プライドにこだわって復縁に失敗する男性のリアル
「別れた元カノとよりを戻したくて頑張ったけれど、受け入れてもらえなかった」という男性の話を聞くと、プライドを捨てられずに以前と変わらないまま復縁を迫ったことが原因の場合も多くあります。「努力したのに」と言いながら復縁に失敗した、ふたりの男性のエピソードをご紹介します。
■「何も変わっていない」のはどっち? 〜Sさん(35)の場合〜
「俺の仕事が忙しいのはわかっていたし、用事がない限り連絡も自分からするほうじゃないって話も、元カノにはしていました。それに納得して付き合ったはずなのに、『休日はランチくらい誘ってほしい』とか『もっとLINEで話したい』とか言われて、よくケンカになりましたね。
『寂しいばかりで付き合っている感じがしない』と言われて振られて、そのときは仕方ないと思っていたのですが、冷静になったら俺のタイミングに合わせてくれていた元カノのありがたさがわかって。
よりを戻したくて連絡したら向こうも『いい友達でいようね』と言ってくれたので、仲良くしながらなんとか復縁できたらと思っていました。
でも、付き合っていた頃と違って俺が誘っても断られることが多くて、なかなか会えなくて。かといって彼女から誘われることもないし、距離が縮まらないことに焦っていました。
『俺との時間を避けてない?』と思い切って訊いたら、
『もう彼氏じゃないし、無理に合わせる理由がない』
とはっきり言われてショックでした。
それから、付き合っているときにどれだけ我慢していたか、寂しいと言っているのに無視されてどれだけ悲しかったかとか聞かされて、それきり連絡が取れなくなりました。
そもそも、別れた原因って彼女のわがままじゃないですか?
何にも変わっていないんだなと思うとがっかりして、俺に合わせる気がないならよりを戻しても意味がないやと思って、彼女の連絡先はすべてブロックしています」(Sさん/35歳/営業)
「俺に合わせてくれていた」ことに気がついて復縁を願ったのに、いざ仲良くなろうとしたら昔の元カノとは違っていたのでやめた。こちらの男性は、まず付き合っていた頃の自分をまったく省みておらず、別れた原因も「彼女のわがまま」だと思っています。
「何にも変わっていない」とがっかりするのは勝手ですが、それは元カノにとっても同じこと。元カノが別れを決めた原因は「自分の気持ちを無視される寂しさ」であり、そこが解決されていないのに距離を詰められても受け入れることはできません。
「今は無理に合わせる理由がない」と言われたとき、男性が
・付き合っているときに我慢させていたこと
・彼女の気持ちを知っていたのに変わらなかった自分
を反省できていれば、それを見た彼女のほうも歩み寄る気持ちが湧いたかもしれません。
彼女が見ていたのは、「昔と何も変わらずに自分を都合よく存在させたがる」元カレの姿でした。
復縁を願うなら、まず別れた原因を正確に把握してそれを解決する姿勢を見せないと、相手の心は動きません。「よりを戻しても過去と同じ」と思われている限り、どれだけ近づこうとしてもうまくはいかないのですね。
「別れたのは彼女のせい」「俺に合わせてもらいたい」と思うのは、過去の自分を反省できない男性のプライドがあるから。
そんな自分がどう受け止められるのか想像できないのも、元カノにとっては復縁を拒む理由です。
■好きなら復縁したいって言うでしょ? 〜Yさん(40)の場合〜
「俺はいわゆる『非モテ』で、これまでに付き合った女性はひとりだけです。それも1カ月くらいで振られてしまったのですが、次に俺を好きになってくれた人は大事にしようと思っていました。
女友達から彼女になった元カノは、趣味が合うし話していても飽きないし、気を使わないで済むのがいいなと思っていたのですが、『全然リードしてくれない』って不満を言われて別れられました。
俺としては、彼女に合わせることで大切にしているつもりだったし、流行りのお店とか場所とか知らないから、彼女の行きたいところに喜んでついていっていました。それを『リードしてくれない』と言われても、だったらそういう男と付き合えば? としか言えなくて……。
でも、彼女以上に俺のことを理解してくれる女性とはこの先も出会えそうにないし、これからはもっと男らしくなるから復縁してほしいと思っていたんですよね。ケンカ別れみたいになっていたから、頭が冷えたら冷静に話し合えるかもと思って、思い切って連絡しました。
彼女は普通に話してくれたけど、俺のことをどう思っているのかまではわからなくて、結局『友達から』みたいな感じでまた連絡を取り合うようになりました。
今度は俺が引っ張ろう、と自分なりに彼女の好きそうなお店を調べたり喜んでくれそうなスポットにドライブに行ったり、彼女も誘えば来てくれるし、いい雰囲気かなと思っていたのですが……。
彼女のほうから『よりを戻したい』とか『また付き合って』とか言ってくれるかな、と思っていたのですが、2カ月くらいそんな感じで、俺のほうが疲れてしまいました。
それで、彼女に『ごめん、もう無理だわ』と正直に伝えたら、
『無理って、何が? 何を無理していたの?』
と返ってきてびっくりしました。
一生懸命彼女のためにやってきたのに、何も受け止めてくれていなかったんだ、とわかって悲しくなって、復縁は諦めました。
リードする男がいいって言うから頑張ったのに……」(Yさん/40歳/整備)
それまで何でも彼女に任せていた自分がダメだったことに気づき、彼女が望む男らしさを見せようと奮闘していたこちらの男性。
確かに、別れた原因は「積極的に関係をリードしない」ことだったかもしれませんが、それならどうして、自分から「また付き合ってほしい」と言えないのでしょうか。
男性には、「同じ気持ちなら、彼女のほうから復縁を申し出てくれるだろう」という甘えが見えます。“頑張る自分”をアピールしながら、それを受け止めてくれた元カノのほうが動いてくれることを期待したのですね。
ですが、それこそ元カノから見れば「以前と変わっていない証拠」になります。肝心なところで決定打を避け、相手を動かそうとするのは男らしさとは真逆の姿勢。元カノに“合わせる”ことに疑問がない姿は、彼女が望んだ関係とは言いづらいものです。
「ごめん、もう無理だわ」の言葉も一方的で、男性が見ているのは元カノではなく“復縁のために頑張る自分”。よりを戻したいとははっきり言わないくせに、相手が変わってくれないことに苛立ちを見せられても、それは男性側だけの問題です。
これも、自分に自信を持てない男性のプライドから生まれるつまずきです。「相手に好かれてから好きになる」「元カノが復縁したがっているのがわかったらお願いする」など、関係を相手任せにして確実に大丈夫とわかってから動く姿は、女性から見れば信頼して交際できるとは思えません。
ここに気づかない限り、どれだけ理想に近づいても元カノのほうから復縁を申し出ることはないでしょう。女性が見たがっているのは「自ら気持ちを伝え、関係を一緒に進めていこうとする姿」なのだと知ることができれば、関わり方も変わってくるかもしれません。
■自分のプライドが邪魔していると気が付かない男性たち
「俺、こんなに頑張ったのにダメだった」と嘆く男性に話を聞いてみると、復縁の意味を理解していないことがあります。
「昔と同じような付き合いがしたい」「元カノのほうから好意を見せてほしい」など、自分の都合で復縁を願っても、それが別れた原因である限り女性は決して受け入れてくれません。
ですが、そんな自分がおかしいと気が付かない男性は、プライドを捨てられないまま元カノに近づき、想像通りに行動してくれることを期待します。その姿勢こそ元カノにとっては「何も変わっていない」証拠であり、よりを戻したところで自分が幸せになるとは思えないのですね。
復縁は、過去の交際より幸せなお付き合いができてこそ成功といえます。
そのためには、付き合っていた頃の自分を省みて相手に歩み寄る気持ちが不可欠であり、「ふたりで進めていく」ことを改めて大切にする姿勢を忘れてはいけません。