺はよくわからなから、あなたが決めてくれていいよ」と断るか。後者の場合は、そもそも自分が楽をしたいだけの可能性もあります。
「一緒に考える」姿勢があるかどうか。「合わせることが愛情表現」と信じている男性には、決してそればかりが正解ではないと示してあげることも、ふたりのコミュニケーションを変えるきっかけになるかもしれません。